ACTIVITY BLOG活動ブログ

2024.5.9 参議院 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

○福島みずほ君
立憲・社民の共同会派、社民党の福島みずほです。
福山さんの質疑でも出てきましたが、一九九六年、民法改正案、選択的夫婦別姓を含めたものが法制審で全会一致で決められ、国会に上程をされていません。それからもう三十年になります。様々な意見があるとかいうふうに言われて、まだ上程、成立させてないんですね。
ところが、今回の民法改正のこの共同親権は、法制審で反対意見が出たにもかかわらず、あっという間に国会上程ですよ。この差は一体何なんですか。
選択的夫婦別姓は、被害を被る人、具体的に被害を被る人はいません。でも、この共同親権は、先ほど福山さんの質問でも明らかなように、命に関わることがいっぱい起きるかもしれない。こっちの方が被害が起きるんですよ、具体的に、具体的に。危ないんですよ。にもかかわらず、なぜこっちはこんなにスピードアップでやるんですか。ある人は、男の痛みに敏感で、女の痛みに鈍感と言いました。私、それ当たっていると思います。この差は何なんですか。

○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
今回の民法改正案は、父母の離婚後の子の養育の在り方に関するものでございますが、父母の離婚後の子の養育の在り方は、子の生活の安定や心身の成長に直結する問題でありまして、子の利益の観点から大変重要な課題であると認識をしておるところでございます。したがいまして、本改正法案が時期尚早であると考えてはおりません。
他方で、子の利益を確保するためには、DV及び児童虐待等を防止して、安全、安心を確保することも重要になってまいりますので、その点にも配慮した改正法案の中身として御提案を申し上げているものです。

○福島みずほ君
論点がいっぱいあるじゃないですか。子の氏の変更だって、今単独親権でできるのに、できないんですよ。新しく結婚した人と子供と養子縁組しようとしたって、できないんですよ。子供のパスポートを取って修学旅行に行かせようと思っても、駄目って言われたらできないんですよ。子供の学校の選択も、引っ越しをすることも、進学も、これ共同親権ですから、別居親が反対したらできないんですよ。だから問題でしょうということをさんざん議論していて、問題生煮えですよ。共同親権も、不同意共同親権、認めるんでしょう。これ間違っていますよ。
という中で、これだけ問題があるのにぱぱっと上程、反対意見があるのにして、何で選択的夫婦別姓は、多様な意見が社会の中にありますからって言われて、棚上げなんですか。これだけこの法務委員会の中でも議論がある中で、社会の中でも議論がある中で、被害が起きるじゃないかと具体的に言われている中で、何でこれが上程されて議論されるんですか。理解できません。どっちが多様性なんですか。不同意親権なんて選択じゃないですよ。選択的夫婦別姓は選択ですよ。この差があるのに、これひどいと思いますよ。
女の人が困っている、困っている、困っている、困っていると叫び続けて三十年以上、国会上程されない。女の人の多くがこれ困るよと言っている。こんなことあったら大変だと言っている。その声、切り捨てているじゃないですか。参考人質疑で木村草太さんや山崎さんが言ったとおりですよ。これでいいんですか。私は間違っているというふうに思います。
それで、急迫の事情なんですが、前回の質問で、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていれば適時に親権を行使することができない、その結果として子の利益を害するおそれがあるような場合というふうに言いました。で、私が、子供にとって必要かつ相当というふうに変えるべきだと言ったら、局長は、拡大することができないとおっしゃいました。
ところで、局長は一方で、夫婦のいさかいですとか、あるいはけんかのような事情で感情的問題が発生していて、そのために適時の親権行使ができないというような事情があるような場合にもこれに当たると。つまり、DV、虐待の場合だけではないと言っているわけです。いさかいがあったり、それからけんかがある事情で感情的問題があれば、子供を連れて出るということができると言っているわけですよ。時間の概念じゃないんですよ。時間の概念じゃなくて、DV、虐待の場合だけに、局長、あなたは限定していないですよ。
私は、拡張しろと言っているわけではないんです。でも、急迫の事情という法律の文言と、この国会の答弁ですね、このとおりやってくれたらいいですよ。夫婦のいさかいですとかけんかのような事情で感情的問題が発生していて、そのために適時の親権行使ができないという事情があれば、女性は子供を連れて出るんですよ。そこでいさかい続けることが大変だから、自分が産んで育てて、夫はほとんど育児に関与しない、子供を置いていくわけには、ネグレクトするわけにはいかない、だから子供を連れて出るんですよ。これは急迫の事情でいいんですね。
私が心配しているのは、条文が急迫の事情だったら、いや、DV、虐待の場合だけじゃなくて、いさかいやけんかをしていて感情的問題が発生していて、適時の親権行使ができないという事情がある場合は当たりますと言っているんだけれど、このとおりにやってくれますねということなんです。
今まで女性は、夫がいないときや、いろんなときや、子供を連れて家を出ました。それしか方法がないからですよ。身を守るため、あるいはそこで物すごいけんかをしたくないから、怖いからなんですよね。DV、虐待、場合だけじゃないんです。
大臣、急迫の事情という文言を家庭裁判所の裁判官がこのようにちゃんと理解して、今までどおり子供を連れて出ていけますよというふうに判断してくれるということでいいんですね。もしそうであれば、条文変えるべきじゃないですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
裁判所の裁判官も、ここ法務委員会での国会での議論、これは十分注視をし、また理解をしてくれるものと思いますし、法務省もまたそれだけのしっかりとした努力をしたいと思います。そんな、そこが一番大事なところだと思います。
ここでの立法意思が執行にちゃんと写し取られるかどうか、そこ非常に大事なところでありますので、そういう問題意識を持って法務省も最大限、最大限努力したいと思います。

