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2019年6月4日、厚労委員会の障害者雇用促進法改正案参考人質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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198-参-厚生労働委員会-014号 2019年06月04日(未定稿)

○福島みずほ君 五人の参考人の皆さん、本当にどうもありがとうございます。
まず初めに、先ほど阿部一彦参考人からも通勤支援の必要性の話があり、竹下参考人からもありました。竹下参考人は、国の審議会の中でも何度も何度もこの通勤支援の必要性を訴えていらっしゃいます。
自力通勤可とか介助なしという募集要項がとても批判をされましたが、実際、通勤支援、介助支援がなければ働き続けることは本当にできません。買物に行くには同行支援があるのに通勤支援がない。このことについて、やっぱり、これはもう一刻も猶予もなくやらなければ実際働くことができないと思いますが、この点について是非よろしくお願いいたします。

○参考人(阿部一彦君) 阿部です。ありがとうございます。
通勤することというのはすごく大事なことだと思います。さて、その通勤に関してお話が出るのは、就労の場面であれば雇用主が配慮することが大事だというお話になるんですけれども、そこのところがうまくいかずに、確かに制度が調べてみるとあるんですけれども、使いづらい制度だったりします。そのことが仕事をすることの機会を狭めているということは事実でございますので、雇用施策と福祉施策の、言ってみたら、しっかりした相互の検討を行って解決を図る必要があるのではないかと考えているところです。
以上です。

○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。
今、福島先生の御指摘は、極めて私大事な指摘だと思っております。といいますのは、障害者に介助なしでとか、それから単独通勤ができる場合というのは、もうその時点で障害に対する理解がないというふうに私は言わざるを得ないと思っております。まさに障害者を排除する考え方だと言っても言い過ぎじゃないと思っております。
そして、今回、この六条のところにこういう規定があると思うんですが、障害者の福祉を考える上で二つのことが今まで邪魔になってきたんですよね。
といいますのは、これまでも、通勤援助のことを申し上げるたびに、国の方々の答弁は、福祉の問題であるというふうに労働行政の方はおっしゃる、そして福祉の方で申し上げると、それは労働行政の問題であるというふうに言わば答弁される。常にそういう形で、言わばセクションをまたいだ形で逃げられてきたというふうに残念ながら思っております。
今回、六条のところに障害者の福祉に関する施策との有機的な連携というのがあるわけですけれども、本当にこれが今回実現することを期待したいと思っておるんです。なぜならば、民間の場合には事業主と福祉の実施者は違うわけですけれども、公務員の場合を考えれば、その事業主と福祉の実施者は同じわけですから、この部分を垣根なく実現できるというふうに期待しておりますので、是非速やかな実現をお願いしたいと思っております。
以上でございます。

○福島みずほ君 障害を持っている皆さんたちの意思決定の場への起用、活用というのはとても重要だと考えています。
この三十年間、失われた三十年間、物すごくもったいない。もし国土交通省のバリアフリーセクション、厚生労働省の障害者政策をやるところ、そして文部科学省のインクルーシブ教育を担当するところに障害当事者の方がきちっと入って施策を打っていれば、この社会は変わったと思っています。
二〇〇九年、障がい者制度改革対策本部を鳩山内閣が本部長で立ち上げ、私は副本部長になり、障がい者制度改革推進会議を立ち上げました。その時点で皆さん方に、竹下参考人にも石野参考人も、皆さんたちに大変お世話になりました。事務局長に障害当事者、車椅子の弁護士の東弁護士に入ってもらったら、物すごく意見もすごく変わったんですね。やっぱり、何で女性が意思決定の場に進出しなくちゃいけないか、政策の優先順位が変わる、同じように、障害を持っている人が意思決定の場に行けば政策が変わるんですよね。それをやらなければ、というか、今回それこそそれを更にやるべきだというふうに思っております。
これについて、竹下参考人、いかがでしょうか。

○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。
まさにそのとおりだと思っております。といいますのは、私たちが通勤に代表されるようなバリアというもののためにその能力が発揮できないできたと思っております。そのバリアをカバーしていただけるならば、その個々の障害者が持っている能力を職場で、その職種に応じた能力を発揮できる環境が整う、その出発点が通勤援助だと思っております。
また、その政策を考える上で、先ほど阿部会長もおっしゃいましたけれども、障害者の声を生かしていただいてその政策を考えていただくと、そうした矛盾が解消できる大きな力になると思いますので、その点も是非御理解いただければと思います。

○福島みずほ君 斎藤参考人にお聞きをいたします。
今回せっかく障害者の皆さんたちを雇用しようということで試験をやったわけですが、やっぱり高校卒業程度の筆記試験がメーンなので、残念ながら、まだ知的障害の皆さんたちの採用がそんなに増えておりません。このままだとなかなか知的障害者の皆さんの雇用が増えないんではないかと思いますが、その点についていかがでしょうか。

○参考人(斎藤縣三君) 私のいる名古屋市におきましては、知的障害者の正式な職員採用が、たった一名でしかないんですけれども実現しております。昔、知的障害者は名古屋市で環境局などでは現業職員としてたくさん雇われていたという、かつてのそういう歴史もあります。ですから、公的機関であれども、そういう意味でしっかり知的障害者を受け止めていこうという姿勢があれば、私は十分前進できるものだと思っております。
ただ、そういう筆記試験そのものは難しいということがありまして、名古屋におきましては、別枠採用で知的障害者向けの特別な試験というのを行って、嘱託採用も含めて行っておりますので、そういう手を取られれば前へ進むと思います。

○福島みずほ君 竹下参考人にお聞きをいたします。
今回採用された公務員の皆さんたちで話をするという、とても大事だと思うんですね。各役所に、中央官庁に相談員が設けられることになります。その相談員の中に例えば障害当事者の人を入れるとかすれば、また随分変わると思いますが、このような点についていかがでしょうか。

○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。
今回の新しい規定の中で、障害者雇用を推進するために相談員の方々が配置されるかと思うんですけれども、そのときに是非お願いしたいことが二つあります。
そういう相談員の方々が、言わば上司の方を単純にそれに配置するとか、あるいは、一定研修を受けたから、それでその方がその相談員としてふさわしいんだという形にならないことをお願いしたいと思うんです。
と申しますのは、一つには、今、福島先生もおっしゃったように、是非とも障害を理解した人と言えるためには、一番いいのは当事者なんです。当事者が相談できるというのは、一番、言わば不安感を取り除く上で、あるいはその人の悩みを受け止める上では重要だと思っております。
その点で、その相談員のうち一名を、障害当事者の方を含めていただくとか、あるいは障害者施設や障害の職場の経験のある方を是非加えていただくことをお願いしたいと思います。
以上でございます。

○福島みずほ君 雇用の問題をやっていると、やはり障害者の人たちの教育の問題、やっぱり教育の場面で何でもできるよという教育を子供たちにできればと思っています。
教育について一言、竹下参考人、アドバイスがあればお願いいたします。

○参考人(竹下義樹君) ありがとうございます。
私たち障害者は、残念ながら、これまで学校教育の中でも就労ということを意識した教育は弱かったというふうに思っております。すなわち、障害者が本当に、自分の夢といいますか、そういうものが持てる教育をお願いしたいと思っているわけです。
子供自身が自分の将来に、スキルを持った学校生活が送れると、意欲が増すだけではなくて、それに必要な環境というものも教育から出発した形で大きく変わっていくんではないかと思っております。
以上でございます。

○福島みずほ君 ありがとうございました。

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