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本会議 平成22年05月21日 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
174-参-本会議-23号 平成22年05月21日
○加納時男君 ただいま議題となりました地球温暖化対策基本法案について、私は自由民主党を代表して、鳩山総理並びに関係大臣に国益を考える立場から質問をいたします。
鳩山総理は、就任早々、国内的議論もないまま、国連の会合で国内の温室効果ガス排出量を二〇二〇年には一九九〇年比で二五%削減すると発表されました。その後、デンマークで開催されましたCOP15では、総理の存在感は薄く、政府が考えていたような成果は得られませんでした。産業界や労働団体を始め各方面から政府の地球温暖化対策を不安視する声が上がってきているにもかかわらず、議論を深めることもないままにこの度の法案提出となったことは極めて遺憾であります。
そもそも、この二五%という数字にどれほどの根拠があったのでしょうか。
総理は、国連演説で、科学が要請する水準に基づくものとして二五%削減と発言しておられます。その後、国会質疑等で、これはIPCCの知見を大きなよりどころにしていると言っておられます。ところで、私、読みましたIPCCのレポートには、二五%削減を要請するとはどこにも書いてありません。IPCCは、あくまでも様々な知見を集め多数のシナリオを提供する組織と理解しております。このような理解でよろしいですか。総理に伺います。
我が党が政権にあったとき、様々なモデルとシナリオを多くの審議会で、しかも公開で議論いたしました。技術開発の可能性も含めて、ぎりぎりの挑戦目標としたのが二〇二〇年に二〇〇五年に比べて一五%削減というものでありました。今回の政府案は、一九九〇年比二五%削減ですから、これを二〇〇五年比にしますと三〇%の削減となり、実に自民党の案の二倍になるものであります。そこで総理に伺います。真水分は一体そのうち幾らなんでしょうか。そして、国民の負担は幾らになりますか。
小沢環境大臣は、三月三十一日にロードマップの大臣試案を発表されました。これは、ある大学の一人の教授の作成されたモデルによって二五%削減の影響を分析したものがメーンとなっております。それによると、二五%削減しても経済や雇用にプラスになるとしています。これはおかしいのではないかということで、小沢環境大臣に伺います。
この大臣試案は、数あるシンクタンクや専門機関のモデルの中からなぜ特定のモデルを選んだのですか。都合のいい試算だったからですか。このモデルは、各省の大臣や専門家と議論、調整したものですか。環境省の中期モデルに関する専門家検討委員会がありますが、これは何回開催しましたか。また、このモデルについて、今後オープンな場で議論していくと衆議院で小沢環境大臣もこの大学教授も発言しておられますが、では伺います。今日までに具体的にどのような場で何回議論してこられましたか。そして、その結果、どのような知見や意見があり、これをどのように反映しておられますか。
総理に伺います。閣僚の中には、厳しい規制を掛けると技術も経済も進歩すると言って、マスキー法のときの対応を例示する方がおられます。あれは、公害という、現実に被害が生じ、かつ因果関係が明確になったため、世論の強力な後押しがあってあれは成功したことは私も認めます。しかし、このことと地球温暖化とは同列にならないのではありませんか。全く違うんです。日本だけが突出した厳しい目標を掲げても、世界全体で対応しないと意味がないのではありませんか。
最近、民主党の幹事長は、百四十三人もの国会議員をお連れになって中国を訪問されました。規制が技術と経済を進歩させる、盛んにそうおっしゃる方がおられます。そうお考えならば、総理は、党の代表として、米国や中国に大勢で出かけて大幅な削減目標を作るよう説得するお考えはありますか。
この二五%削減には、すべての主要国が公平で実効性ある国際枠組みや意欲的な目標などで合意できた場合との前提が付いています。前提が満たされるまでは発効せず、その前提が満たされて初めて発効するという、言わば停止条件付の珍しい法律であります。このような停止条件付の数値目標を掲げた法律はこれまで我が国にはなかったと、委員会では内閣法制局から回答がありました。
