ACTIVITY BLOG活動ブログ
2024.4.25 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
○福島みずほ君
立憲・社民共同会派の福島みずほです。
共同親権についてなんですが、相談して決めることができそうな人たちにとっては必要がない、相談することができない対立関係にある人ほど強く欲する制度が共同親権になっているんじゃないかと思います。うまくいっているんだったら問題ないんですよ。
子供の、結婚している段階で子供の目の前で子供の養育方針で言い争っていることは子供にとってよくない。それが、ようやく離婚してそれが解消されると思いきや、そうではなくて共同親権によってまた続くとすればそれは子供の利益にはなりません。
ですから、共同親権というのを望む人がいることも理解はできます。しかし、それは選択というんであれば合意でなければ最低限駄目だと思います。不同意共同親権というのは認めないということが必要ではないか。人間は嫌なことを強制されても従いません。それは選択ではありません。選択的夫婦別姓だって、自己の意思によって選ぶから選択制なんです。だから、不同意共同親権というのは認めない。
父母の同意がないけれども、強制的に共同親権になることがどういう場合に子供の利益になるんですか。
○国務大臣(小泉龍司君)
不同意であれば多くの場合それは単独親権という形になっていくと思われますが、しかし、合意がないということ、それだけでもう自動的に単独親権ですよというふうには進んでいかないというふうに我々は思っています。
一度、子供の利益というものをそこに置いてみていただいて、父母双方が子供の利益のために我々が共同でできることがあるんじゃないかということを考えていただく、そういうステップを踏んで、それでもなおかつ相当な理由を持って共同の親権交渉ができない、困難が伴うということになればそれは単独親権です。しかし、片方の親が、いや、駄目です、嫌ですというだけで単独親権にいく前に子供の利益というものを考えるステップがあっていいだろうと、そういう考え方でこの法律は構成されております。
○福島みずほ君
だから、その場合の子の利益とは何か。
そして、やっぱりそれは間違っていると思います。つまり、うまくいっていないんですよ。うまくいっていないから離婚したんですよ。それで、どうしても嫌だ、相手と一緒に話ができないと思っているとすれば、それはやっぱり何かの理由があるんですよ。それは何か、時間を掛けて、あるいはカウンセリングやいろんなことで解消されることはあっても、一方が嫌だと言っているのに共同親権やってうまくいくわけないですよ。
これ、一歩間違えると家父長制に基づく父権介入、支配とコントロール、介入する、そんな口実を与えることになる。
もし、うまくいっているんだったらいいんですよ。そういうケースもあるでしょうし、あります。でも、一方が嫌だと言っているのにそれを強制することは、結局うまくいかない。性交渉だって本人の同意がなければ性暴力だってしたじゃないですか。本人の同意がないのに、これを共同親権というふうに、無理やり、不同意共同親権というのは子供の利益にもならない。子供は親のその対立の中にもう一回、離婚した後も続くわけですから、離婚後の虐待も続くというふうに思っております。これは本当に見直すべきだと思っています。
提案者にお聞きをいたします。
先ほども議論になりましたが、十九条ですね。これは、今日もすごく議論の一つです。両方が真摯に共同親権を望むということの確認をこれは家庭裁判所がすべきだというのは衆議院で枝野議員が言いました。私もそれはそうすべきだと思いますが、ちょっと百歩、百歩というか譲って、この十九条、措置について検討を加えとありますが、そのことの理由や思いについて語ってください。
○衆議院議員(米山隆一君)
改正案の附則第十九条第一項についてというのの御質問でございますが、改正案の第八百十九条第一項では、父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定めるとあります。
今ほど来議論にもあり、また委員からも御指摘のあったところですけれども、この協議上の離婚の際の親権者を定めるに当たっては、子の利益を確保するために、例えば、DV等の事案や経済的に強い立場の配偶者が他方配偶者に強制的に迫ることによって、真意によらない不適切な合意がなされることを防ぐ必要がございます。強い必要がございます。また、親権者をどのように定めるにせよ、父母双方の真意による合意があってこそ、これも今ほど委員がおっしゃられたことですけれども、父母双方の真意による合意があってこそ、子の利益にかなうように親権を適切に行使をすることができます。
