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2024.6.5 地方創生およびデジタル社会の形成等に関する特別委員会 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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○福島みずほ君
立憲・社民共同会派、社民党の福島みずほです。
本日、本会議で地方自治法の改正法案が審議入りをしました。で、地方デジタルのこの特別委員会でも、この地方自治法の改正法案、とても重要で、私は問題ありと思っているので、質問をさせていただきます。
まず、そもそも、立法事実って、あるんでしょうか。どのような事態を想定した立法なのでしょうか。

○大臣政務官(船橋利実君)
立法事実に関してのお尋ねでございましたけれども、ダイヤモンド・プリンセス号の対応についてお話をさせていただきたいと思いますけれども、このときに、委員も当時の様子を御記憶にあろうかと思いますが、入院を必要とされる患者の搬送、移送につきまして、都道府県の区域を越えた対応というものが必要になってございました。困難な状況の中で、関係者から協力をいただきながら、国がその調整の役割を果たしてきております。
当時の感染症法では、保健所設置団体が行う入院調整あるいは入院患者の移送については国が広域的な調整の役割を担うことが想定されていなかったという課題がございましたので、国が果たすべき役割を明確化するため、感染症法については必要な改正が行われたというふうに承知をしてございます。
このように、過去の感染症や災害への対応を踏まえ個別法の見直しというものが重ねられておりますが、これまでの経験を踏まえますと、今後も個別法において想定されていない事態は生じ得るというものでございまして、そうした事態に備えておく必要がございます。このことが本改正案の立法事実であると考えてございます。

○福島みずほ君
二〇〇〇年施行の地方分権改革で、国が指示を出す場合は、具体的に個別法を作り、包括的な指示はしないことになりました。そのことに明確に反しています。
一点のみをもって、今の政務官の説明で、まさに指示が、予想外のことが起きたということを理由に閣議決定のみで国会の関与なく指示ができるというのは、まさに日本国憲法が規定する地方自治の本旨を踏みにじるものであり、二〇〇〇年の地方分権改革に反するものではないですか。

○政府参考人(三橋一彦君)
補充的な指示についてのお尋ねでございますけれども、私ども、補充的な指示は、災害対策基本法や新型インフルエンザ特措法などを参考に、国が事態の規模、態様等を勘案して、特に必要があると認めるときに、また国民の生命等の保護を的確、迅速に実施するために講ずべき措置に関し、個別法に基づく指示ができない場合に限って必要な限度で行使されるものというふうに考えております。また、その手続につきましては、あらかじめ地方団体に対しまして資料、意見の提出の求め等適切な措置を講ずるよう努めなければならないというふうにしておるところでございます。また、各大臣が閣議決定を経るというふうにしている手続を設けております。
こうして限定的な要件、適正な手続の下で行使されるものということでございますので、私ども、地方分権改革の原則にのっとった措置、規定として制度を構築しているものでございます。

○福島みずほ君
いや、全く間違っていると思います。先ほど政務官は、搬送できなかったことを理由に、個別的指示、政府が指示ができなかったことが問題だとおっしゃいました。それは、調整すればいい、あるいは要望すればいい、あるいは自治体にそのことを、始めればいいわけであって、私は、搬送はもちろん重要だけれど、これぐらいの、これぐらいと言ったら悪いですが、これを理由に一般的指示、まさに補充的指示、政府がまさに自治体に対して指示ができるというふうにするのは、これからしょっちゅう、じゃ、こういうことが起きる可能性があるじゃないですか。
迅速に法律を作るとか、あるいは現場で調整するとか可能であるのに、何で地方自治の本旨を踏みにじることをやるんですか。

