ACTIVITY BLOG活動ブログ
2023.5.9 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
○福島みずほ君
立憲・社民の福島みずほです。
二〇二二年十一月三十日、国際人権規約自由権規約委員会は勧告を出しております。多岐にわたりますが、入管制度についても、パラグラフ三十三など、勧告を出しております。国際基準にのっとった包括的な難民保護法制を早急に採用すること、以下、ノン・ルフールマン原則が実際に尊重されなど、(f)まであります。これをどのように検討されたんでしょうか。
昨年、日本弁護士連合会と法務省が交渉したときに、これ、検討いたしますというふうにおっしゃいました。具体的にどことどのような検討をしたんでしょうか。教えてください。
○政府参考人(西山卓爾君)
まず、前提といたしまして、我が国は締結している人権諸条約が定める義務を誠実に履行しており、我が国の入管制度がこれに違反するものではないと考えております。また、御指摘の自由権規約委員会の勧告は、我が国に対して法的拘束力を有するものではないと承知をしております。
そして、政府報告審査とは、数年ごとに締約国が委員会に条約の実施報告を提出し、委員会が報告に対する意見を送付するという対話のプロセスでございます。他方で、勧告につきましては、その内容を十分に検討するべきであるところ、入管庁としましても、勧告の趣旨を尊重しつつ、我が国の実情等を踏まえた検討を行ったところでございます。
例えば、勧告は収容期間の上限の導入のために取り組むように求めておりますが、その趣旨は、不必要な収容の回避と収容の長期化の防止にあると考えられます。そして、収容期間に上限を設けた場合、その上限まで送還を忌避し続ければ、逃亡のおそれが大きい者を含め全員の収容を解かざるを得ず、確実、迅速な送還の実施が不可能となるため、収容期間に上限を設けることは相当でないと考えたところでございます。
そこで、改正法案におきましては、送還忌避者の長期収容の解消防止は、収容が長期化する前に迅速、確実に退去等をさせるとともに、収容しないで退去強制手続を進める監理措置によって実現することとしたところでございます。さらに、今回の改正法案では、旧法案の修正に加えまして、旧法案に修正を加えまして、三か月ごとに収容の要否を見直す仕組みを導入し、より実効的に長期収容を防止することといたしました。
今後の政府報告審査におきましても、引き続き、本法案における改正後の法制度や取組について合理的な理由とともに説明し、条約の義務を誠実に履行していくことを示してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君
質問にもう少し答えていただきたいと思います。
勧告が出ていて、この勧告の中身をしっかり検討すると言って、私の質問はどことやりましたかということです。UNHCRや弁護団や当事者やNGOや、そういうところときちっと協議をされましたか。
○政府参考人(西山卓爾君)
改正法案の検討過程におきましては、例えば、UNHCR本部及び駐日事務所との間で複数回意見交換を行って、我が国の法制度の在り方や改正法案に対する考え方を説明してきたところでございます。
○福島みずほ君
例えば、ここの(a)では、国際基準にのっとった包括的な難民保護法制を早急に採用すること。日本が採用していないからですよ。入管制度の中に組み込まれているからですよ。この勧告を踏まえて、国際人権法にのっとった法律、議員立法で今日四会派五党で私たち出しました。難民保護法制と、それから入管法の改正法案です。この議員立法こそ、まさにこの勧告を生かしているものだと思います。
なぜ法務省は、この勧告が出て、そしてきちっと検討すると言いながら、ほぼ一昨年廃案になったのと同じものを出したんですか。大臣、検討すると法務省答えたんですから、しっかり検討すべきでしょう。名古屋入管事件があって監獄法の改正をやったくらい、やっぱり入管はきちっと改正をすべきだと思いますが、なぜ抜本的な改正がないんですか。
○政府参考人(西山卓爾君)
まず前提として、先ほど委員から御指摘があった議員立法に提出された法案につきましては、私どもとして何かしらコメントをすることは差し控えたいと存じます。