そこで、政府に対して、親権者の定めが父母の双方の真意に出たものであることを確認するためにどのような措置があり得るか検討を加え、必要な措置を講ずることを求めると、このような趣旨でこの規定を提案し、そして各党会派、各派で合意し、衆議院では成立したということになります。
なお、提案者としましては、提案者といたしましては、具体的な措置として、例えば、離婚届書の書式を見直して、離婚後も共同で親権を行使することの意味や内容を理解したかを確認する欄を追加すること等を想定しております。
○福島みずほ君
どうもありがとうございます。
それで、いろんな人の意見聞きます。思春期のときに、実は父親に会いたかった。実は父親に会いたかったけどそれを言えなかったとか、いろんな子供たちがいることは本当にそうです。しかし、実はそれは面会交渉の話であると。面会交渉の話、養育費の話と親権の共同親権の話は別です。面会交渉がうまくいかないから親権取ればうまくいくというのは物すごく劇薬で、そんなことはあり得ないんですよ。
離婚後の監護、面会交流、養育費については、既に現行民法七百六十六条で明文化されています。現行法では解決できない課題があるんでしょうか。具体的に示していただきたい。養育費の支払、外国のように罰則付けたっていいと私は思います。養育費の支払、面会交流などの充実、DVの根絶、一人親家庭の支援、体制整備などこそ先決ではないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(小泉龍司君)
子の利益を確保するためには、父母双方が離婚後も適切な形で子の養育に関わる、そして責任を果たす、これが望ましいという理念をまず掲げております。そして、この責任を果たす、養育に関わり責任を果たす、その形でありますけれども、現行民法の下では離婚後単独親権制度でありますので、共同養育、では親権者、共同養育にはなりますが、そこで親権者でない親は子の養育に関する事項について最終的な決定をすることができず、また、第三者との関係でも親権者として行動することはできません。このような状況においては、親権者じゃない親による子の養育への関与、これは確かに事実上できますが、あくまで事実上のものにとどまり、法的に不安定なものとならざるを得ないため、子の利益の観点からは望ましいものではないと考えられます。
そこで、離婚後の親権制度を見直す必要があるわけでございますけれども、子供の利益という観点からは、御指摘のとおり、それ以外に養育費の履行確保、安心、安全な親子交流、こういったことも非常に重要でありまして、本改正案では、親権、養育費、親子交流を含めた子の養育に関する制度全般を見直す、そういうことをお願いをしているわけであります。
○福島みずほ君
単独で行使できる急迫の事情なんですが、これは衆議院の段階で、子の利益のため必要かつ、あっ、衆議院の段階で、これはですね、衆議院の段階で、この定義については、法務省は、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時の親権行使をすることができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるような場合というふうに説明をしています。だったらそのように修文したらどうですかというふうに思います。というのは、急迫の事情というのは、どうしても法律家の立場からすると、急迫性の侵害、正当防衛の要件、急迫というのはやっぱり急な場合というふうに従来言われていたので、急迫の事情では狭いんですよ。
法務省はこれを広く説明をされていますけれども、それでは、この法律が施行された以降、それが一般的に通用するだろうか。むしろ、子の利益のため必要かつ相当な場合というふうに直すべきではないですか。
○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
一般論といたしましては、子の養育に関する重要な決定について、父母双方が熟慮の上で慎重に協議し判断することが子の利益に資することとなると考えております。他方で、その協議には一定の時間を要すると考えられることから、本改正案では、適時に親権行使をすることが困難とならないよう、子の利益のため急迫の事情があるときは親権の単独行使が可能であることとしております。
