ACTIVITY BLOG活動ブログ

2023.11.9 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

点字データダウンロード
 

○福島みずほ君
立憲・社民の福島みずほです。
百年前の関東大震災における虐殺についてお聞きをいたします。
資料としてお配りしておりますが、特命全権公使から外務大臣、男爵宛てに送られた中国人の被害調査表、これは公文書館に保管されているということでよろしいですね。

○政府参考人(石瀬素行君)
お答えいたします。
御指摘の中華人民留日人民被害調査表については、大正十三年三月四日、公信機密第百二十六号をもって在中国日本公使館から東京の外務省へその写しが送達され、同写しについては、現在、外務省外交史料館が保管しております。

○福島みずほ君
しっかり記録があるんですよ。誰が被害に遭ったのか、しっかり被害があります。
それで、この後についてなんですが、二十万円、閣議決定で払う、慰藉金として払うということを日本政府は当時認めております。一九二四年五月です。しかし、これがなかなか支払われないということで、一九二五年六月に、中国の総長と日本の公使との間で未解決の問題として論議され、その詳細は台湾の中央研究院近代史研究所トウ案館に所存されている中華民国外交トウ案にちゃんとあります。そして、その後、このことについて、外務省外交史料館の一九三六年帝国議会説明資料の中に経過が書いてあると思います。つまり、このことは、なかなか払われないということもあり、一九三六年の段階でも、外務省は、中国側の要求を、要求額不明とされているものの、関東大震災関係事案を未解決要償件案として扱っていたことが分かります。
これ、外務省外交史料館、公文書として保管されていますね。

○政府参考人(石瀬素行君)
お答え申し上げます。
外務省東亜局が一九三六年十二月に作成した昭和十一年度執務報告の中に、御指摘の概要の節がございます。この文書は、外務省の外交史料館に保管されております。

○福島みずほ君
公文書として保管されているということがとても重要だと思います。とりわけ、中国の人たちに対する、お配りしていますが、名前が分かっている、もう誰が殺されたか分かっているというのがちゃんと公文書としてあるんですよ。
そこで、お聞きをいたします。大臣、松野官房長官が政府内で事実関係を把握できる記録は見当たらないと言っておりますが、これ、虚偽じゃないですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
お尋ねの官房長官の発言でございますけれども、これは従前からの政府の見解を述べたものと認識しております。
法務大臣としても、この政府見解と同一の見解であり、それ以上の評価や所感を述べることは困難であることを御理解いただきたいと思います。

○福島みずほ君
記録の中身を今聞いているのではありません。
ちゃんと殺害された人の名前も全部あって、それを日本政府は認め、慰藉金払うとして、その後も継続して協議をしていることが公文書館でちゃんとあるんですよ。記録があるじゃないですか。殺害について記録があるじゃないですか。
これを記録がないというのは虚偽じゃないですか。今までの政府答弁じゃないですよ。この委員会で質問してきたとおり、記録があるんですよ。記録があることをないと言うことは虚偽じゃないですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
松野官房長官は、政府内で事実関係を把握できる記録が見当たらないという旨発言されておりまして、従来からの政府の見解を述べられているわけであります。
法務大臣としても、この政府見解と同一の見解であり、それ以上の評価や所感を述べることは困難であることを御理解いただきたいと思います。

○福島みずほ君
官房長官、問題ですよ。法務大臣、法務大臣も閣僚の一人です。国務大臣の一人で、閣議を決定し、岸田内閣の一員です。とても重要な立場で、しかも法務大臣です。
どうですか。記録があるんですよ。人が殺されて、調査表があって、日本政府は認めて、慰藉金払うと言って、外務省はずっとそれで交渉しているんですよ。記録あるじゃないですか。あるのにないと言うことを問題としている。今までの政府見解などを私が聞いているのではありません。ここまで、ここまであると、公文書館にあると言って、なぜ記録はないと言えるんですか。納得できません。

○国務大臣(小泉龍司君)
繰り返しになりますが、お尋ねの官房長官の発言、これ、従来からの政府の見解を述べたものであります。
法務大臣として、その政府見解と同一の見解を取り、それ以上の評価や所感を述べることは困難である、御理解いただきたいと思います。

