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2023.5.17 憲法審査会での発言 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

○会長(中曽根弘文君)
福島みずほ君。

○福島みずほ君
立憲・社民の福島みずほです。
選挙制度は目まぐるしく変わっています。一九八二年、参議院全国比例区制から拘束名簿式比例代表へ、一九九四年、衆議院中選挙区から小選挙区比例代表並立制、二〇〇〇年、参議院拘束名簿式比例代表制から非拘束名簿式比例代表制、二〇一五年、選挙年齢を引き下げて二十歳から十八歳、参議院選挙区選挙において一部の県で合区選挙区を導入、二〇一八年、参議院比例代表選挙において特定枠制度を導入、二〇一五年七月二十四日の参議院本会議において発議者要求のとおり委員会審査を省略して議題となったのが合区です。合区を設けることにした理由について、自民党の発議者からは、都道府県単位の選挙制を極力尊重しつつ、最高裁判決を踏まえて較差是正を目指すという考え方に基づくものであることが説明をされました。
自民党は合区を提案し成立をさせながら、合区解消のための憲法改正を言っていることが理解できません。
先ほど述べたとおり、選挙制度は目まぐるしく変わっています。自民党が合区に踏み切ったのは、つい最近の二〇一五年です。日本の憲法は硬性憲法です。都道府県単位で選挙制度を組み立てるべきで、例外を許すか許さないかどうかはこれまた時代によって変わってくると思います。百年、二百年単位で憲法は考えるべきであり、選挙制度は公職選挙法改正で行うべきです。
また、自民党が合区を提案し成立をさせたのは、憲法十四条に基づく投票価値の平等に対する配慮があったからだと考えます。そのことはどうなるのでしょうか。投票価値の平等を憲法によって後退させることも問題です。歴史的な政治、経済、社会ユニットである都道府県選出が必要としていますが、他県の国民の投票価値の平等という憲法十四条を犠牲にすることの正当性が問題となり得ると考えます。
自民党は、議員定数不均衡を考え、合区制を提案し実現しながら、憲法改正をすれば議員定数不均衡も踏みにじることができると考えているのだとすれば、自民党にとって投票価値の平等は、憲法上の価値というよりも、最高裁が言うので何とかかわさなければならないというぐらいの程度のものだということではないでしょうか。
国会は、投票価値の平等を重要な憲法上の権利と考え、それを根拠としながら、どのような選挙制度を取れば少しでも実現に近づくことができるのか、知恵を結集すべきなのです。
前述しましたが、どのような選挙制度を取るかについては、憲法で一律に決めるのではなく、公職選挙法で時代につれ、時代の要請に従い、十分熟議して決めるべきです。政治の意思決定の場における男女共同参画社会基本法が成立しており、余りに少ない女性議員を増やそうという機運も高まっています。女性議員やマイノリティーの人たちを増やすためには、ヨーロッパなどがそうであるように比例区重視をする必要があります。今後どのような選挙制度がいいのか、議員定数均衡を前提としながら、全体の枠組みは大いに議論されなければなりません。
地域代表制にすべき、参議院を地方の府にすべきという意見について述べます。
国会議員は全国民の代表です。都道府県単位とすることは全国民の代表と矛盾しかねません。また、都道府県単位にすることで参議院の権能を弱めることになりかねません。アメリカは合衆国ですが、州単位とする上院は下院と比べて限られた権能しか持っていません。参議院の権能を弱めることには反対です。
金森大臣は答弁で、緊急集会が国会の代替機関である法的正当性は参議院議員が国民代表であることにあるとしています。まさにそのことは参議院にとって重要なことではないでしょうか。
合区を解消するかどうかは憲法改正の問題とすべきではなく、公職選挙法の問題であるということを強く申し述べ、私の意見陳述といたします。

※本議事録は未定稿です。

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