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2024.5.16 参議院 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

○福島みずほ君
 立憲・社民共同会派の福島みずほです。
まず初めに、先ほど森まさこ委員が質問をされたことについて私も質問させてください。
元大臣の発言は本当に極めて大きいというふうに思っています。そして、在り方検討会で弁護人の立会いなどの議論をしっかりやってほしいと、村木厚子さんも呼んでしっかりやってほしいという元大臣の訴えで、元々その刷新会議ではそのことをやるということに決めているわけですから、小泉大臣におかれましては、心からお願いです。この参議院の法務委員会は、与野党問わず、人質司法の問題を解決しようということでは一致している、改善をしていこうということでは一致していると思います。在り方協議会でやっぱり検討していただかないとやはり進まないというふうに思っております。
是非、この点については、大臣、これまでの経過から見て、在り方協議会で是非これ検討してください。いかがですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
先ほど御答弁申し上げたように、森委員がつくられた、大臣当時つくられた刷新会議、そこで出された問題意識、検討結果、取りまとめ、こういったものが今の法務行政のベースになっています。特に刑事司法の在り方については個別の問題が列記されておりますので、これに従って我々は検討を進めていかなければならない、それは先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
○福島みずほ君 それでは、この在り方協議会で弁護人の立会いを含めて議論するというふうに私は理解しましたので、それでよろしいですね。

○国務大臣(小泉龍司君)
これは、各委員、最終的にはどういうテーマを取り上げてどう検討するかは各委員の自由な御議論にお任せをしている部分がありますので、事務局で、またその事務局トップである私が断定的にこうですと、それはちょっと言いにくい部分がありますけど、しっかりとその御趣旨を体して運営に努めたいと思います。

○福島みずほ君
運営に努めたいということを重く受け止め、私たちも注視をしていきます。
というのは、森元大臣の話であれば、やっぱり議論すべきことが外されているんですよね。それはやっぱり問題でしょうと。
ですから、これちゃんとやってください。これ参議院の法務委員会も、与野党問わず、やっぱりこれは解決すべきだと、ずっと議論がありますよね。是非、私、大臣のときに人質司法、この評価は別にしても、何かやっぱり改革をしていく、全面ではなくても、よかったねと言える部分が必ず出るように、これはよろしくお願いします。
日米地位協定で、日本は捜査の段階において身柄の拘束ができません。これは、アメリカ、米軍、アメリカ大使館、いろいろ協議をしますが、言われるのは、日本は弁護人の立会いも認めていないじゃないかということなんです。日本の捜査機関に米軍を渡すわけにはいかないと言われるわけですよ。これはやっぱり問題であり、日米地位協定は私は改定すべきだと思う立場ですが、その阻む理由になっているんです。
だとしたら、これは例えば、私は弁護人の立会い、ミランダ・ルールは必要だと思いますが、せめて、望む場合、必要な場合には弁護人の立会いを認めるとかですね。今も、試験的にというか、一部やっていると聞いてもおります。
ですから、これをしっかり拡大するように、在り方協議会でしっかり議論してくださるよう、そして大臣のときに是非この人質司法の問題が前進するように、かつて森山真弓大臣は、名古屋刑務所事件が起きたときに、監獄法の改正の問題について、このまさに在り方検討会をつくり、弁護士会も、それからもちろん法務省も含めてすごい頑張って、百点満点ではないけれども、監獄法の改正をやりました。私は、それは今も監獄の改革につながっていると思っています。それは私は、森山真弓大臣が当時法務大臣の首を懸けてやっぱりそれをやったんだと思うんですね。
ですから、是非、前進があるように、これは与野党問わず思っておりましたので、よろしくお願いいたします。
では、共同親権についてお聞きをいたします。
この点について、弁護士や調停委員の方からこういう意見をもらいました。面会のときに幾らDVと主張しても、調査官はスルーというか、余り取り合ってくれない、DVの調査命令などほとんど実はないということなんですね。DVは殴るとか蹴るとか具体的なことを裁判所は割と考えている、それ以外はだから共同親権にされてしまうんじゃないかという不安です。
例えば、レシートを毎日出させて細かくチェックをするとか、お金を渡さないといった経済的DVもあります。一晩中説教するとか、正座しろと言って反省しろと言ったり、まさに反省ノートを書かされるとか、殴る、蹴るだけがDVではなくて、例えば、友達と付き合うなとか自分の実家と付き合うなとか、すごく孤立させて、ばかだ、ぶすだとか言ってすごく孤立させて、自尊心傷つけて無力化していくというのもすごくDVだと思っています。
こういうのは殴られてはいないんですよ。蹴られてもいないんですよ。でも、DVだと思うんですね。こういうのが、今の裁判実務でも、いろんなところでも軽視されている。だから心配しているんです。
大臣、いかがですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
DVに、そういう目に見えない様々な、精神的なものも含めて様々な形態があるということは非常に重要な指摘であろうと思います。むしろ、目に見えないものの方が多いかもしれないというような、多分、広がりと深さを持った深刻な現象だというふうに思います。
問題は、それを、この法務委員会から発していただいたその問題意識を、我々行政そして司法がしっかりと、立法からいただいたそういう問題意識をしっかりと受け止めて、それを現実の業務の在り方に生かしていくということだと思いますので、引き続き、粘り強く努力をしていきたいと思いますし、その努力は裁判所とも共有をしていきたいというふうに思います。