○政府参考人(三橋一彦君)
先ほど申しましたように、私ども、これは第三十三次地方制度調査会の答申に基づきまして、この中で様々な議論をさせていただきました。今政務官から御説明申し上げましたとおり、保健所設置団体が行う入院調整、入院患者の移送について国が広域的な調整の役割を担うことは想定されていなかったという課題があったことから、国が果たすべき役割を明確化するため、感染症法について必要な改正が行われたものと承知をしております。
このように、過去の感染症や災害への対応を踏まえまして個別法の見直しは重ねられておりますけれども、これまでの経験を踏まえますと、今後も個別法において想定されていない事態は生じるものであるというふうに考えております。そうした場合に備えておく必要があるという形で今回御答申をいただきまして制度化をしたというものでございます。

○福島みずほ君
自治体と国は対等です。あなたと私は対等です。なぜ予想外のことが起きたとして私に指示ができるんですか。

○政府参考人(三橋一彦君)
お答えいたします。
地方自治法は、地方自治の本旨に基づきまして国と地方自治体の間の基本法制を定めております。地方自治法の中で、関与の法定主義あるいは関与の基本原則のほか、一定のものについて関与の一般的な根拠規定を設けております。
その中で、補充的な指示は、地方分権一括法で構築されました国と地方の関係の基本原則にのっとって規定しているものでございます。地方自治法の基本的な考え方を変更するというものではございません。

○福島みずほ君
これは、やはり地方分権、そして日本国憲法の地方自治の本旨を踏みにじるものだと思います。
それは、この間のコロナや様々な点において総括をきっちりやって、そしてどのような法律が必要か。個別法でやればいいことじゃないですか。なぜ問題にするのか。個別的なことではないんですよ。法律の根拠がないのに、個別法に基づいて指示をするのではないんですよ。一般的に、予定外のことで、想定外のことで政府が指示をする。しかも、これ国会の関与がありません。閣議決定だけでやれるんですよ。国会は何も意見言えないじゃないですか。政府は間違うことだってある。それのチェックができないんですよ。だから、これは本当に問題で、撤回すべき、あるいは成立させるべきではない法案だと思います。
災害、感染症、武力攻撃事態、戦争、いろいろあると思いますが、今日、本会議で岸真紀子さんも質問されました。戦争、有事、武力攻撃事態において予想外のことがたくさん起きるかもしれません。そのときに政府は自治体に対して指示ができるということでしょうか。

○政府参考人(三橋一彦君)
本改正案の国民の生命、財産等を保護するために必要な的確、迅速な措置を行うという事態につきまして、どのように、具体的な事態が該当するのかということにつきましては、特定の事態の類型を念頭に置いたものではございませんが、必要、実際に生じた事態の規模や態様に照らしましてその該当性が判断されるものでございます。
その上で、本法案の補充的な指示は、このような事態において個別法の指示が行使できない場合に限って行使されるものであるというふうに考えております。事態対処法で定められております武力攻撃事態等への対応に対しましては、想定される事態につきまして事態対処法制において必要な規定が設けられており、事態対処法制に基づき対応する考えであるというふうに理解をしております。

○福島みずほ君
理解できません。
武力攻撃事態においては、武力攻撃事態法にきちっと法律があるから新たな想定外のことは起きらず、指示は要らない。だけど、感染症や災害については、それぞれ法律があり、災害対策基本法や災害救助法やいろいろあって、何度も災害やインフルエンザ感染症を経験しているのに、いや、まだ予想外のことが起きるという、その説明はないですよ。
武力攻撃事態が起きたときに、絶対に国は自治体に対して今の法律が規定している以上の指示権行使しないと断言できますか。

○政府参考人(三橋一彦君)
繰り返しになりますけれども、具体的に、この国民の安全に重大な影響を及ぼす事態について具体的にどのような事態が該当するかは、特定の事態の類型を念頭に置いたものではなくて、実際に生じた事態の規模や態様等に照らしてその該当性が判断されるものでございます。
その上で、本法案の補充的な指示は、このような事態において個別法の指示が行使できない場合に限って行使されるものでございます。事態対処法で定められております武力攻撃事態等への対応につきましては、想定される事態につきまして事態対処法制において必要な規定が設けられておるところでございますので、事態対処法制に基づき対応される、対応する考えであるというふうに理解をしております。