その上で、今回の改正法案は、旧法案に対する様々な御指摘、御意見の趣旨を踏まえて立案したものでございます。具体的には、保護すべき者を確実に保護した上で、在留が認められない者については迅速に送還可能とする。長期収容を解消し、収容する場合であっても適切な処遇を実施するという考え方の下、様々な方策を組み合わせ、パッケージで課題を一体的に解決し、外国人の人権を尊重しつつ適正な出入国管理を実現するバランスの取れた制度にしようとするものでありまして、適切な内容であると考えております。
引き続き、本法案の重要性につきましては、広く国民の皆様に御理解をいただけるように丁寧に説明してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君
難民認定制度、日本は恥ずかしいですよ。この委員会でも質問しましたが、二〇二一年、カナダにおけるトルコの難民認定率九七%、日本はゼロですよ。トルコのクルド人が初めて裁判で難民認定された。裁判でですよ、一件、去年、一人だけです。これが日本の難民認定の状況で、だからこそ出入国管理と分離して難民保護法制を作るべきだという議論じゃないですか。それを出すべきなのに一昨年と同じものを出して、これ国際人権法上認められないですよ。間に勧告があったわけですから、しっかりこれを踏まえて出すべきであったというふうに思います。
かつて刑務所が行刑改革会議やって改正をやったぐらいの意気込みを入管は示すべきですよ。今出している法案は廃案しかありません。そのことを強く申し上げますし、また、このことについて、国際人権法にのっとった点について更に質問していきます。
難民認定、裁判でなされたケースに関してデータ出していただきました。二〇一七、ゼロ、二〇一八、一、二〇一九、一、二〇二〇、二、二〇二一、ゼロ、二〇二二、一です。配付資料にしておりますが、五名、裁判で難民認定されています。この人たち、頑張って裁判起こして勝訴をしたから難民認定されたけれども、でも、今度、この法案で、二回難民申請して却下されれば基本的に送還されるとすれば、これらの人たち救済されないんじゃないですか。
○政府参考人(西山卓爾君)
お尋ねの件につきましてでございますけれども、この難民該当性についての判決につきましては、様々な点に、事案に応じて様々なことがございますので、一概に申し上げることは困難かと思います。
また、具体的にその該当性に当たって、難民該当性判断に当たって留意すべき点がある事案につきましては、敗訴判決の確定を受けて当該判決の要旨を伝達した上で客観的情報の正確な把握、活用といった分析、検証結果を踏まえた指示を適時行っているところでございまして、引き続きこの難民認定について適正に判断できるように努めているところでございます。
○福島みずほ君
答えてないですよ。
まさにこの人たち裁判やって、物すごく高いハードル越えて、裁判でようやく勝訴しているんですよ。この五名帰したら、まさにこの人たち難民ですよ、裁判所が認めた難民、帰したら、まさに虐殺、虐待、弾圧受けること明らかじゃないですか。そういう人たちを帰そうとする法律だから問題です。
今回の政府提案の中では、まさに二回申請して三回目申請していても原則として送還忌避罪で送還するというものです。三回申請して難民認定された人の数について、二〇二一年まではゼロ、二〇二二年は三名ということでよろしいですか。
○政府参考人(西山卓爾君)
三回目以降の難民認定手続により難民と認定された者は令和三年までは存在していなかったけれども、三回目の申請で認定された者が令和四年中に三件存在するということでございます。
○福島みずほ君
その人たちの国籍、教えていただけますか。
○政府参考人(西山卓爾君)
中国が一で、ミャンマーが二でございます。
○福島みずほ君
ミャンマー、中国なわけですよね。で、この人たち、もし帰していたら、二回目、送還忌避罪、送還していたら、虐待受けている、弾圧受けている可能性がある人たち三名いるんですよ。法務省は、そういう人たちがいる、三回目の申請で難民認定した人が三人いることを知りながら、何で三回目申請で帰そうとするんですか。この人たち貴重ですよ、三名、もっといるかもしれない。この人たちの命を救わなくちゃいけないと思います。その意味でも、今出されている法案欠陥ありと。だって、この人たちは三回目に難民認定されたわけですから、欠陥があるというふうに申し上げます。それを撤回すべきだと考えます。
大臣、この間、仮放免の子供たちの在特について議論をしておりますが、在特は速やかにされるということでよろしいですか。