その上で総理に伺います。主要排出国である中国やアメリカは、意欲的な目標を示していますか。前提条件が成立しない場合はどうなるのですか。当然、中期目標は廃止又は訂正されるのでしょうか。この二つの前提条件はいつまでにだれが認定し、何をもって満たされたとするのでしょうか。長期目標については法案に記述があります。なぜ長期目標には前提条件が付いていないのですか。中期目標の前提条件がクリアされなくても、長期目標のために各種経済施策をやるというふうに法律に書いてありますけれど、これはおかしいんじゃありませんか。むしろ、中期目標をないがしろにするものではありませんか。
次に、個別施策について環境大臣にお尋ねをいたします。
国内排出量取引制度や地球温暖化対策税は一年以内に関連法を整備すると法案に書いてあります。これについて、環境省、経済産業省、外務省といった省庁間の意思統一は図られておりますか。特に、排出量取引では、排出の上限を総量目標にするのか、効率を重視する原単位方式も認めるかで閣僚間でも意見が対立したため、この法案には両論が併記されたと新聞では報じています。どのような議論があったんですか。具体的には、じゃどうされるのですか、伺います。
次に、再生可能エネルギーについてお伺いをします。
自然循環型で地産地消、クリーンなイメージを持って人気のある再生可能エネルギー、私はこれの熱烈な応援者のつもりであります。我が党も積極的に応援してきております。しかし、密度の薄いエネルギーであるためコストが高く、さらに自然や天候等に影響されるため稼働率が決定的に低い上に、出力変動が激しく、大規模化すると電力系統に実害を及ぼすことが世界各地で報告されております。この短所を補い長所を生かす、このためには、蓄電池の設置ですとかスマートグリッドの開発が急務だと考えられますが、どのように対処されますか。そして、その費用負担はどうするのですか。経済産業大臣に伺います。
補助したり高値で買い取ってもなお将来に向かって市場競争力の期待が薄い太陽光について、手厚い保護策は電力料金の高コスト化を招き、国民負担が巨大化するという意見があります。外国を見ても、国内産業を支援しようといった目算が狂って、外国の製品が流れ込んできて国民から非難が高まっているドイツのような国もあります。また、再生可能エネルギーの全量固定価格買取り制度は、投資するお金のない貧者から金を集め、投資できるお金持ちに所得移転をするものだという批判もあります。これについてはどう考えられますか。総理に伺います。
再生可能エネルギーについて、ドイツやデンマークが熱心で成果を上げているのに対して、日本は遅れていてとても惨めだといった新聞論調が一部に見られるのは、とても惨めなことでございます。そこで伺います。今例に挙がったドイツとデンマークでは、発電した電力量の基は何ですか。燃料別内訳を聞きます。太陽光、風力、水力、天然ガス、石炭、原子力、これだけで結構ですから、これについて、この二か国だけで結構です、ウエートの高い順に、キロワットアワーで見て何%なのか、高い順に示してください。経済産業大臣に伺います。
原子力発電の活用について伺います。
私どもは、原子力発電は二酸化炭素をほとんど出さず、今後のエネルギー安全保障と環境政策では有効な手段であると考えております。しかし、社民党は原子力推進の立場ではないと記憶しております。この度の政府案には原発の推進が盛り込まれましたが、社民党の脱原発はどうなるのでしょうか。福島党首率いる社民党は与党入りした途端に妥協が目立っています。福島大臣は、閣僚としての立場と党首としての立場をその場その場で都合の良いように使い分け、結果として何を言っているのか分かりにくい答弁が続いています。野党時代のあの歯切れの良い福島党首は一体どこに行かれたのですか。
社民党党首でもある福島大臣に伺います。この法案にある原発活用推進にあなたは賛成ですか、反対ですか。党首としては反対、閣僚としては賛成などとぬえのような答弁はせずに、イエスかノーかではっきり答えてください。
さて、衆議院での議論だけでもいかに政府案が穴だらけで実効性がないものかが見えてきました。議論はいよいよこれからだというところでの審議打切り、強行採決は極めて遺憾であります。繰り返しになりますが、政府の掲げる削減目標は、根拠が乏しい上にかなり厳しいものであると言わざるを得ません。何度政府の説明を聞いても、この数値は国民生活の多大なる犠牲の下でしか達成できないものではありませんか。
温暖化対策とは、今や次世代のエネルギーをめぐり国益を懸けた闘いでもあります。各国とも経済力、技術力、持てる力を出し切って熾烈な闘いを展開しているのが現実であります。