○福島みずほ君
共同親権を言っている家族法の学者の人たちの中には、もちろんその共同親権一般には私は賛成だけれど、この法案はまずい、やっぱり不十分だ、駄目だと思っているんですね。
その理由は、共同親権一般で言えば、共同親権が一般に、その賛成の人たちは、やはり共同親権が一般的になれば、離婚してもパパであり、ママであり、協力はできるんではないかということを、長い間にこの日本の社会が変わることを期待しているという気持ちは私は理解できるんです。
しかし、この法案は余りに危険なところがあるんじゃないか。つまり、実は、単独親権だろうが、共同親権だろうが、結婚中だろうが、いわゆる事実婚だろうが、離婚後だろうが、うまくいっている場合はそこそこうまくいって、別に協議が十分できるんです。ただ、最大の問題は、親権というものがまさに重要事項決定権であって、別居親がその重要事項決定に関して自分の権限だということで介入してくる。俺は認めていないぞ、私は認めていないぞ、俺はそれに反対だと常にそれで介入してくることで、支配とコントロール、まあDVもそうですが、支配とコントロールが離婚した後もその新たな家庭に常に入ってくるという、これがすさまじいストレスで、もう生きていけないという状況になるんですね。
ですから、やはり、単独親権、共同親権、やっぱり大臣の頭の中には、やっぱり単独親権ではなくて、初めから単独親権じゃなくて、共同親権の道を模索して、子供の利益のために共同親権というのは実はやめていただきたい。それは、嫌だ、できない、話ができない、だったら、もう初めから単独親権でいいんですよ。途中で面会交流などやりながら関係が改善すれば私は共同親権にすればいいと思うけれども、話すらできないのにパスポートも取れないみたいな事態、氏の変更もできない、髪の毛の染めることもできない、転居もできない、学校変わることもできない、保育園も変われない、もうこんな状況が続いたら地獄ですよ。
その点、いかがですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
まさにそういうケースにおいては、それは単独親権にしなければならないケースです。最初からそれはもう論外、除外されるべきケースであります。
また、そういうおそれがあると、おそれが今は改善されているけど過去にそういうことがあって、普通に考えてみてそのおそれが消えていないという場合も含めて、DVが関わる、虐待が関わるような事案についてはまず外す、単独親権でやる、それがまず出発点だと思います。
そうではないケースについては、話し合う、話合いの余地を求めていこう、そういうのが今回の改正の本来の趣旨でありますので、そのように御理解いただきたいと思います。

○福島みずほ君
いや、駄目なものは駄目というか、嫌な人は嫌で、愛情がなくなったり、それから高葛藤で顔も見たくない、口も聞きたくない、もう電話が掛かってくるだけで超ストレスみたいな状況は残念ながらあるんですよ。その場合に、一方が嫌だと言っても、この法案の最大の欠陥の一つは、不同意強制共同親権ができるということなんですよ。嫌だ、声も聞きたくない、電話に出るのもメールを見てもぞっとして、鳥肌が立ってじんま疹が起きるみたいな状態のときに、裁判所が、いやいやいや、話合いを、共同親権ですと言われたら、お上に本当に強制されるという意識になりますよ。
ですから、それを避けていただきたい。不同意共同親権は駄目だと思いますが、裁判所が命ずるのは。いかがですか。

