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【提供資料公開】地方自治体に対する国の指示権を拡大する地方自治法改正案について | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
【質問】
1.地方自治法改正案における「国の補充的指示権」の創設は、コロナ禍における国の指示系統に課題があったことを根拠にしているが、その具体的な事例(既に地方自治法で定められている国と地方自治体との「調整」では対応できず、「国の補充的指示権」があれば奏功していた事例)を示してほしい。併せて、当該具体的事例に関し、地方公共団体からの意見を聴取しているのか否か、している場合は、意見を述べた地方公共団体の名称及びその意見の内容を示してほしい。
2.第33次地制調答申では、「令和3年の災害対策基本法の改正により、このような災害(引用者注:「非常災害」に至らないものの広範囲が水没した豪雨水害など)が『特定災害』と位置付けられ、政府対策本部の設置、国から地方公共団体への指示の規定が盛り込まれた。……当該法改正が行われるまでは、上記の新型コロナ対応と同様の課題があった」ことが指摘されている。
この点も国の補充的指示権創設の根拠とされているようであるが、現行の災害対策基本法では対応できないと考えられる災害(過去の具体的な災害の事例)を示してほしい。また、当該具体的事例について、地方自治体に意見聴取を行ったか否か、意見聴取を行っている場合は、意見を述べた地方公共団体の名称及びその意見の内容を示してほしい。
3.上記新型コロナ感染症や過去の災害の際、地方自治体から国による法律に基づく指示権の創設を求める意見が出されたことはあるか。ある場合は、その意見を出した地方自治体の名称、時期、その意見の内容を示してほしい。
4.2023年12月の地方制度調査会答申の公表後に、法案提出に向けて、地方公共団体との意見交換や地方6団体との協議を行ったのかどうか、もし行った場合には、いつ、どのような内容の意見交換、協議を行ったのか、具体的日時と内容を示してほしい。
【総務省からの回答】
(1 、2 について)
○第33次地方制度調査会の答申は、
・ 「 国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の役割分担に関しては、当時の感染症法の規定では想定されない事態に直面して、例えば、令和2年2月にダイヤモンド・プリンセス号船内で多数のコロナ患者が発生した際には、入院する患者の移送について都道府県の区域を超えた対応が必要になり、国が調整の役割を果たした。また、同年春、患者数の大幅な増加に伴い保健所設置市区単位では病床の効率的な利用が困難となった際には、国の要請により都道府県に「都道府県入院調整本部」が設けられた等、感染症法上の役割分担にかかわらず、事実上、国や都道府県が 一定の役割を担わざるを得ない事態に至った。新型インフル特措法に基づいて使用制限を要請する施設の範囲や、営業時間の短縮を要請する時間帯について、国と都道府県との間で考え方の相違によって調整が難航した事例もあり、一体となって対応できる仕組みの必要性が指摘されている。 」
・「 こうした課題を踏まえ、その都度、新型インフル特措法、感染症法について必要な改正が行われてきた。しかしながら、こうした困難な事態を招いたという事実は、地方自治法を含め、現行法制による国と地方公共団体の関係における国の役割、都道府県と保健所設置 市区の関係における都道府県の役割が、大規模な災害、感染症のまん延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に備える個別行政分野の関係法(以下「個別法」という。)が想定しない事態に対し、十分に対応していなかったことを示すものと評価しなければならない。 」
とした上で、
・「個別法は、これまで発生した災害、感染症のまん延等の事態や、その対応に当たり生じた課題等を踏まえて、備えるべき事態を適切に想定し、必要な規定を設けており、その見直しも重ねられている。しかしながら、今般の新型コロナ対応や、近年の自然災害の発生状況は、個別法において想定されていなかった事態が生じること、こうした事態であっても国と地方が連携し、総力を挙げて取り組む必要があることを、改めて認識させるものであった。」
・「これらの課題を踏まえると、まずは、個別法において備えるべき事態を適切に想定し、必要な規定が設けられ、これによって、個別法及び地方自治法上の国等の権限が適切に行使されるようにする必要がある。その上で、国と地方公共団体の間及び地方公共団体相互間の関係に関する地方自治法の規定について、平成12年の地方分権一括法によって構築された一般ルールを尊重しつつ、大規模な災害、感染症のまん延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において、国民の生命、身体又は財産の保護のため、国・地方を通じ的確かつ迅速な対応に万全を期す観点 から、所要の見直しを行う必要がある 。 」
と指摘し ており 、この答申に沿って法案化しています。
○この 答申については、同調査会において委員である地方六団体はもとより指定都市市長会等からも意見聴取し ながら 議論 が行われ 、答申が決定されたものです。
(1、2、 3について)
○過去に発生した感染症や災害など の 個別の事態については、例えば、 今般の新型コロナウイルス感染症対応に関しては、内閣官房「新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議」が取りまとめた「新型コロナウイルス感染症へのこれまでの取組を踏まえた次の 感染症危機に向けた中長期的な課題について」等において検証が行われており、また、東日本大震災における対応に関しては、 中央防災会議の専門調査会である「 防災対策推進検討会議 」が取りまとめた最終報告
等 において検証が行われており、その中で、地方 公共団体 からも意見を聴取していると 承知していますが、具体的にどのような意見が示されたかについて は 、 総務省 で は承知しておりません。
(4について)
○第33次地方制度調査会の 答申公表後に、地方自治法第 263 条の3 第 2 項の規定により内閣に対して意見を申し出ることができるよう、改正の内容について、同条第 5 項の規定に基づき、令和 6 年 1 月26 日及び同年 2 月 5 日に地方六団体に対して情報提供を行っ ています。