これらの場合に加えまして、親権の単独行使が可能な場合を更に拡大することは、子の養育に関し父母双方が熟慮の上で慎重に協議する機会を狭めることとなってしまいますので、子の利益の観点から相当ではなく、御指摘のような修正も相当ではないと考えておるところでございます。
○福島みずほ君
これ、すごく大変になると思います。衆議院の議論でもなっておりますが、多くの離婚事件は、やっぱり家を出ていくときに対立が起きたり殴られたりするから、やっぱり決行日を決めてこの日家を引っ越すなんてやるわけですよね。それって、DVより少し時間がたっていれば急迫とは言えなくなったり、あるいは、もう証拠がない、いや、急迫じゃないじゃないかと言われかねないですよ。これは、子供を連れて妻が家を出ていったら誘拐罪だと訴えるケースとかも今あります。
としたら、まあ女、男というのも変ですが、でも、監護は、夫と妻、父と母は、四分の一以下ですよ、夫の監護、育児の時間は圧倒的に少ない。多くは女性が子供を育てていて、その子供を連れて家を出ることが困難になるんじゃないか。今までより困難になったら困ると思っているんです。
私は、朝のNHKドラマの「虎に翼」を見ていますが、まさに明治民法は、子はその家にある夫の親権に服すとなっていたから、女性は子供を置いて家を、離婚するか、あるいは、もう離婚を我慢して家にいるかしか多くはできなかったわけですよ。そういうふうになっちゃいませんか。どうですか。このことによって、今まで女性たち、多くは女性たちですが、子供を連れて家を出る、で、別居する、身の安全を守るために、あるいは夫といさかいしたくないからということは変わらないということでよろしいですか。
○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
改正法案の八百十九条七項でございますが、これは裁判所が親権者を決める際の判断基準になっております。委員も御指摘のとおり、御存じのとおりだと思いますが、父母、父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれ、すなわち虐待があるような場合ですとか、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれ、すなわちDV等があるおそれを指しております。このような場合には必ず裁判所は単独親権としなければならないというような規律にしておりますので、としております。
しかも、八百二十四条の二で、一項三号で、子の利益のため急迫の事情があるときは、仮に共同親権になったとしても親権の単独行使ができるという規律にしておりますので、DVや虐待からの避難に支障を来すことはないと考えております。
○福島みずほ君
DVや虐待がなくても、夫といさかいを続けることはすさまじいストレスだから家を出るんですよ。別居して安心して子育てしたいし、人生立て直すというか、少し冷却期間を置きたいんですよ。これがDVや虐待などとなっているので、先ほど牧山さんがDVや虐待のケースを完全に除去できるかと言いましたが、DV、虐待じゃなくても、支配やコントロールやもう多くのいさかいから自分は出たいんですよ。だから、これやっぱり狭過ぎますよ。問題がある。急迫の事情に関する今の答弁も納得がいきません。
参議院は、共生社会に関する調査会で、かつてドメスティック・バイオレンス防止法を超党派で全会一致で成立をさせました。プロジェクトチームつくって超党派でやったんですね。二〇〇一年です。そして、五回DV防止法を改正しました。DVの根絶に関して参議院は物すごく努力をしてきた。しかし、これはまだ続いております。
DVをする人は、残念ながら加害の認識がありません。自分はいい夫で、いい人で、残念ながら外づらが良く、地位も高かったり、だから、その人が本当に支配とコントロールをする人だと分からない。でも、殴るだけじゃないんですよ。モラハラだったり、お金を渡さなかったり、妻をそこに座らせて正座させて、こんこんと一晩中説教をしたり、結愛ちゃんが虐待で反省ノートを書かされていましたが、反省ノートを書かされる妻というの結構いますね。とにかく自分の思いどおりにしたいし、そうするということそのものがDVで、みんなが思っているよりもDVは広いんですよ、虐待も広いんですよ。そういう中では力を奪われるから、そういう結婚生活は地獄なんですよ。そこから逃げる、そこから子供を連れて逃げるのは当然で、生きるためのサバイバーなんですよ。
ところが、残念ながら、裁判所やいろんなところ、まだまだまだまだ法律家の世界も古く、家庭裁判所でもDVやその認定がされないこと、理解されないこと、いい夫さんじゃないですかと言われることなどしょっちゅうですよ。認めてもらえないんですよ。だからこの法案に心配しているんです。いかがですか。