○福島みずほ君
大臣、だったら修正しましょうよ。いかがですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
文言としては十分な、相当な表現になっていると思います。

○福島みずほ君
裁判所、これ急迫の事情とありますが、DV、虐待、場合だけでなく、夫婦のいさかい、けんかのような事情で感情的問題が発生していて、適時の親権行使ができない事情、これも当たるということでいいんですね。これ一番重要なことだと法務大臣おっしゃったので、子供連れて出れますね、夫と対立していたら。いいんですね。

○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君)
お答えいたします。
事務当局といたしましては、個別の事案についてどのような判断をするのかということについてお答えすることは困難でございます。
ただ、一般論として申し上げますと、今般の家族法が改正された場合に、各裁判所において改正法の各規定の趣旨、内容を踏まえた適切な審理が着実にされるようになることが重要であるというふうに考えているところでございます。
最高裁といたしましても、例えば今回のいろいろな議論等も踏まえまして準備を進めていくということになります。引き続き、研修等も含めて、裁判所としても対応してまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君
夫婦のいさかいとかけんかのような事情で感情的問題が発生していて、そのために適時の親権行使ができない。これはやっぱりできないんですよ。だから子供を連れて出ざるを得ないんですよ。
今朝の「虎に翼」で、梅子さんが夫に、離婚をする、おまえは一生子供に会えないと言うわけですよね。どれだけ女性たちが子供を奪われることで離婚を諦める、あるいは子供を置いて離婚せざるを得なかったか。金子みすゞさんは、夫に親権やらないと言われて絶望して自殺をしたというふうに言われています。
そんな女性が多かったし、それから、本当に連れて出るということができないと、子供置いて出れないですよ。でも、そうすると、結局この法案って、離婚させない法案になっちゃうんですよ。我慢しろと、おまえは勝手に子供を連れて家を出られないんだから、だから、それを狭めればですね、我慢しろということになっちゃって、離婚防止法案になっちゃうんですよ。それを避けたい。ですから、答弁でここまで言っている、いさかいやけんかのような事情で感情的問題が発生していて、そのために適時の親権行使ができない。だったら、女性は、まあ男性の場合もあるでしょうが、子供を連れて出てもいいということをもっともっと徹底する必要があると思います。
それで、行政、学校、DV支援の現場が萎縮しちゃうんじゃないかということをとても心配しています。
今日は、総務省、男女共同参画局、文科省にも来ていただいております。共同親権導入で、相談機関が子の居所の共同親権行使に反することを幇助していると訴えられる可能性、実際訴えられるわけですね、支援措置で訴えられる。支援措置の現場の住民票など不交付措置が共同親権を理由に訴えられることが増加することが予測される。行政の被害者支援の措置は共同親権とは直接関係がなく、共同親権を理由に女性相談員や支援措置の現場が別居親から責任を問われることがないということでよろしいでしょうか、総務省。そして、これを現場に周知する必要性についてどう考えるか。現場に誤解に基づく萎縮が起きればDV避難に支障が出ることになります。通知等を出すなり徹底していただきたい。いかがでしょうか。