○福島みずほ君
政府見解が間違っているんですよ。
大臣、記録があるじゃないですか、公文書館に。五百名、名前も分かっている、全部分かっている。そして、慰藉金払うと決めた。被害者分かっているんですよ。
今ね、職員が頑張れって言ったかもしれないけれど、大臣、大臣としてちゃんとこれ答えるべきなんですよ。いや、つまり、大臣として、言ったかもしれないというのは、今何を耳打ちされたか私は分かりませんが、政府見解はこうだという、それを繰り返すことには納得いかないですよ。だって記録があるわけですから。記録がちゃんとあるわけですから、これをないものとはできないですよ。積み上げられた公文書があるじゃないですか。外務省が積み上げてきたことがあるじゃないですか。閣議決定があるじゃないですか。詳細な死亡者のリストがあるじゃないですか。これをないと言うこの内閣は信用できないですよ。それを大臣が従来の見解ですからって繰り返し述べられることは極めて残念です。この法務委員会で、本当に残念です。法の支配はないのか、記録に基づいた答弁はないのか、私たちは真実に基づいて議論することができないのか、何で歴史を見ることができないのか、過去日本政府がやった、外務省のあるいは閣議決定の文書すらなぜ認めないのかと思います。
神奈川県で関東大震災朝鮮人虐殺関係資料というもの、配付資料をお配りをしております。詳細な資料で、本にもなっておりますが、これはお配りしていますとおり、とても、これは大正十二年、つまり二〇二三、ごめんなさい、一九二三年十一月に神奈川県知事が警保局長に宛てて出したものです。内地人の朝鮮人に対して行いたる殺傷事件調べというので、これまた場所やいろんなこと、詳細な記録になっております。当時、神奈川県が警務局に出しているんですね。
じゃ、ほかのところもあると思いますが、こういう資料があること御存じですか。

○政府参考人(楠芳伸君)
お答えいたします。
これまで政府として質問主意書に対する答弁をするに当たりましては、各府省においてそれぞれが管理する文書について必要な確認を行っており、その調査の限り、先ほど法務大臣からも御答弁ありましたけれども、政府内にお尋ねの事実関係を把握することができる記録は見当たらないということを述べてまいったところでございます。
それで、今お尋ねの資料でございますが、お尋ねの資料につきましては各府省が管理する文書ではございませんので、確認は行っておりません。

○福島みずほ君
これですね、しっかり神奈川県知事から出しているんですよ。数少ないと私は思いますが、かなり現実に合っている、調査をした人によれば。そして、数か月の間にこれ記録一生懸命作ったんですよ。亡くなった人に対する、それは一つの事実をちゃんとやるということで、神奈川県出しているんですよ。
これすらですね、これ、では、中身についてという、調査すべきじゃないですか。どうですか。

○政府参考人(楠芳伸君)
お答えいたします。
これまでも政府として質問主意書をいただいてそれを答弁する際には、各府省に対しまして該当する文書の存在の有無などについて照会をし、各府省においてそれぞれが管理する文書について必要な確認を行った上で、その調査の限り、政府内にお尋ねの事実関係を把握することができる記録は見当たらなかったということで御答弁を申し上げているところでございます。

○福島みずほ君
是非、これは現実と合わせて調査をしてほしいと思います。
そして、朝鮮の、中国の人に対するこの調査表、公文書館に保管されているじゃないですか。政府内に記録がないとか、神奈川県の記録についても知らないとかいうことをもうやめてくださいよ。調査をしてなぜ事実に向き合わない。公文書館にあることをなぜ否定する。あり得ないですよ。
大臣は埼玉県の出身でいらっしゃいますので、お聞きをいたします。
今、神奈川県のことをお聞きしましたが、関東大震災の朝鮮人の虐殺について、震災から五十年の際に当時の県知事を名誉委員長とする調査委員会が百九十三人の死者を確認するなど、埼玉県内でも多数の犠牲者がいるとされております。震災から百年目に当たり、大野県知事の所感を記者会見で聞かれ、大野知事は哀悼の、謹んで哀悼の意を表したいなど、県内でも多数の犠牲者が出たことについて所感を述べておられます。
大臣、埼玉県でのこの死傷者についてどう思われますか。

○国務大臣(小泉龍司君)
埼玉県知事が記者会見で哀悼の意を表明されたということでございます。
私は確かに埼玉県選出の国会議員ではありますけれども、この場で法務大臣として政府を代表して答弁させていただく立場として、地方公共団体の長による個別の言動の一つ一つについてコメントをすることは差し控えたいと思います。

○福島みずほ君
では、この埼玉の人たちの死亡に関して、法務大臣、あるいは一人の個人として、国会議員として、埼玉県選出の議員として所感がありますか。

○国務大臣(小泉龍司君)
これ、ちょっと私もまだ事実関係を把握しておりませんので、コメントは控えたいと思います。

○福島みずほ君
質問通告しております。
これ、今日、公文書館にあるということを認めてくださった公文書があります。ここまで明らかになって、これ、中国の人たち、名前が全部分かっていますから、遺族がいるんですよ、何度も日本に来ているんですよ。真実なんですよ。殺されたことを認めたからこそ、日本政府は慰藉金払うといって閣議決定までやって、その後も継続的に協議していることも本日公文書があるとお認めになったわけですよ。にもかかわらず、記録がないっていう虚偽を内閣が続けられること、あり得ないというふうに思っています。
私は、百年前の外務省の方がずっと努力をしていたと思いますよ。あり得ない。この内閣できちっと認めてくださるよう何度も質問をして、やっぱり歴史に向き合わなければ、差別、排外主義と向き合わなければ、ヘイトクライムをなくさなければ、ヘイトクライムに向き合うことが本当に必要だと思います。これを本日も記録がないということを繰り返し法務大臣が言うことで私は本当に失望しました。これ、考えてください。内閣で議論してください。よろしくお願いします。
次に、大臣、柿沢未途さんの件に関して、公職選挙法違反であるという、その柿沢未途さん、関与しているということを知ったのはいつですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
当日の朝七時過ぎでございます。