○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
まず先ほど申し上げました八百十九条七項でございますが、例えば、二号を申し上げますと、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれという言葉になっておりまして、身体的な暴力あるいは身体的なDVに限らず、精神的なDVですとかあるいは経済的DVのようなものも含む表現になっております。このような場合には、裁判所が必ず単独親権と定めなければならないという規律になっております。
また、八百二十四の二の一項三号の急迫の事情というところですけれども、委員御指摘のような夫婦のいさかいですとか、あるいはけんかのような事情で感情的問題が発生していて、そのために適時の親権行使ができないというような事情があるような場合にも、これに当たるものがあると考えられますので、我々といたしましては、委員御指摘のような虐待のケースあるいはDVのケースにつきましては、何でしょう、その避難等に支障はないというふうに考えておるところでございます。
○福島みずほ君
これは、夫は、誘拐罪で刑事告訴したり妻を民事で訴える、刑事で訴える、弁護士も訴える、弁護士を懲戒請求する、そして妻の家族も訴える、さんざんこんな事件たくさんあります。私自身も訴えられてきました。DVをやるというのはそういうことですよ。
だから、お願いです。私は、この法律は時間を掛けてやり直すべきだと思いますが、この法律施行されて、妻が子供を連れて、まあ夫が子供を連れてという場合ももちろんありますが、家を出た後、夫から訴えられるとか、おまえは共同親権なのに連れて出たといって訴えられるとか、そういうことが本当にないように、それは結局女の人を家の中にとどめておくという物すごい地獄の状態にさせるので、それがないようにと思います。
先ほど、単独でできるか共同親権でできるかで、変更、それはできない、住所変更はそれは合意がないとできないということでした。ということは、ほんの少し移動するのでも、子供がいじめだから急いで引っ越したいということもできない、夫が反対したら、夫といつも言って済みませんが、できないということですよね。それは問題だと思います。
例えば、妻が、自分が別居中あるいは離婚した後、経済的に頑張りたいと思い、九州の実家に帰ってやり直そうと思って、夫が俺の面接交渉どうなるんだと反対したら引っ越しできないんですよ。これ、どうなんですか。
○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
本改正案では、父母双方が親権者である場合には、親権は父母が共同して行うこととした上で、子の利益のため急迫の事情があるときや、監護又は教育に関する日常の行為をするときは、親権を単独で行使することができることとしております。
監護及び教育に関する日常の行為とは、日々の生活の中で生ずる身上監護に関する行為で、子に対して重大な影響を与えないものを指しております。
子の転居や子の進路に影響するような進学先の選択などは、基本的にはこれに当たらないものと考えておりますが、もっとも、これらにつきましても、例えば、DVや虐待からの避難が必要な場合には、急迫の事情があるときとして親権の単独行使が認められ得ると考えております。
○福島みずほ君
やっぱり狭く解されると引っ越しもできないんですよ。
それで、パスポートの取得に関して衆議院で議論になり、外務省は四月十一日、これについて衆議院の委員会に提出しております。説明してください。
○政府参考人(長徳英晶君)
お答えいたします。
未成年者の旅券発給が行われた場合、この申請については、現状においては親権者である両親のいずれか一方の法定代理人署名欄への署名をもって両親の同意を代表する者とみなして申請書を受け付けることとしております。
ただし、署名を行っていないもう一方の親権者があらかじめ子の旅券申請に対する不同意の意思表示を国内旅券事務所又は在外公館に対して行う場合がございます。その場合は、同親権者に改めて旅券申請同意書の提出意思を確認し、その同意書の提出をもって旅券を発給することとしております。
旅券法に基づく旅券の発給申請は公法上の行為であり、今回の民法改正案によっても、未成年者の申請についてのこうした現行の手続は基本的に変更する必要はないと考えております。
いずれにしましても、運用に当たっては、今回の民法改正案を踏まえ、法務省始め関係府省庁と連携をし、適切に運用していく考えでございます。
