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2017年4月5日消費者問題に関する特別委員会 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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 福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 食べ物の安全についてずっと質問してきたので今日は種子法の改正案について質問をまずいたします。
 種子法は、例えば八条に、「都道府県は、当該都道府県に普及すべき主要農作物の優良な品種を決定するため必要な試験を行わなければならない。」、四条の二やそれから二条の二項に生産物審査の規定もあります。これを廃止するというのは乱暴ではないか、これで食べ物の安全が守られるのかという点で聞きたいというふうに思います。
 これらの審査、試験の責任は誰が果たしていくんでしょうか
 政府参考人(天羽隆君)
 お答え申し上げます。
 主要農作物種子法の廃止についてお尋ねがありました。
 主要農作物種子法は、戦後、食料増産が国家的課題であった昭和二十七年に成立されたものでございます。稲、麦、大豆の種子につきまして、全ての都道府県に原種、原原種の生産や普及すべき優良な品種、奨励品種と呼んでおりますけれども、これを指定するための試験等を義務付けておりまして、稲、麦、大豆の優良な種子の生産及び普及を図るというものでございます。
 一方で、近年、実需者のニーズを踏まえた民間企業の品種も開発されておりますが、都道府県の奨励品種にはほとんど指定されている品種がないなど、都道府県と民間企業が法制度としてイコールフッティングの扱いとなっておらず、今後、都
道府県のみならず、民間のノウハウも活用して広域的、戦略的な種子の生産、普及を進めていく上で問題であるというふうに考えております。
 このため、今般、主要農作物種子法を廃止する法律案を提出し、都道府県による種子開発、供給体制を生かしつつ、民間企業との連携により種子の生産、普及を推進していくこととしておるところでございます。
 御質問にありました種子法の廃止により、都道府県が行う生産物審査の義務付け等は廃止されることになります。その中で、種子の品質の確保につきましては、種子法の廃止後は、稲、麦、大豆を含む種苗一般をカバーしております種苗法という法律がございます。この第六十一条に規定されている指定種苗の生産等に関する基準に、稲、麦、大豆の種子について現行の種子法の圃場審査及び生産物審査に係る規定と同様の規定を追加をし、これまでと同様、生産地の都道府県がその品質の確認を行う方向で検討しております。
 福島みずほ君
 法律を一本丸ごと廃止をしてしまうと、それの代替措置が別の法律の大臣告示改正で事足りるというのは、法令の立て付けからいっても極めて乱暴ではないかと思います。
 地域に適した優良な品種を奨励品種に指定し、国からのバックアップも受けながら生産性向上を図るという種子法の根幹がなくなることは問題ではないでしょうか。
 政府参考人(天羽隆君)
 お答え申し上げます。
 現在、都道府県は、都道府県、各地域の農業振興の観点から、種子の生産、普及に関与していただいておるところでございます。
 主要農作物種子法の廃止に関しまして農林水産省が各都道府県に聞き取りを行いましたところ、大半の都道府県から、主要農作物種子法が廃止されても、現行の種子法に規定されているような、一つには奨励品種に関する業務、二つには原種、原原種の生産に関する業務、さらには圃場審査、生産物審査に関する業務を継続する見通しであるとの回答が得られたところでございます。
 我々といたしましても、こうした都道府県の取組を後押しするため、第一に、農業競争力強化支援法案におきまして、種子生産に都道府県の知見を活用する旨を規定するほか、種子法に関係する事務を対象として措置されている地方交付税が引き続き確保されるよう、関係省庁と調整を行うこととしております。
 また、種子生産における都道府県と民間事業者との連携の促進を図るなどの取組を行うこととしております。
 福島みずほ君
 これは、だから、きちっと税金が付くように努力をするとかですね、各都道府県において自主的かつ任意に奨励品種の指定がなされるというふうに、弱くなっちゃうんですね。種子法があったから国、都道府県が責任を持つ、財政上の措置の担保法がなくなってしまうということになるわけです。
 そして、今おっしゃった競争力強化支援法の八条の四などで、民間事業者への提供を促進するとなっております。種子法を廃止して、グローバル企業が例えば日本に参入する、あるいは日本の種子が高くなるんじゃないか、あるいは本当に被害が高ずるんじゃないかという指摘が非常になされています。