○福島みずほ君
いや、これ朝、朝日新聞が報道したからですが、もっと前に知るべきではないかとも思いますが。
ところで、八時前に電話で話したとありますが、そこで出処進退などについてどう話しましたか。

○国務大臣(小泉龍司君)
私から限られた時間の中で確認をしましたのは、こういう記事が出ているけど、どうなんだということを尋ねました。柿沢当時副大臣は、取材を受けました、そして、それがそのまま記事になっていますという事実を認めたわけであります。そして、違法の意識はなかったけれども、深く反省をしていますということを言っておりました。

○福島みずほ君
出処進退については何も聞かなかったということですね。大臣は予算委員会に柿沢未途さんが呼ばれているということを知っていましたか。

○国務大臣(小泉龍司君)
その時点では存じませんでした、呼ばれていることは。

○福島みずほ君
いつ知りましたか。

○国務大臣(小泉龍司君)
当日の予算委員会の昼休み、法務省戻って、また院内に戻ってから報告を受けました。

○福島みずほ君
遅いと思います。
それから、朝新聞が出れば野党が要求する、質問する、質問通告してなくても、予想できたと思います。大臣、その時点で柿沢さん、辞めなくてもいいと思っていましたか。

○国務大臣(小泉龍司君)
私は、まず本人のその置かれた状況、本人がお話しすることを正確に聴取し、それを伝えたい、内閣に伝えたい、そういう思いで対応したわけでございます。

○福島みずほ君
大臣は、副大臣、政務官、一体として、やはり大臣がトップです。公職選挙法違反について本人が認めたのであれば、それはもう辞職すべきだということを朝の時点で言う、あるいは大臣自身が予算委員会で質問されることを、これ予測されるわけですから、どう対応するかマネジメントするのが大臣の仕事じゃないですか。私は官房長の責任じゃないと思いますよ。これ、大臣の責任ですよ、大臣の責任ですよ。そのことを強く申し上げます。
人権擁護局の問題についてお聞きをいたします。
人権擁護局は極めて大事で、人権侵害に対する申立て、救済、とても重要な役割を果たしております。国会議員がこの人権侵犯事犯だと認定されたケースはないやにも聞いております。そして、杉田水脈議員が、このことについて先ほども御質問が牧山委員からも、理事からもありましたけれども、あたかもこれを否定するような言動を繰り返している。これって、法務省がつかさどる人権擁護局をまさになし崩しにする、否定する、そういうものではないですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
お尋ねの件ですけれども、個別事案を前提とした御質問でありますので、お答えは、個人、個別案件としての御質問でありますので、お答えを差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げれば、法務省の人権擁護機関、これもう非常に重要な使命を持っていると思います。また、国民からの期待も大きいと思います。あくまで任意ではありますけれども、大変重たい制度だというふうに認識しております。

○福島みずほ君
私もそうだと思います。人権擁護局が果たしてきた役割、今果たしている役割、大きいです。人権侵犯事犯だと認定したことは極めて重いです。国会議員に対してです。
だとすれば、これ、ネガティブな、否定的なことを自民党の議員が、まあ自民党とは限りません、国会議員が言っていいんですか。人権擁護局をなし崩しにするような発言をしていいんですかって申し上げます。大臣は自民党の議員さんであります。自民党選出で、自民党の大臣です。人権擁護局をつかさどるトップでもあります。こういう発言を自民党の議員がやっている、これをちゃんと尊重しない、二次的な人権侵害が起きて、起きていると私は思います。
こんなの許してはならないですよ。人権侵犯を訴えて、その人間が居直ったら、人権侵犯を訴えた人どうなるんですか。人権が回復されないじゃないですか。だとしたら、同じ自民党の議員としてちゃんと注意をする、人権とはこうだとちゃんと言う、それは大臣の責任じゃないですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
その御指摘もやはり個別の人権侵犯事案を前提とするお尋ねでありますので、私から個別にコメントをするというのは差し控えさせていただきたいと思います。

○福島みずほ君
人権擁護局の制度にプライドを持ち、これ守ってくださいよ。この信頼性を守ってくださいよ。この信頼性が破壊されているわけだから、守ってくださいよ。その役割が大臣にあると思います。
また、本日、記録はないということを繰り返しおっしゃるのは、記録があることを、公文書館にあることを認めながら、私は全く論理矛盾の虚偽答弁だと思います。全く納得がいきません。
質問を終わります。

※本議事録は未定稿です。

 

MENU