政府案では、我が国の国力は取り返しの付かないところまで衰退してしまうおそれがあります。現に、鳩山政権の温暖化政策に見切りを付けて国外に活路を見出す企業も出てきております。しかし、企業は国外に逃げることができても、働いている人たちは、労働者は逃げるわけにはいかないのです。このままでは日本が危ないのです。それゆえに、この質問の冒頭でも述べましたように、多くの産業団体や労働団体も、二五%という削減目標に強い不安、懸念と反対を表明しているのです。
先週、五月十四日付けの産経新聞に電子アンケートの調査結果が載っていました。それによると、二五%削減という中期目標については妥当でないが九三%、厳しい目標を掲げると経済成長につながるとは考えられないが九二%となっています。
結びに入ります。
鳩山総理、あなたには、激しい国際競争の中で経済と環境の同時実現を求めて苦悩している経済界の声、額に汗して働きながら価値を生み出すべく日夜努力している労働者の声、そして一日一日懸命に生きている国民の叫びが聞こえないのですか。雇用を増やしながら温室効果ガスを二五%も削減などという耳触りだけ良くて現実を無視したバラ色の公約を、普天間に続いて今再び国民に提示しようとしているのがこの法案です。しかし、国民は政府のそのようなやり方にはもはや決してだまされることはない、このことを申し上げて私の質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 加納議員にお答えいたします。
まず、IPCCの役割でありますが、地球温暖化に関する最新の科学的知見についての様々な研究成果を政治的に中立な立場から評価をするものでありまして、基本的には御指摘のような組織であると認識をしております。IPCCの第四次評価報告書では、百七十七のシナリオを評価をして、温室効果ガスの安定化濃度別に六つの区分に分類したと認識をしております。
二五%の削減目標は、こうした科学の知見に基づいて、気温の上昇を最も抑えるカテゴリーの中で最も緩やかな削減目標を採用するというミニマックスの考え方によって政治的な判断をいたしたわけでございます。国益も大切でありますが、地球益も併せて考えなければなりません。
二五%の削減目標のうちの真水の分と国民の負担についてのお尋ねでございますが、二五%削減目標のうち、真水の国内削減分と海外の排出枠購入分などとの割合については、国際交渉の状況も踏まえながら検討していくことでございます。いたずらに海外に依存したいと、そのようには思っておりませんで、できる限り真水を増やしたいと考えております。
また、国民の負担については参考となり得る様々な試算が示されておりますが、今後、地球温暖化対策に関する基本計画の策定の際に、国民の皆様の御意見を幅広くお聞きしながら議論を深めてまいりたいと考えております。
大幅な削減目標のための米中に対する説得についてでございますが、我が国におきましては、一九七〇年代に自動車の排ガス規制が強化をされ、規制による国際競争力の阻害に対する懸念にもかかわらず、技術革新により世界一厳しい排出基準を達成をして企業の国際競争力の強化をもたらしたという事例がございます。
我が国としては、このような経験も踏まえながら、世界全体の排出削減に資するように、これからも米国、さらには中国に対して引き続いて協議を進めてまいりたいと考えております。
その中国や米国の目標についてのお尋ねでございますが、米国の削減目標は、二〇二〇年について、我が国の目標と比較した場合には決して十分とは考えられません。米国の目標の背景にある二〇五〇年までに約八三%削減という要素と併せて考えれば、一定の評価も可能だとも思っております。アメリカが関連法案を成立をさせ一層の取組を行うことを強く期待しておりまして、アメリカの議会での関連法案の審議の行方を見守ってまいりたいと思います。
中国の削減目標に関してでありますが、各国の排出量のピークアウトを早期に実現させ、二〇五〇年に世界全体の排出量を半減させるとの観点からは不十分だと考えております。私自身も会談の場、その都度その都度で中国側に更なる努力を要請しているところでございます。
前提条件が成立しない場合の中期目標に関するお尋ねでございます。
前提条件が成立しない場合にどうするかということを今考えるべきではありませんで、大切なことは、中期目標の前提条件が成立するように今後の国際交渉において最大限の努力を傾注していくことであると、そのように認識をしております。