○政府参考人(三橋一彦君)
お答えいたします。
住民基本台帳事務におきましては、DV等の被害者の相手方が住民票の写し等の交付等を不当に利用して被害者の住所を探索することを防止するDV等支援措置を実施をしております。
本措置の実施に当たりましては、専門的知見を有する警察、配偶者暴力相談支援センターなどの相談機関から支援の必要性を確認することといたしております。
DV等を受けた申出者が子供とともに同一の住所に避難している場合に、申出者の相手方が当該申出者の住所を探索する目的で当該子供の住民票の写しの交付の申出などを行うおそれがあると認める場合には、当該子供についても支援措置を実施することとしております。
このように、現行の民法における婚姻中の共同親権の場合におきましても、申出者の相手方への住民票の写しと、写しの交付制限などのDV支援措置の措置は行われているものでございまして、今回の民法改正により離婚後に父母双方が親権者と定められた場合でも、DV等支援措置の必要性が認められる場合にはこれを実施するという基本的な考え方に変更はないものと考えております。
また、申出者の相手方が交付制限等を受ける場合につきましては、住民票の写しなどの交付決定に際して審査請求や処分の取消しの訴えが提起されることがあり得るものと考えておりますが、この場合におきましては、当該DV支援措置等が適切に運用されたか否かが問われることとなると考えております。
したがいまして、本措置の実施に当たりましては、専門的知見を有する警察等の相談機関からの意見聴取による支援の必要性の確認が重要でございまして、この点も含め、総務省といたしましては、今回の民法改正後のDV支援措置等の取扱いに関し、各自治体に対して必要な助言等を行い、制度の適正な運用に努めてまいります。

○福島みずほ君
今までと変わらないということで、通知を徹底してくださるようにお願いいたします。
文科省ですが、共同親権、別居中あるいは離婚後の共同親権の場合に、学校に例えば転校させるなとか、俺に教えろとか、学校に来て、あるいは転居先を教えろとか言うことが、よく学校現場に行くことがあります。
文科省としては、今回法律改正が仮に行われたとして、子供を守る立場から、幾ら共同親権の親が来ても、それをちゃんと子供、言わないでくれって言われたら守るということでよろしいですね。でも、学校現場は怖いんですよ、支援現場も、訴えられるから。訴えられるということに耐えられないんですよ。俺は共同親権だ、訴えてやるぞと言われると怖いんですよ。文科省、どうやって守りますか。

○政府参考人(浅野敦行君)
お答えいたします。
別居親に対する子供の個人情報の提供については、個人情報保護法等の関係法令に基づいて適切に対応する必要があります。また、学校は、被害者からDV避難について申告があった際には、情報管理を徹底することが求められます。
今般の民法改正案においては、離婚後の親権者に関する規定が見直されるものと承知しておりますが、共同親権となり離婚後に父母双方を親権者とする場合においても、御指摘がありましたように、子供の個人情報の提供については、婚姻中の父母が別居している場合における現行民法下での取扱いと基本的に変わるものではないと認識しております。
他方、学校は、父母間の協議の状況や家庭裁判所の審判等の結果等、父母間の関係について正確な情報を得られる立場にないことから、現在においても、裁判所や警察、教育委員会などの関係機関との相談や情報収集を行い、個別のケースに応じ適切に対応していると承知しております。
文部科学省といたしましては、共同親権の導入後も学校においてこれまでと同様に適切な対応が図られるよう、法務省を始めとした関係府省とも連携の上、今般の法改正の趣旨等について、教育委員会等を通じて丁寧な周知を図ってまいりたいと思います。

○福島みずほ君
男女共同参画局、DVの担当ですが、実際支援をしている現場が、訴えられるんじゃないかとか、萎縮しない、この点についての、どう対応して、どう指示を出し、どう通知を出すか、いかがですか。

○政府参考人(小八木大成君)
お答え申し上げます。
各地域においてDV被害者の相談窓口となっている配偶者暴力相談支援センター等の相談機関におきましては、相談員等がためらうことなく必要な支援を提供していく必要があると考えております。これまでも、婚姻中のDV被害者やその子に対して相談支援機関が一時保護等を含め必要な支援を提供することが行われてきたところでございまして、このようなDV被害者支援に係る業務におきまして適切に対応されている相談支援機関や相談員等の方々の支援につきましては、今般の改正後においても、例えばそれが違法であるといった判断がなされるようなものではないというふうに考えております。
また、今般の改正につきましては、DV被害者の避難や相談支援機関等による支援に支障が生ずるものではないといった説明がこれまでも法務省からなされていると承知しております。
法案が成立した際には、こうした改正の趣旨や内容につきまして正確な理解が得られ、DV被害者支援の活動に支障が生じることがないよう、法務省とも連携し、配偶者暴力相談支援センターなどに対し適切に周知してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
裁判所の体制について改めてお聞きをします。
今家庭裁判所はやっぱりとても忙しくて、弁護士に聞いても、二か月後に期日が入るとかですね、なかなか入らないんですよ。これ、実際、共同親権者同士で、子供の髪の色を染めるかどうか、いや、校則にあるから問題だというと共同親権の対象というふうに答弁していますね。子供の髪を染めるかどうかまで家庭裁判所で協議することになるわけですね。
家庭裁判所、この体制はどうなんですか。