○国務大臣(小泉龍司君)
それは、当事者の方がそういう主張をされ、またその事実関係を述べられれば、裁判所も当然これは共同親権にして、共同親権の共同行使、これは困難だという結論にそれはなると思います。基本的にそういう考え方でこの法律は成り立っていますので、その場合は単独親権でということです。
もう見るのも嫌、同じ部屋の空気吸うのも嫌ということで、共同親権、共同行使できませんよね。それは明らかに困難ですよね。その困難が認められれば、片方の方が共同親権でと言われても、それはもうこちらの方が、いや、それはもう絶対こういう理由で無理ですということを説得的に言っていただければ、それを無理やり職権で共同親権にするというような運用は全く想定していません。

○福島みずほ君
大臣、ありがとうございます。
問題は、だから、その大臣の答弁ですね。大臣のそれだと、一方が嫌だと言ったら、そこで無理やり共同親権、そこまで嫌と言っているんだったら共同親権になることはないですよということが実務にちゃんと反映されないといけないと思っています。ですから、大臣は誠実な方ですから、不同意共同親権、これを裁判所が強制することはありませんよということをやっぱりこの法務委員会で確認している。これが、でも実務でも本当にそうなるか。私は修正すべきだという強い意向を持っているんですが、それが反映されるようにと思います。
そして、パスポートの件もあるんですが、今日は文科省、厚労省にも来ていただいているので、ちょっとお聞きをします。
パスポートの場合は、ちょっと待ってと、急迫の事情でも認めないぞというのを事務所に出せば、もうパスポートの発行が幾ら急迫でも、一週間後に修学旅行でも出ないわけですよね。
ところで、こうなんですね、別居親が学校や病院などに先回りして、重要なことは自分の同意がない限り受け付けたり進めたりしないことと通告していた場合、これは同居親は急迫の事情として単独行使することができるのか、学校、病院等はこのようなあらかじめの通告を拒み得るのか、いかがでしょうか。

○政府参考人(竹内努君)
法務省からの答弁でよろしいでしょうか。
お答えいたします。
親権の単独行使が認められる子の利益のため急迫の事情があるときとは、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時に親権を行使することができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるような場合を指しております。
御指摘のようなケースにつきましても、今申し上げた要件に該当する限り、急迫の事情があるとして親権の単独行使が可能であると考えております。

○政府参考人(浅野敦行君)
お答えいたします。
今、法務省の方から答弁していただいたとおりでございますが、いずれにしても、文部科学省といたしましては、今般の民法改正の趣旨の理解促進が図られるよう、法務省を始めとする関係省庁と連携しながら対応してまいりたいと思います。

○福島みずほ君
対応していきたいと、文科省は今対応していきたいと言っているけれども、そうしたら、逆にこうですよね。
いや、つまり、何が事かというと、子供が単独でできる場合がある、それから単独親権でできる場合がある、しかし共同親権でやらなければならない場合がある、しかし、共同親権でやらなくちゃいけない場合でも急迫の事情があれば単独でできる。それから、転居やいろんなのは、この間の友納議員やいろんなことの答弁にあるように、学校の転居やそれから住所の変更は単独でできるという答弁なんですよ。つまり、共同親権でやるべきなんだけれども、急迫の事情がなくても、もう事後、そんなのチェックできませんから、役所はもう転居も認めるし、学校の転校も認めるということなんです。
ところが、これから議論するということであれば、私が子供と何か面会で話していて、えっ、何かお母さん引っ越すとか言っている、実家に帰ると言っているとなったら、学校に行って絶対に転校や、あるいは役所に行って転居を認めないように、だから、離婚届不受理申立てじゃないけれど、どんな届出があっても受け付けないようにといったときに困るんじゃないかと、パスポートと同じようなことが起きるんじゃないかと心配しているんです。いかがですか。