前提条件が満たされたことなどをだれが判断をするかなどの点についてのお尋ねでございますが、政府が交渉の推移を踏まえながら、適当な時点において総合的な観点から前提条件が満たされたかどうかについては判断をいたします。
長期目標に前提条件が付いていないことについてのお尋ねでございます。
二〇五〇年の長期目標は、気候変動枠組条約の究極目標であり目的であります、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させるために必要不可欠な目標であると認識をしております。
昨年のG8のラクイラ・サミットにおいて、主要の先進国が二〇五〇年までに先進国全体で八〇%又はそれ以上削減するという長期目標に、これは前提条件なしで合意したところでございます。その後、昨年十一月の日米の首脳会談におきましても、両国はそれぞれの排出量を八〇%削減するということを、これも前提条件を付けずに合意をいたしております。このような国際交渉の経緯を踏まえながら、この法案においても前提条件は付けてはおりません。
長期目標のための各種経済措置についてのお尋ねでございます。
八〇%削減は非常に意欲的な目標であり、直ちにその達成に向けた取組を始めることが必要であります。でありますからこそ、本法案では中期目標が設定されるまでの間においても基本的施策を積極的に講ずることとしているところでございまして、それは中期目標をないがしろにしているということでは全くございません。野心的な長期目標のためには、言うまでもありません、野心的な中期目標を達成されなければならないということに尽きます。
固定価格買取り制度の国民負担についてのお尋ねでございますが、全量買取り制度の導入に当たっては、再生可能エネルギーの導入拡大と国民負担の両面のバランスを取らなければならないということは極めて重要な論点であると理解をしております。このことは、経済産業省を中心に、御指摘のような事態にならないように、国民の皆様の御理解を最大限得るべく検討してまいりたいと思っております。すなわち、できるだけ多くの方々に投資ができるような環境を整備してまいりたいということでございます。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣小沢鋭仁君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢鋭仁君) 加納議員にお答えしたいと思います。
主に、モデルについての質問が私にはございました。
今回の大臣試案で用いました四つのモデルは、特異なものでは私はないと思っております。また、意図的に楽観的な見通しを示したものでもございません。あくまでも、今回の試案において使ったモデルは、イノベーションの促進や価格の低下といったそういう効果をどう反映できるかという点において、昨年末に私どもは政府として三つのモデル試算の公表をしておりますけれども、そこでは反映できなかったイノベーションの促進や価格の低下を取り入れた場合の新しいモデルとして私は提案をさせていただきました。そういった意味があると思っておりまして、様々な今後議論を、これを踏まえて行っていくことが重要と考えているものでございます。
このモデルの議論、調整の有無に関するお尋ねもございました。
今回の大臣試案は名前のとおり大臣試案でございますので、現時点において各省の大臣と調整をしていることはございません。あくまでも、私の責任の下において、環境大臣試案として発表をさせていただいております。この基本法を審議するに当たってそういった材料も必要と、こう私が判断をして提供させていただいているものでございます。
それから、中期モデルに関する専門家検討委員会の開催回数についてお尋ねがございました。
環境省においては、中長期目標達成のための対策・施策のパッケージの具体的な提案を行うために、昨年十二月から地球温暖化対策に係る中長期ロードマップ検討会を計五回開催をしてまいっております。
経済モデルに関するオープンな場での議論の回数に関するお尋ねもございました。
環境省においては、四月から中央環境審議会地球環境部会の下に中長期ロードマップ小委員会を設置しまして、企業、NPO等、国民各界各層からの意見を踏まえつつ、ロードマップの精査を進めているところでございます。同小委員会はこれまで三回開催をさせていただいております。経済モデルに関しましても、今後、同小委員会において有識者を交えて議論をする予定でございます。
議論の結果をどのようにモデルに反映したのかについてお尋ねがございました。