○福島みずほ君
有事、戦争、武力攻撃事態において、絶対に国が指示権を行使しないということでよろしいんですね。イエスかノーかで答えてください。

○政府参考人(三橋一彦君)
具体的にどのような事態が該当するのかという点につきましては、特定の事態を、類型を念頭に置いたものでは本規定ございません。実際に生じた事態の規模や態様に照らしましてその該当性が判断されるというものでございます。
その上で、本件の補充的指示につきましては、このような事態について個別法の指示が行使できない場合に限って行使されるものであるということでございます。

○福島みずほ君
答弁変わりましたよ。今までは、武力攻撃事態については法律が全て書いてあるので指示をしないとおっしゃったんです。感染症やそれから災害はなぜか指示ができるという、含み、というふうに答弁されていますよね。だから確認したんです。戦争、有事、武力攻撃事態で指示を政府は自治体にしないということでよろしいんですね。

○政府参考人(三橋一彦君)
あくまでも今回の補充的な指示は、このような事態において個別法の指示が行使できない場合に限って行使されるものということでございます。
事態対処法で定められております武力攻撃事態等への対応につきましては、想定される事態につきまして事態対処法制において必要な規定が設けられておりまして、事態対処法制に基づき対応する考えであるというふうに理解をしております。本改正案に基づく補充的な指示を行使することは想定されていないものと理解をしております。

○福島みずほ君
何度も何度も確認します。では、戦争、武力攻撃事態、有事になったときに政府は自治体に対して指示をしないということでよろしいですね。改めてお聞きします。指示はしないということでよろしいですね。

○政府参考人(三橋一彦君)
繰り返しになりますけれども、事態対処法制で、今回の国民の安全に重大な事態、影響を及ぼす事態について具体的にどのような事態が該当するかということにつきましては、特定の事態の類型を念頭に置いているものではございません。事態に、実際に生じた事態の規模や態様等に照らしましてその該当性が判断されるというものでございます。
その上で、本法案の補充的な指示は、このような事態において個別法の指示が行使できない場合に限って行使されるというものでございます。事態対処法で定められている武力攻撃事態への対処、対応に対しましては、想定される事態につきまして事態対処法制において必要な規定が設けられており、事態対処法制に基づいて対応するという考えであると理解しております。また、本改正案に基づく補充的な指示を行使することは想定されていないものと理解をしております。

○福島みずほ君
想定されていない。つまり、今日答弁で、武力攻撃事態、戦争、有事において政府は自治体を指示をしないというふうに政府は答弁をされました。これは指示をしないという答弁です。もうこれは確定していますので、確定というか、もし変更があったらですが、今日指示をしないとはっきりとおっしゃったので、未来永劫指示をしないものというふうに国会は理解をいたします。
ただ、変ですよね。武力攻撃事態は十分だから指示はしない、でも、感染症法や災害救助法は指示をするかもしれないという、それ分からないんですよ。政府と自治体は対等です。でも、政府は私に、私、自治体とすると、政府は私に指示をします、何の指示をするんですか、それは想定外だから分かりませんと言われて、私は、はい、分かりましたとは言えないでしょう。対等だったら指示をするなですよ。個別法なくして指示をするなというのが地方分権の考え方です。だから、この法律は根本的に間違っていると思います。
今回の法律案は、緊急時において、自民党日本国憲法改正草案は、緊急事態条項において、国は地方公共団体の長に対して指示ができるとしています。構図が地方公共団体に対して指示ができるという点で同じなんですが、これ緊急事態条項との関係はありますか。