○政府参考人(浅野敦行君)
お答えいたします。
現行の民法下におきましても、各学校においては、父母間の協議の状況や家庭裁判所の審判等の結果等、父母間の関係について正確な情報を得られる立場にないことから、現在においても、裁判所や警察、教育委員会などの関係機関との相談や情報収集を行い、個別のケースに応じ適切に対応してございます。
文部科学省としては、この共同親権の導入後もこれまでと同様に適切な対応が図られるよう、法務省を始めとした関係省庁とも連携の上、今般の法改正の趣旨等について、教育委員会等を通じて丁寧な周知を行ってまいりたいと思います。

○福島みずほ君
答弁ありがとうございます。
今までと変わらないという答弁にちょっとほっとするんですが、しかし、正確な情報収集ができないからとおっしゃいましたが、別居親が絶対に転校を認めるな、絶対に転居届を認めるなとあらかじめ役所に言っていた場合、学校に言っていた場合、明確じゃないですか。パスポートと同じで、認めるなと書面が出た場合はどうするんですか。

○政府参考人(浅野敦行君)
いずれにしても、その急迫の事情に該当するかどうかも含めて、どのような法的な解釈でそのような事前の取決めを考えていくかということについても学校単独では考えられませんので、先ほど申し上げましたように、関係機関との相談や情報収集を行って、個別のケースに応じて適切に対応していただいていくものと考えております。

○福島みずほ君
それが心配なんですよ。適切というのが何なのか。
つまり、限りなくパスポート状態になる。お母さんが学校に転居届を出す、それから、転校届を出す、役所に住所の変更を申し立てる、今はオーケーなわけですよね、オーケー。ところが、夫が先回りして、いろんなところに、絶対受け付けるな、離婚届不受理申立てじゃないけど、何が来ても絶対に受け付けるなと言った場合に、やっぱりそれを考慮することになってしまうんじゃないか、パスポートのように。パスポートは、確かに、海外に行って未来永劫会えなくなるかもしれないからという配慮が実は陰にあるんじゃないかと思いますけれども、あらゆることに先回りする夫、夫か妻か分かりませんが、元夫がいたら、何一つできなくなっちゃうんですよ。何一つできなくなってしまう、単独でできることが。
ですから、これはやっぱり役所や学校は立場が弱い面もあるし、訴えてやるぞと、俺が受け付けるなと、共同親権の親権持っている自分が受け付けるなと言ったのに何で受け付けたのか、訴えてやると言われたら弱いですよね。それでも適切に対応してくださるという今日は答弁ですので、従前どおり行われるように強くお願いいたします。
済みません、厚労省もさっき手を挙げてくだすったので、お願いします。
で、文科省はこの後委員会があるということで、退席してください。委員長、お願いします。

○委員長(佐々木さやか君)
では、浅野審議官におかれては退席して結構です。

○政府参考人(宮本直樹君)
お答えいたします。
子供の利益のために急迫な事情があるときは、例えば御指摘のように一方の父母から事前に通告があるような場合であったとしても、父母の一方が単独で親権を行使ができるというふうに認識しております。
厚生労働省としては、医療機関の状況を注視し、法務省とよく相談しながら、ガイドラインの必要性についても検討しつつ、制度指針の周知に図ってまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
病院に通うとか、とても重要なことが共同親権になるためにうまくいかなくなるなんというのは本当に避けなければならないと思っています。
それで、中絶の問題です。
そもそも、例えば十六歳、十七歳で妊娠をしてしまった、本人は中絶をしたい、単独でこれは中絶ができるという理解だと思うんですが、多くの産婦人科医は、保護者欄があり、保護者、一名ですけれども、署名をする、あるいは判こまで要求しているようなところもあります。これ、今までどおりでいいんですか。
でも、これって共同親権の対象に、中絶についての同意というのは共同親権の対象なんでしょうか。その場合、多くの今産婦人科医の窓口で行われている保護者一名、スマホの買うなんていうのも保護者一名というところで大体なっておりますが、それで変わらないということでよろしいんですか。

○政府参考人(野村知司君)
医療の契約という観点のお答えは先ほど厚生労働省からあったとおりでございますけれども、人工妊娠中絶といいますのは母体保護法で規定をされておりますけど、この母体保護法上は、指定医師は本人及び配偶者の同意を得た上で人工妊娠中絶を行うことができるとされております。この規定の運用上は、これらの者、つまり本人及び配偶者でございますけど、が未成年であってもこの同意を行うことができるものとして運用しているところでございます。