先ほど申し上げましたように、三月二十六日に開催された中長期ロードマップ第五回検討会において経済モデルについての議論を行い、この中でモデルの前提条件やモデルそのものの限界などについて御意見をいただきました。引き続き、中央環境審議会中長期ロードマップ小委員会等の場において経済モデルについて議論をし、必要があればモデルに反映をさせていきたいと思っております。
しかし、いずれにいたしましても、シミュレーションモデルはこれまでに七つ示してございますけれども、そういったシミュレーションモデルの最も大事な点は、どこの部分をどう動かしたらどう変わるかと、こういうことでございまして、その結果が必ずしもすべて正確にいわゆる将来を予測できるというものではございません。そういったモデルの限界、モデルの特徴は委員もよく御存じのことと存じます。
さらに、国内排出量取引制度や地球温暖化対策税についてのお尋ねがございました。
これに加えて再生可能エネルギーの買取り制度を加えましたこの三本の柱は、これまでの政権では全く考えることができなかった新しい私どもの提案でございます。
国内排出量取引制度については、制度創設に必要な法制上の措置について基本法施行後一年以内を目途に成案を得ることとしております。地球温暖化対策のための税については、来年度の実施に向けた成案を得るように検討を行うこととしておりまして、これらは政府の統一方針として法案の形でお示ししているものでございます。
国内排出量取引制度について、法案の立案過程において経済界等から総量方式に対する強い懸念が示され、関係閣僚委員会の場で真剣な議論が行われました。こうした経緯を経て、総量方式を基本としつつ原単位方式も検討するということとしたものでございます。詳細な制度設計はこの基本法が成立した後に入ってまいりたいと思っています。今後、全体の総量を着実に削減できる範囲で補足的に原単位をどのように活用できるか、そういった点も十分検討しながら、総量削減を基本とした制度設計を行っていく所存でございます。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣直嶋正行君登壇、拍手〕
○国務大臣(直嶋正行君) 加納議員の御質問にお答えをさせていただきます。
まず、スマートグリッドについての御質問でございます。
再生可能エネルギーの出力の不安定さという短所を克服し、情報通信技術によって需給を効率よくバランスさせ、安定的な電気の供給を行うのがスマートグリッドでございます。スマートグリッドによって系統への影響を抑えつつ、需要側と供給側に導入された蓄電池を最適に制御することができれば、再生可能エネルギーの導入に伴う社会的コストを抑制することが可能になると思っております。
このため、現在、経済産業省においては、本年度より次世代エネルギー・社会システム実証を開始をいたしまして、蓄電システムやエネルギーマネジメントシステムなど、スマートグリッドのコア技術の実証を進めることといたしております。費用負担については、この実証事業を行う中でコスト低減を図りつつ、適切な費用負担の在り方を検討してまいりたいというふうに思っております。
二点目は、デンマークやドイツの電源別発電電力量の内訳についての質問でございます。
IEAのデータによりますと、デンマークとドイツの二〇〇七年の電源別発電電力量の構成は、大きい順に申し上げますと次のとおりでございます。
デンマークについては、石炭火力発電五〇・八%、風力一八・三%、ガス火力一七・六%、水力〇・一%であります。太陽光についてはほぼゼロでありまして、原子力についてもゼロと承知をいたしております。
ドイツについては、石炭火力四九・三%、原子力二二・三%、ガス火力一一・六%、風力六・三%、水力三・三%、太陽光〇・五%と承知をいたしております。(拍手)
〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕
○国務大臣(福島みずほ君) 加納議員にお答えをいたします。
社民党は、脱原子力の政策を掲げる政党です。原子力発電所の安全性、情報公開、情報開示をきちっとすべきだ、耐震設計の基準の見直し、そして経済産業省と安全規制機関の分離、自然エネルギーの促進などに取り組んできました。閣内においても、そのことをしっかり取り組んでまいります。経済産業省と安全規制機関の分離については議論が始まっております。しっかり取り組んでまいります。(拍手)
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