○政府参考人(三橋一彦君)
お尋ねは憲法改正の議論の中の緊急事態条項との関係ということだというふうに理解いたしますが、国会におきましては、憲法改正に関する議論として、緊急事態対応としての議員任期の延長や国民の権利制限等を定めることができるとする、いわゆる緊急政令などの議論が行われていると承知をしております。
他方、本改正案は、個別法の規定では想定されない事態において、国民の生命等の保護を的確、迅速に実施するための国と地方の関係等の特例を、地方分権一括法で構築された基本原則の下、地方自治法に定めようとするものでございます。また、国民の権利を制限し、義務を課する措置など、法律の根拠を必要とする事務につきましては、これらの根拠がない場合には指示をすることができないものでございます。このため、緊急政令等の憲法改正に関する議論と関係するとの御指摘は当たらないと考えております。

○福島みずほ君
当たらないということでした。
ただ、自民党日本国憲法改正草案の緊急事態条項は、国は地方公共団体の長に対して指示ができるとしています。そして、今回の地方自治法改正法案、まあ改悪法案とあえて言わさせていただきますと、政府は地方に対して、個別法によらず、緊急、緊急も入っていないですね、国民の、まさに国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における場合に指示ができるとあるので、構造的には一緒です。だから、同じように、やはり地方分権、地方自治の本旨を踏みにじるという欠点があるというふうに考えます。
二百五十二条の二十六の五ですが、各大臣の指示権発動は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合に、重大な影響を及ぼす事態に関する状況を勘案して、特に必要があると認めるときとの要件は、極めて広く、かつ曖昧です。このような規定では、国側は容易にこの事件、要件に当たると判断して指示権を行使することができるのではないですか。

○政府参考人(三橋一彦君)
先ほどの答弁と重なる部分はあるかもしれませんが、災害対策基本法、この補充的な指示は、災害対策基本法や新型インフルエンザ特措法などを参考に、国が事態の規模、態様等を勘案し、特に必要があると認めるときに、国民の生命等の保護を的確、迅速に実施するために講ずべき措置に関し、個別法に基づく指示ができない場合に限って必要な限度で行使されるものとしております。
また、その手続につきましては、あらかじめ地方公共団体に対しまして資料、意見提出の求め等の適切な措置を講ずるよう努めなければならないというふうにしておりまして、また、各大臣が閣議決定を経ることとしております。
こうした限定的な要件、また適正な手続の下で行使されるものでございまして、国側は容易にこの要件に当たると判断して指示権を行使することができるとの御指摘は当たらないものというふうに考えております。

○福島みずほ君
緊急性がある場合のみ個別法で定める規定だったのが、今回の法案では、緊急の必要という文言はありません。要件を緩めています。なぜですか。

○政府参考人(三橋一彦君)
災害対策基本法や新型インフルエンザ特措法では、大規模な災害や感染症の蔓延から国民の生命等を保護するという立法趣旨から、的確かつ迅速に実施するため、特に必要があると認めるときという要件を規定しているというふうに認識をしております。
本改正案の補充的な指示につきましては、大規模な災害や感染症蔓延と、その他その被害の程度において類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に対応するための様々な国民の生命等の保護の措置の実施を確保するものでありますことから、同様に緊急にという要件ではなく、措置の的確かつ迅速な実施を確保するため特に必要があるときと認めるときという要件とする必要があると考えております。

○福島みずほ君
東日本大震災のときには、各自治体はむしろ自分たちに権限をくれと言いました。国に権限がない、指示がないから困ったという話は一切聞いておりません。指示権については否定的です。
そして、当時、議員立法、閣法含め、立法を国会は精力的に行いました。緊急であれば、というか、必要があれば国会はそれは作ると思います。こういう形で政府が勝手に指示、勝手にというか、閣議決定だけで指示権行使することは問題だと考えます。
これは、国会の報告ありますが、そもそも国会への事前承認は緊急性に支障があるとして、なぜかここでは緊急性が出てきていますが、国会の事前承認は緊急性に支障があるとして国会の関与を認めておりません。問題ではないですか。