○国務大臣(齋藤健君)
私も国会で答弁しているように、この問題については私としても真剣に考えているところであります。
その上で、現在の入管法改正法案では、在留特別許可の判断の透明性を高めるために、新たに考慮事項を法律で明示することとしておりまして、御指摘のこの親子の関係、子供のことについては、法律で明示された考慮事情のうち、家族関係又は人道上の配慮の必要性として考慮をされるということを明示をしたい、していると、考慮事項でですね。それで、在留特別許可の許否判断に当たっては、個別の事案ごとの、最後は諸事情の考慮ということが入りますけれども、適切に判断をしていきたいと考えています。
○福島みずほ君
速やかに、在特、今でも法律、まあ法律というか、今でも認めることができるわけですし、子どもの権利条約にのっとり、当然に親子で在特を出すべきだと考えますが、よろしいですね。念のため質問させてください。
○国務大臣(齋藤健君)
今申し上げたとおりなんですけど、この改正法案ができましたら、考慮事項ということで、法律でこの明記を、在留特別許可の判断について明記をするということになっていて、その中で、親子関係についても、法律で明示された考慮事項のうち、家族関係又は人道上の配慮の必要性として考慮をされることとなるということであります。
私も何回も国会で申し上げたように、私としてもこの問題真剣に考えているということでありますので、在留特別許可の許否判断に当たっては、もちろん個別の事情ということは踏まえるわけでありますけれども、適切に私が判断していきたいと考えています。
○福島みずほ君
留置施設における被留置者の死亡についてお聞きをいたします。
これについて様々な資料を今まで出していただきましたが、昨年、二〇二二年度中の二十七名の死亡の性別、年代、死因を出していただきました。配付資料として出しております。
これに着目をすると、五番、肺動脈血栓塞栓症、十五番、肺動脈血栓塞栓症、十九番、急性循環不全、二十番、汎発性血管内血液凝固症、それから二十六番、肺動脈血栓塞栓症、つまり、エコノミークラス症候群ではないですが、足とかにできた血栓がばっと心臓や肺に行って詰まって死ぬという、そういう状況ではないかと思うんですね。
これ、十六番の熱中症と推定というのは、空調が壊れていたという非常に悲惨なケースだと思いますが、今申し上げた番号、これ、拘束、配付資料で出しておりますが、金属手錠や様々な、ベルト手錠、あるいは保護室に入れられていたか、あるいは捕縄されていたか、いかがですか。
○政府参考人(谷滋行君)
お答えをいたします。
令和四年中、肺動脈血栓塞栓症で亡くなった被留置者が三名、急性循環不全で亡くなった被留置者及び汎発性血管内血液凝固症で亡くなった留置者、これがそれぞれ一名となっておりますが、いずれの事案でも戒具の使用はございませんでした。
保護室への収容につきましては、急性循環不全で亡くなった事案につきまして、体調不良で緊急搬送をされる前まで保護室に収容をしていたということでございます。
○福島みずほ君
今日は時間がありませんが、また詳しく教えてください。
次に、刑務所の保護室の利用についてお聞きをいたします。
これも配付資料をお配りしておりますが、三十日以上が何と五十九件、長い人は百三十四日です。札幌刑務所だと聞いておりますが、一時的な手法という位置付けから大きく懸け離れているのではないですか。
○政府参考人(花村博文君)
お答えします。
保護室への収容は被収容者の心身に影響を及ぼすおそれがあることから、収容の期間等の制約が刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第七十九条に定められているものと承知しております。
このため、保護室収容中の被収容者に対しましては、速やかに収容の要件が解消されるよう、様々な職員がその動静を的確に把握するとともに、心情の安定を図るための働きかけを試みるなどの対応を行っているものの、被収容者の中には、法に定める収容の必要がなくならないため、施設の規律及び秩序を維持する観点からも、やむを得ず継続して収容しなければならないこともあるものと承知をしております。
いずれにいたしましても、引き続き、様々な手法を取りながら保護室収容中の被収容者の心情の安定を図り、速やかに保護室収容を中止できるよう、問題意識を持ちまして指導して、指導監督してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君