○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君)
お答えいたします。
本法案が成立いたしまして施行ということになりますと、裁判所に期待される役割はこれまで以上に大きくなるほか、新たな裁判手続等が創設されるということになりますので、家庭裁判所に申し立てられる事件数の増加も見込まれるということについては裁判所も十分認識しているところでございます。
裁判所としましては、これまでも、適正かつ迅速な事件処理を安定的に行うために必要な人的、物的体制の整備及びこれに必要な予算の確保に努めてきたところでございます。
裁判官につきましては、例えば、平成二十五年以降は、民事訴訟事件の審理充実を図るほか、家庭裁判所、家庭事件処理の充実強化を図るために、事件処理にたけた判事の増員を継続的に行ってきたところでございます。
また、各裁判所におきましても、家事事件を担当する裁判官等を増員するなど、事件数増も見据えて、家事事件処理のために着実に家裁の体制を充実させてきたところでございます。
裁判所に期待される役割を今後とも適切に果たせるように、裁判官や調停委員、家庭裁判所調査官に対する改正法の各規定の趣旨、内容の的確な周知や研修の実施のほか、必要な人的、物的体制の整備及び予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
子供が手術をするかどうか、パスポートを取るかどうか、全部家庭裁判所に行ったら、もう本当に大変な状況になると思います。
裁判所全体の二四年度当初予算は約三千三百十億円、国家予算の僅か〇・三%を下回ります。過去最高額は二〇〇六年度の三千三百三十一億円。裁判所の予算のうち八割以上が人件費。施設整備に回せません。六百棟ある裁判所の百八十九棟で耐震不足。日弁連は、二階建て以上でエレベーターがない建物が昨年七月時点で二百四十六というふうに言っています。
また、支部で裁判官がいないところもかなりあります。福岡家裁六支部のうち四支部は裁判官が常駐していません。また、地方では、地裁と家裁と両方裁判官が兼ねるというところもあります。かくかくさようにいないんですよね、裁判官が。それでできるんですかと。
最高裁はデジタル化をとても言っています、長官も。二二年度に約七億円、二四年度は約五十六億円。しかし、デジタル化で解決するところもあるでしょうが、むしろ丁寧に話をし、両方が紛争を抱えていれば、丁寧にやっぱり調整するためには、直接会うとか実はカウンセリングとか、いろんなことが物すごく必要だと考えています。こういう状況、国家予算の〇・三%を下回る、三権分立で余りに低い。実は、私たちは裁判所を応援したいんです。この予算、駄目でしょう。そして、裁判官少な過ぎるでしょう。対応できないでしょう。期日が入らないでしょう。耐震指針も駄目でしょう。どうですか。

○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君)
裁判所といたしましては、これまでも、事件動向その他もろもろの事情を総合考慮しながら、自律的に裁判所の人的体制、物的体制の確保に努めてまいったところであり、必要な予算を確保してまいったところでございます。
今後とも、必要な予算あるいは人員の確保に努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
今日の答弁で、まさしく、いさかいとかけんかのような事情で感情的問題が発生して適時の親権行使ができない場合は急迫の事情だということを改めて確認をさせていただきました。このことをやっぱり徹底して、子供を連れて出れるんだということ、今までどおり、ということを徹底する必要があると思います。
それから、今日、大臣は、合意ができない場合は共同親権にならないだろうが、しかし、共同親権を始めから閉ざすんじゃなくて、その過程が大事だとおっしゃいました。私は、福山さんと一緒に、その過程が地獄だと思いますが、しかし、重要なことは、合意ができないことは共同親権にならない、ならないだろうということなんです。
今日は、文科省や外務省や、それから男女共同参画局に来てもらいましたが、そもそも支援措置をやっていたり、DVだと逃げている場合やいろんな場合、親権、共同親権しちゃ駄目ですよ。一方が、あの人は嫌だ、とにかく話ができない、DVはないけれども、がみがみ言われて話ができないと思ったら、やっぱりこれは共同親権できないんですよ。一方が嫌だと言っているんだったら共同親権はあり得ないと。不同意共同親権というのは実際はなくなると、ない。家庭裁判所もそういう場合、無理やり説得して共同親権に持ち込むのでなく、共同親権を認めないということで徹底したいと。
本来は、このことを明らかにするために修正すべきだということを強く申し上げ、質問を終わります。

※本議事録は未定稿です。

MENU