○福島みずほ君
そうすると、一方の、これまた別居親が、何か娘が妊娠したようだと、で、あそこの病院だと、絶対に中絶を認めるなという書面を出したり、言ってきたらどうなるんですか。

○政府参考人(野村知司君)
お答え申し上げます。
母体保護法上の、母体保護法の規定上は十四条で本人及び配偶者の同意というふうに書いてございますので、この規定の趣旨にのっとって対処していただくということになろうかと思います。

○福島みずほ君
確かに母体保護法は本人又は配偶者の同意ですから、十八歳だろうが、十五だろうが十四だろうが十三だろうが、これは単独でできるということでいいわけですよね。分かりました。ということで、子供ができると。
ただ、恐れているのは、なぜこんな質問するかというと、現場では、やっぱり訴訟リスクを考えて、とにかくたくさん同意を取るというふうになってしまうんじゃないか、あるいは、共同親権の一方の当事者が病院にあらかじめクレームを付けたり止めろと言っていたら、それでいろんな医療行為がストップするんじゃないかという危惧です。
でも、今日、中絶に関してはこども家庭庁の側から、子供、本人又は配偶者の同意ですから、これをクリアすればいいので、基本的に共同親権者の一方がそれにクレームを付けることはできないということで理解をいたしました。
それでよいということですね。

○政府参考人(野村知司君)
母体保護法の解釈上はそうなっております。

○福島みずほ君
かくかくさようにいろんな点で問題が起こり得るというふうにも思っているので、いろんなことが、本当に子供の人生がとても、修学旅行に行けないとか中絶ができなくなるとかいうことが起きないようにお願いします。
同居親の単独行使に係る日常行為と別居親のそれの範囲はどう違うんでしょうか。それは監護者の定めの有無で変わるのでしょうか。

○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
本改正案では、父母双方が親権者である場合でありましても、監護又は教育に関する日常の行為をするときは親権の単独行使が可能であることを定めております。
別居親におきましても、例えば親子交流の機会に子の世話をすることはあり得るところでありまして、日常の行為の範囲は同居親と別居親で異なるものではありません。
本改正案では、監護者が定められた場合、当該監護者は、急迫の事情や日常の行為に当たるか否かにかかわらず、単独で子の監護及び教育をすることができることとしております。そして、監護者が定められている場合におきましては、監護者でない親権者は、監護及び教育に関する日常の行為については単独で親権を行使することができるものの、それが監護者の行為と抵触するときには監護者の行為が優先することになります。

○福島みずほ君
四月二十五日の友納委員への答弁では、同一学区内の転居でも日常行為に当たらないというふうにされました。
確認ですが、居所指定権について、監護者が指定されている場合は当該監護者が単独で行使できる、転居に他方の共同親権者の同意を要しないということでよろしいんでしょうか。

○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、監護者が定められた場合には、監護者は、例えば個別の事案において、子の居所の指定などが日常の行為に当たらなくても単独でそれを行うことができます。

○福島みずほ君
四月二十三日の衆議院の法務委員会では、子供の髪型、髪色の決定も、場合によっては日常行為にはならないとされました。衆議院の附帯決議で求められたガイドラインを作ったとしても、日常生活のあらゆることについて事細かに場合分けするようなものはできない、なおグレーゾーンが残るというふうに思います。
そもそもガイドラインをまとめることも難しいんじゃないですか。