 現行法においても、グローバル企業による種子ビジネス参入自体を規制、禁止している法令は存在しません。ただ、日本が少量多品種ということもあり、なかなかそのグローバル企業は来ていないんですけれども、TPPのときも議論になりましたけれど、種子法がなくなって、まさにグローバル企業などがやってくるんじゃないか。
 民間と例えばグローバル企業、まあ日本の民間でもいい、グローバル企業の民間と県が共同で開発した場合、そのパテントはどっちが所有するんですか
 政府参考人(天羽隆君)
 御質問いただきました、公的機関と国内、国外を問わず民間事業者が連携して品種開発を行う場合における知的財産の取扱いについての御質問であったと考えております。
 日本におきましては農研機構が様々な知見を持っておるわけでありますけれども、実際に民間事業者と共同研究を行う場合には、共同研究等に係る契約をあらかじめ締結いたしまして、その中で知的財産に関する取決めを行うことになります。
 その際、共同研究等により生み出される知的財産権の取扱いについては、研究開発の内容やそれぞれの貢献度等によりケース・バイ・ケースで定めるということとされております。
 福島みずほ君
 ケース・バイ・ケースなんですね。契約の中身はそれによって変わると。
 そして、条約、種子における特許など知的財産権に関する国際取決めは、植物の新品種の保護に関する国際条約、UPOV条約がありますが、それの十条では、育成者は、育成者権を最初に出願する当局が属する締約国を自由に選択することができるとあります。
 今の答弁でもあるとおり、行政、都道府県と民間業者がやった場合には、だから分からないんですよ。そうしたら、グローバル企業が将来特許権取っちゃうこともあり得るのではないかというふうに思います。
 種子を制する者は農業を制する。二〇一四年、種子市場は世界で四百億ドル、上位四社で占有率五八%を占めています。
 遺伝子組換え食品は日本では禁止されていますが、もしこれが揺らいで、遺伝子組換え食品、大豆はもう物すごい高い世界での作付面積率ですよね。遺伝子組換えだと、もう種子は次の年に種子を生まないわけです。日本の種子を守れということで、この種子を守るために種子法の廃止は問題だと思います。
 消費者担当大臣、消費者の立場から、種子を守れ、これいかがでしょうか。
 政府参考人(吉井巧君)
 お答えをいたします。
 今回の種子法の廃止につきましては、現在の都道府県によります種子の開発、供給体制を生かしながら、民間企業との連携によりまして種子の生産、普及を推進をしていく目的で行われるものでございます。
 不良種子や異物の混入に対する対応など、種子の品質の確保につきましては、他法令の下で一定の措置をするなど十分に配慮することと伺っておりまして、先生御指摘のような食品の安全性に影響を及ぼすといったようなおそれは現時点では少ないのではないかなというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、消費者の健康の保護が最も重要であるという基本的な認識の下に、万が一にも食品の安全性や食料の安定供給の確保に支障が生じることがないようにしっかりと注視をしてまいりたいというふうに考えております。
 福島みずほ君
 ケース・バイ・ケースで民間がパテントを取る可能性もあると。種子法の廃止によって、国、都道府県の責任がもう本当になくなってしまう、これは極めて問題だと思います。
 次に、消費者から見た原発問題という質問をいたします。
 電源三法交付金が始まった一九七四年から今日まで、原発に投入された税金の総額は幾らですか。
 政府参考人(小澤典明君)
 お答えいたします。
 電源三法交付金につきましては、電源立地地域対策交付金などの様々な交付金事業、交付金事業という単位で予算が計上されております。それから、この交付金制度の中では、原子力発電所のみならず、水力発電所あるいは地熱発電所などほかの電源もその中で交付金の対象としております。
 したがいまして、先生御指摘のような原発に投入された税金という整理はしていないために、今の御質問に、しっかりとしたその総額というのをお示しすることは非常に難しいということを御理解いただきたく思います
 福島みずほ君
 しかし、電源三法交付金はほとんど原発に使われているんじゃないでしょうか。
 ゃ、その総額を教えてください
 政府参考人(小澤典明君)
 取りあえず二十九年度の予算の形で言わせていただきますと、電源立地地域対策交付金や原子力関連の研究開発、こういったものをもちろん含んでおりますけれども、そういったものを含みますエネルギー対策特別会計電源開発促進勘定の二十九年度予算額は合計で……(発言する者あり)