○福島みずほ君
そうすると、別居親が、例えば子供が修学旅行で、行くためにパスポートを取得したい、でも別居親が反対ということを旅券の事務所に言ったらその子は行けないんですよ。で、家庭裁判所で、その人が翻意して同意してくれればいいけど、どうしてもしてくれなければ家庭裁判所に行くということですよね。これが本当に妥当でしょうか。これが本当に子の利益に合致するんでしょうか。
先ほど、一つだけ、保育園を替わるとかいうのも、これも共同親権でないといけないということなんですか。
○政府参考人(黒瀬敏文君)
お答え申し上げます。
保育所の入退所に関する手続につきましては、子ども・子育て支援法で、保護者が市町村から保育の必要性認定を受けた上で保育所の入退所の申請を行うというふうになってございます。また、同法において、保護者とは、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、子供を現に監護する者というふうに定義をしているところでございまして、結論といたしましては、保育所の入退所の手続は子供を現に監護している者のみによって行うことができます。
○福島みずほ君
子の氏の変更、離婚しました、妻は旧姓に戻ります、でも子は大体九五%夫の姓で戸籍に入っています。子の氏の変更をしたい、もう一緒に暮らすから名前同じくしたいという場合、子の氏の変更に関して共同親権の別居親が反対したらどうなるんですか。
○政府参考人(竹内努君)
子が父又は母と氏を異にする場合には、民法第七百九十一条第一項の規定によりまして、子は家庭裁判所の許可を得て戸籍法の定めるところにより届け出ることによってその父又は母の氏を称することができます。また、子が十五歳未満であるときは、同条三項、同条第三項の規定によりまして、その法定代理人が同条第一項の行為をすることができるとされておりますところ、父母の双方が親権者であるときは、父母の双方が法定代理人となり、父母が共同して行うこととなります。
この場合において父母の意見が対立したときは、改正民法第八百二十四条の二第三項の規定によりまして、家庭裁判所が父母の一方を当該事項についての親権行使者と定めることができます。
なお、本改正案では、子の氏の変更に関する親権行使者の指定の裁判は、離婚訴訟の附帯処分として申し立てることができることとしておりまして、そのような申立てがあった場合には離婚判決において親権行使者が定められることとなります。
○福島みずほ君 しかし、反対をすれば、それは子の氏の変更はスムーズにはできないということですよね。今は単独親権ですから、子の氏の変更、事実上、家庭裁判所で認められていますが、どうですか。
○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
民法の、先ほど申し上げました七百九十一条第三項の規定によりまして、法定代理人が子の氏の変更をすることができるとされておりますので、現行法の下では親権者となった方が法定代理人として行うことはできると考えます。
○福島みずほ君
つまり、共同親権だったら、一方が反対したら子供の氏を変更することは今までは簡単にできたけど、できなくなるということですよね。
それから、養子縁組。女性が離婚して子供を連れて新たな人と再婚する、子供をその新たな夫と養子縁組するということは比較的よく行われていますが、その場合、共同親権の別居親、元の夫が駄目だと、養子縁組に反対だって言ったら養子縁組できないんですよね。
○政府参考人(竹内努君)
十五歳未満の子を養子とする場合には、親権者、法定代理人の代諾が要るということになってまいります。代諾が取れないという場合の規定を今回設けることにしておりまして、第七百九十七条でございますが、第四項におきまして、その代諾に係る親権の行使について、八百二十四条の二第三項に規定する請求を受けた家庭裁判所は、第一項の縁組をすることが子の利益のために特に必要であると認めるときに限って、同条第三項の規定による審判をすることができるとされております。
○福島みずほ君
今までよりも、やっぱり、その共同親権、つまり、親権というのは子供の監護権ではなくて重要事項決定権について口出しができるということですから、かくかくさように子の氏の変更や養子縁組などで別居親がそのたんびに介入してくる、介入ということはよくないかもしれませんが、できない、反対されたらできない。