○政府参考人(竹内努君)
衆議院の法務委員会におきまして、親権の単独行使の対象となる急迫の事情、監護及び教育に関する日常の行為等の概念については、その意義及び具体的な類型等をガイドライン等により明らかにすることとの附帯決議がされたところでございます。
この周知、広報の具体的な内容につきましては、御指摘の附帯決議の趣旨も踏まえまして、子の利益が確保されるよう、関係府省庁と連携して適切に検討してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
髪の毛を染めるのは、校則に髪の毛を染めてはならないとなっていたら退学になる可能性があるから、その場合は共同親権でやらなくちゃいけない。ただ、髪を染めるのは通常は日常行為。細かいんですよ。じゃ、退学になるかどうかの可能性って学校によっても違うじゃないですか。もう本当に、本当に気が合わなかったら、もう子供も何も決められない、むしろ共同親権を決めていることが子供の利益に明確に害すると、日常生活、学校生活を送れないということにもなりかねないと思っています。
そこで、先ほど牧山委員が、理事が濫訴のことを言いました。私は、家庭裁判所も忙しいのに、子供の髪の毛の色を染めるかどうかとか、じゃ、隣の学区内に引っ越すかどうかも含めて家庭裁判所で決定するというのは、本当にこれはいいのかと思っています。むしろ、こういうことすら協議できないとしたら、共同親権にふさわしくないんですよ。子供の髪の毛を染めるかどうかとか修学旅行に行くかどうかも含めて決められないような場合は、共同親権は合わないんですよ。合わないんだったらもうやめるべきだと思っていますし、むしろ、こういうことで家庭裁判所に別居親が、訴えてやる、訴えてやる、訴えてやる、訴えてやるって訴えてくるようなのは、もう悪いけど親権者として不適格、あなたは親権者として停止ぐらい、さっきのパスポートのケースの場合は親権停止の審判が出ているということなんですけれども、そもそも、濫訴防止ということであれば、このように、まあささいではないけど、この髪の毛の色はささいではないけれども、そういうことまで家庭裁判所に訴えてくるということそのものが共同親権としてもうやっていられないというふうに思いますが、いかがですか。

○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
本改正案におきましては、父母の合意がないことのみをもって父母双方を親権者とすることを一律に許さないのはかえって子の利益に反する結果となりかねないというふうには考えておりますが、父母の感情的な対立が激しいために共同して親権を行使することが困難であるというふうに認められる際には八百十九条七項の二号の要件に当てはまるというふうに考えますので、仮にそのような事実が認められるとすれば、必ず単独親権にしなければならない場合であると考えます。

○福島みずほ君
是非お願いします。
これは、結婚中も共同親権ですから、別居中も問題になり得ると。だから、関係が悪化してきた場合やDV状況で、一方の当事者がガイドライン違反で訴えられるとか、離婚に際して急迫の事情を、本当に争いになって子供を連れて出たことがガイドライン違反かどうか、物すごく不利な事情として主張されることがあり得るというふうに思っています。
そうすると、このガイドラインにびくびくびくびくして、これに反しないようにとなって余計何か子育てがうまくいかないというか、配偶者管理マニュアル化しかねないと、このような危険性についてはどう思われますか。

○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
本改正案では、親権行使のルールを整理するとともに、子に関する権利の行使に関し、父母が互いに人格を尊重し協力しなければならないとしております。
本改正案の趣旨、内容が正しく理解され、御指摘のような危険が生じることのないよう、周知、広報の具体的な在り方につきましては、衆議院法務委員会における附帯決議の趣旨も踏まえまして、子の利益が確保されるよう関係府省庁と連携して適切に検討してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
共同養育計画なんですが、外国で結構細かく規定しているというのは理解しています。ただ、子供も成長するし、サッカーの試合があるとか部活をやっているとか習い事しているとか、子供も今日びの子供は忙しいわけですよね。その場合に、がちがちに、夏休みはお父さんのところに何日間行くべしとかあると、子供の生活、人生そのものが物すごく拘束されるという危険性があります。
また、親講座、親ガイダンスも、私は重要なこともあり得ると思うんですが、一方で、我慢しなさいとか、子供のためにやっぱり共同親権がいいですよみたいな形である種の家族像を押し付けられるというふうな危険性もあると思います。その点についていかがでしょうか。

○政府参考人(竹内努君)
お答えいたします。
法務省におきましては、法学者や心理学者の協力を得まして、離婚後養育講座の調査研究を実施してきたところでございます。この調査研究におきましては、協力いただいた研究者等から、DVやハラスメント等のある事案については講座の内容が必ずしも当てはまらないケースもあり、個別具体的な事情に即した対応がより重要であるとの指摘もされたところでございます。
こうした指摘も踏まえまして、引き続き、適切な養育講座の在り方について関係府省庁や地方自治体等と連携して検討したいと考えております。

○福島みずほ君
この参議院の法務委員会の中において、それぞれ大臣含め非常に答弁していただいて、実は条文とずれている、急迫の事情や不同意共同親権強制できるという条文と違う面やいろんなところが出てきていると思います。それを周知徹底する必要もあるし、本来はきちっと修正すべきだと思いますし、まだまだ議論が必要だと思います。
質問終わります。

※本議事録は未定稿です。

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