 今手元にございませんけれども、まず、二十九年度予算額は三千四百五十三億円でございます。
 福島みずほ君
 電源三法の交付金は大体十七兆円と言われています。
 では次に、東京電力福島第一原発事故に伴う事故対応費用は幾らか、賠償金と除染費用は合計で幾らか、そして廃炉費用は幾らと見積もっているか、教えてください。
 政府参考人(小澤典明君)
 お答えいたします。
 福島第一原発事故に対応するための所要資金の見通しでございます。現時点で最新の情報に基づきまして一定の蓋然性を有するものとして、総額で約二十一・五兆円というものをお示ししております。この中で、内訳としましては、廃炉費用につきましては約八兆円、それから賠償につきましては約七・九兆円、それから、除染、中間貯蔵につきましては約五・六兆円というように見込んでおります。
 福島みずほ君
 二十一・五兆円ですね、安く見積もっても。つまり、消費者の立場から見て、原発は本当に公平な、安価な、安全な電力なのだろうか。電源交付金始めこういう形で手厚く保護をすることが消費者の立場から妥当なんだろうか。
 例えば、廃炉費用を託送料に上乗せする形で新電力会社の利用者からも徴収するというやり方は消費者無視ではないでしょうか。
 政府参考人(福岡徹君)
 今、廃炉費用のことにつきまして御質問がございましたけれども、電力自由化が進展している、そういう現在の制度の下で、原子力事業者が早期に廃炉を行う場合に当たって判断をちゅうちょすることがないように、経産省の電力システム改革貫徹のための政策小委員会中間とりまとめでは、廃炉に伴って一括して生じる巨額の費用を分割して計上する措置の対象とすることが適当であって、その費用回収のために託送料金の仕組みを利用することが妥当としていると承知しております。
 消費者庁といたしましては、廃炉に関する措置によりまして消費者への過度な負担につながらないよう、送配電事業者においてはこれまで以上の合理化によるコスト削減を進めるとともに、経済産業省におかれては引き続き消費者に丁寧な説明、十分な説明を行って納得を得られるよう対応いただきたいと、そういうふうに考えてございます。
 福島みずほ君
 廃炉費用は根本的にその民間会社が負担すべきであり、また、今からその廃炉費用を新電力まで上乗せすることは予想外のことであり、間違っているというふうに思います。
 それでは、原賠法、原子力損害の賠償に関する法律十六条で、ごめんなさい、三条の規定で、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行うものとすると規定しています。原発事業者がどんなに重大な事故を起こしてもあらかじめ国が青天井の援助を約束しているもので、企業のモラルハザードを生み出すものではないか。そもそも、どこの民間企業に、損害を与えた場合、その以上のものについて国が援助するなんというのを決めている法律があるでしょうか。ないでしょう。
 民間企業にそれだけ手厚いのってないですよ。
 原発はおんぶにだっこ、まさに税金の点で、電気料金に加算をして、その分を電源三法交付金にやったわけです。それはやっぱりおかしいんじゃないか。原発要らない、あるいは、原発は安全かという消費者の立場からすれば、原発を国がこのようにやり続けているのはおかしいと。
 今やるべきは、この交付金を、例えば廃炉を決定した自治体をどうする、例えば、原発立地県に関して原発以外の例えば自然エネルギーやるときに交付する、雇用について交付する、未来を見据えた交付金にするなら分かります。でも、このおんぶにだっこ、更に援助をするこれらの規定は、消費者の立場から見て問題があるとお考えではないでしょうか
 政府参考人(小澤典明君)
 先生の御質問の前段の方にお答えさせていただきますと、原賠法の御指摘ございました。
 原賠法につきましては文部科学省が所管しておりますけれども、同法の詳細な内容については文科省に委ねたいと思いますけれども、この法律の下では、原賠法第三条で事業者が責任を持つ、それから、原賠法の第六条では、原子力事業者は、原子力損害を賠償するための措置を……
 委員長(石井みどり君)
 時間を過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
 政府参考人(小澤典明君)
 講じていなければ、原子炉の運転等をしてはならないとございまして、一義的には事業者の責任ということが定められているというように認識しております。
 福島みずほ君
 終わります。ありがとうございます。
 委員長(石井みどり君)
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。

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