法律七十九条は、七十二時間以内、ただし、特に継続の必要がある場合には、刑事施設の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。
保護室、名古屋刑務所の事件があった保護室や、今回も保護室、保護室入りました。金庫みたいじゃないですか、まさに。物すごく密閉されている、窓もない、そんな中に百三十四日も入っていたら本当にこの人、大丈夫かと思います。余りにひどい実態だと思ったんですね。もっと短いと思っていたんです。これは本当に各施設、考えていただきたい。
そして、これは、刑事施設の職員である医師の意見を更新する際に聞かなければならないとありますが、六十何回、医師はこれオーケーと言っているんですか。まさに、これはちゃんと面接をしているんですか。どういう状況でしょうか。
○政府参考人(花村博文君)
お答えします。
被収容者を保護室に収容し、又はその収容期間を更新した場合には、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第七十九条第五項の規定に基づきまして、刑事施設の長は、速やかに、その被収容者の健康状態について、刑事施設の職員である医師の意見を聴取する対応をしております。その運用に当たりましては、医師が被収容者の健康状態を直ちに把握できる場合を除き、看護師又は准看護師にその状況を把握させ医師に報告させる取扱いとしており、報告を受けた医師におきまして診察の要否を判断するものと承知をしております。
当局といたしましても、保護室収容及び期間の更新時における、被収容者に対しては、その心身に与える影響等を考慮し、今後とも医師による健康状態の把握が適切に行われるよう、継続して指導監督してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君
医師は本人診ていないんですよ。職員やそういう人たちから連絡を受けて、はいと言っているだけの可能性も非常に強い。医者が基本的にその四十八時間ごとにやっぱり面接して、精神的におかしくなっていないか、大丈夫かというのをやっぱり確認すべきだと、そのことを是非やっていただきたいということを申し上げます。
被害者の氏名等の秘匿についてお聞きをいたします。
これは、私も、性暴力、セクシュアルハラスメントなどの裁判をやってきた弁護士なので、DVもたくさん担当してきました。ですから、怖いとかいう理由も、怖いというか、氏名の秘匿についての必要性は理解するんですが、もう一方、弁護士として、被告人、弁護士の攻撃防御の観点というのもすごくあるというふうに思っています。
これは、例えば、三人のA、B、Cの女性と夜お酒を飲んで楽しく騒いだ、本人は楽しく騒いだと思っていたら後から強制わいせつだと言われた、A、B、C、誰か分からない、でもそのうちの一人から、例えばLINEが来て、楽しかった、また誘ってねとかある。一体誰なのか、誰が被害者なのか、自分には身に覚えがないなんという場合に、これ本当に攻撃防御ができない。
弁護士が知っていたって意味ないんですよ、基本的に。だって本当のことを知っているのは被疑者、被告人で、その人間が被害者との人間関係を知っているわけです。誰なのかが分からない限り、弁護士手の打ちようもないんですよね。LINEやいろんなので、この人はこうだ、同級生だ、だからこれ自分は違うと思うとかいう、被告人の、被疑者の発言が封じられるというのは問題だと思います。
これに関して、法制……
○委員長(杉久武君)
会派としてのお申合せ時間が来ています。
○福島みずほ君
はい、時間。はい。
法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会第二十二回会議議事録で、まさに村木厚子さんが、テレビ、顔にモザイクが掛かった人が出てきていろんなことをしゃべって被害に遭ったと言うぐらい物すごく不安定なものだと批判をされています。
この制度、条文では性暴力だけではなくもっと拡大をしております。一般的に危害を……
○委員長(杉久武君)
福島委員に申し上げます。会派としての時間が来ています。
○福島みずほ君
分かりました。はい。
ですから、これは慎重に取り扱うべきだということを強く申し上げ、質問を終わります。
ありがとうございます。
※本議事録は未定稿です。