だから、拒否権なんですよね。先ほど牧山さんも拒否権という言葉を使われましたが、新たな生活で何かをやるときに拒否権発動ができるんですよ。安保理事会の拒否権発動じゃないけど物すごく強くて、それを取っ払うためには家裁に行って、長い長い調停を経なくちゃいけないというのは物すごく大変なことだと思います。
それで、共同親権の場合、どのような変化があるか。高校の授業料無償化の問題で文科省にも来ていただきました。これ、神奈川だとたしか所得制限があるんですよね。で、回答は合算するということなんですが、だとすると、これは神奈川県の場合学校がやるわけですが、学校の先生は、今までだと一人の、離婚したら単独親の所得証明だけをもらってればよかったけれども、今度は、あなたは単独親権ですか、共同親権ですか、じゃ、共同親権の親の収入も持ってきてくださいって言って合算するということになるんですか。その親が養育費払っていない場合はどうなるんですか。
○政府参考人(梶山正司君)
お答えいたします。
高等学校等就学支援金につきましては、親権者等の収入に基づいて受給資格の認定を行っておりますが、今般の民法改正による共同親権の導入後に、生徒等の父母が離婚し共同親権となる場合であっても、現行制度と同様、親権者の一方が就学に要する経費の負担を求めることが困難である場合には、受給資格の認定に当たってその親権者の収入は含めないことになると考えております。
個別の事例について網羅的にお答えすることは困難でございますが、これらの判定に至っては、認定を行う都道府県等において、個別のケースに応じて柔軟に判断することとなるものと考えております。
また、その認定事務の負担のことでございますが、こちらにつきましては、親権者が就学を要する経費の負担を求めることが困難である場合、こちらのものに関して、それに該当する場合は申請していただくということになります。そのような場合にも、生徒や保護者等による申請内容を原則信頼して判定する仕組みと、こういうことにしておるところでございますので、必ずしも証明書類の提出までは求めるものではなくて、適切なその認定事務を行っているところでございます。
引き続き、いずれにせよ、都道府県と連携しながら、適切な認定事務に努めてまいります。
○福島みずほ君
ちょっと分かるような、分からない。
つまり、私は共同親権です、でも、夫の、例えばその収入証明を出さずに高校授業料無償化を申請してもいいということですか。でも、それって、共同親権は合算するということと矛盾しませんか。
○政府参考人(梶山正司君)
お答えいたします。
高等学校の就学支援金につきましては、基本的に、親権者の一方が就学に要する経費の負担を求めることが困難である場合、そちらに関しては、親権者の収入は含めないということができます。
その場合に関しましては、その方のその収入証明書等におきましては提出がないということになるんではないかと思っております。
○福島みずほ君
児童扶養手当については、これまでも親権者とは限らず監護者に支払っており、共同親権になっても変わらない、所得も監護者のみで合算しないという回答をいただいております。児童手当については、これまでも親権者とは限らず監護者に払っており、共同親権になっても変わらない、所得も監護者のみで合算しないというふうに回答いただいているんですが、これって特定給付金のときもそうだったんですが、夫が、違う、元夫が自分は世帯主だと、で、逃げているから、世帯主で、子供がそこの世帯に入っているとします、まあ別居中ですね。そのときに夫が俺に払えと言ったら、児童手当どうなるんですか。
○政府参考人(黒瀬敏文君)
お答え申し上げます。
児童手当ですけれども、例えば、父母が離婚をしまして、又は離婚協議中で別居しているような事実が確認できるときには、生計を維持する程度の高さにかかわらず、事、同居している方が受給者というふうになりますし、また、離婚等をしていない場合であっても、例えば現在受給者、受給をしている者からのDV被害等を受けて児童手当の支給先の変更を被害者が求めるような事例というのが考えられますけれども、受給者からのDVによって子の監護に著しい影響が生じていると認められるような場合は、監護の実態を欠くものとして、住民票上の住所等にかかわらず、児童手当の支給先を、実際に監護を行っている、この場合であればDVの被害者の方ということになりますので、そういった取扱いは、現在もそうですけれども、今後も変わることはございません。
○福島みずほ君
公務員、行政の窓口、支援センター、学校現場などで物すごく不安が広がっています。というのは、共同親権だったにもかかわらず、自分たちが何か仕事をして、後からその別居親から訴えられる、これはよくありますが、ということが、とても心配して、萎縮効果が起きて支援が十分行われないんじゃないか。
お手元に、全国でDV被害者に関わる支援措置に対する行政不服審査請求は毎年何件出されているか、ここ十年ほどの件数を教えてほしいということで、件数を出していただきました。今後、この件数が本当に増えるんじゃないか。つまり、DVやいろんな件で住民票を、まさに支援措置で住民票を明らかにしないでほしいということを妻側がやっているときに、これに対する行政不服審査がこれだけ出ているんですね。今後、共同親権になったらこれが物すごく爆発的に増えてしまうんじゃないか。私は、今日の質問で、行政が萎縮しないようにちゃんとメッセージを出してほしい。
支援措置を受けている裁判で共同親権が命令された場合、支援措置の要件を満たしていると相談機関の意見書を得て、市が判断すれば、行政として支援措置の続行は制限するものではないということでよろしいですね。
○政府参考人(三橋一彦君)
住民基本台帳事務におきましては、DV等の被害者の相手方が住民票の写し等の交付を不当に利用して被害者の住所を探索することを防止するDV支援措置を実施しております。
本措置の実施に当たりましては、専門的知見を有する警察、配偶者暴力支援センター等の相談機関から支援の必要性を確認することとしております。具体的には、申出の内容に相違がなく、支援の必要性があると認めるか等につきまして、相談機関の職名及び公印を付して意見を提出してもらうとともに、必要に応じて市区町村から相談機関に内容を確認しております。
DV等を受けた申出者が子供とともに同一の住所に避難している場合におきましても、子供の住民票の写しの交付等の申請を、おそれがあると認める、おそれがあると、その住所探索目的で行われる場合には、当該子供についても支援措置を実施することとしております。
現行の民法における婚姻中の場合におきましても、相手方への住民票の写しの交付制限の措置は行われているものでございまして、今回の民法改正により離婚後に父母双方が親権者と定められた場合でありましても、DV等支援措置の必要性が認められる場合にはこれを実施するという基本的な考え方に変更はないものと考えております。
総務省といたしましては、この点も含め、今回の民法改正後の取扱いに関し、各自治体に対して必要な助言等を行い、制度の適正な運用に努めてまいります。
○福島みずほ君
よろしくお願いします。
転居、転校、急迫のときに、急迫の事情は行わず、行政は今まで届出が来れば手続で行う、監護している者の申請により行政は保育所の入園、転園、退園を認めるということでよろしいですね。
○委員長(佐々木さやか君)
じゃ、まず三橋審議官。
○政府参考人(三橋一彦君)
住所につきまして、先ほども申し上げました、住民基本台帳制度におきましては住所は、客観的居住の事実を基礎として、これに居住者の主観的意思を総合して決定するということとされております。その上で、住所に関する市町村長への転入又は転居届は転入をした日から十四日などとの、その事実を届け出る取扱いとされております。
未成年者に係る届出につきましては、転入転出等の事実や現に届出を行っている者の代理権等を確認し転入転出等の処理を行っておりますが、現在の婚姻中における共同親権者であっても、届出の処理に際しまして父母双方の同意は求めておりません。
今回の民法改正後における転入転出等の届出におきましても、現行の共同親権である婚姻中における取扱いと同様と考えておりまして、現行の事務の取扱いを変更することは想定しておりません。
○政府参考人(梶山正司君)
転校についてお答えいたします。
今般の民法改正案を踏まえ、共同親権となり離婚後に父母双方を親権者とする場合においても、転校の手続については、婚姻中の父母が別居している場合における現行民法制度の、民法の下での取扱いと基本的に変わるものではないと認識しております。
他方、学校は、父母間の協議の状況や家庭裁判所の審判の結果等、父母間の関係について正確な情報を得られる立場にないことから、特定の父母間の関係が転校の手続の円滑な実施に影響するような場合には、現在においても、裁判所や警察、家庭、教育委員会などの関係機関との相談や情報収集を行い、個別のケースに応じて適切に対応していると承知しております。
文部科学省といたしましては、共同親権の導入後も学校においてこれまでと同様に適切な対応が行われるよう、法務省を始めとした関係府省とも連携の上、今般の法改正の趣旨等について、教育委員会等を通じて丁寧な周知を行ってまいります。
○福島みずほ君
終わります。ありがとうございます。
※本議事録は未定稿です。