○大臣政務官(船橋利実君)
お答えいたします。
国会の事前承認を法律で義務付けをすることにつきましては、地方制度調査会の審議におきまして、既存の危機管理法制では個々の権限行使に際して義務付けることとはされていない、自治体への個別の権限行使の都度、義務付けすることは機動性に欠けるのではないかといった議論がされていることを踏まえまして、答申には盛り込まれなかったものと承知をしてございます。これを踏まえまして、本改正案におきましては、国会の事前承認の規定は設けてございません。
なお、衆議院における修正により国会報告が盛り込まれておりまして、これは、国会における適切な検証と個別法の制定や改正に関する議論につなげていくことを目指しているというふうに承知をしております。

○福島みずほ君
政府が自治体に指示をするのに緊急性は要件としていません。なのに、それなのにもかかわらず、国会へは、緊急性が必要だからと、国会の承認を要求していないんですよ。これは問題ではないですか。何でもかんでも閣議決定でやれると思ったら、大間違いだ。しかも、個別法でやるべきことを、個別法も作らずに勝手に指示ができる。しかも、今、予測できないんですよ。何を指示するんですか、それは想定外ですから答えられません。一切分からないんですよ。私たちは白紙委任するんですよ。白紙委任することになっちゃうわけです。国会の承認がなく閣議決定で何でもできるとすることは、この法律の欠陥であり、大問題だと思います。
そして、三項は、市町村に対する指示は、都道府県知事その他の都道府県の執行機関を通じてすることができると規定しています。この条項により、文科大臣は、都道府県知事を介することなく、都道府県教育委員会を通じて小中学校を所管する市町村に休校の指示をすることができることになります。しかし、地方自治法は、国の行政組織が分担管理原則を採用しているのと異なり、都道府県知事に総合調整権、地方自治法百三十八の三、百八十の四などを認めており、文科大臣が知事を介さず都道府県教育委員会に直接指示をすることは、地方自治法の行政組織原理と矛盾するばかりか、それを壊すものではないでしょうか。
大臣から首長以外の執行機関に直接関与をすることは地方自治の基本原則を侵害すると思いますが、いかがですか。

○政府参考人(三橋一彦君)
お答えいたします。
補充的な指示につきましては、地方制度調査会の答申を踏まえまして、様々な事態に迅速かつ柔軟に対応できるよう、国の市町村に対する指示は直接行うことができるとともに、都道府県を経由して行うことも可能としております。その際には、委員御指摘の、委員が御質問ありましたとおり、都道府県知事その他の執行機関を通じてすることができるとしておりますが、これは当該市町村の事務処理の実態を最もよく把握し得る立場にある都道府県の執行機関を経由することができるようにしたものでございます。
例えば、現在の地方自治法におきましても、国が市町村の教育委員会の担任する事務について是正の要求や指示を行う場合には、文部科学大臣が都道府県教育委員会に対しましてこれらを行うよう指示することができるものとされております。
なお、都道府県知事の総合調整権は、都道府県全体として均衡を保持するために、長に、内部管理事務を合理化することができるように、組織、事務局等に属する職員の定数又は職員の身分の取扱い、予算の執行、財産管理等の財務に関し付与されているものでございまして、各執行機関たる委員会の権限の内容まで立ち入るものでないと解されていることから、補充的な指示を都道府県知事を介さずに都道府県教育委員会を経由して行うことが地方自治法の都道府県知事の総合調整権に矛盾するものとは考えていないところでございます。

○福島みずほ君
都道府県知事を介さずに教育委員会に直接言えるとか、あるいは市町村に都道府県を通じずにやることができるようになるとか、極めて地方自治の点から問題だと思います。
地方公共団体との意見交換、地方六団体の協議なんですが、これまさに、令和六年一月二十六日及び二月五日に地方六団体に対して情報提供を行っていますと事務所に回答いただきました。しかし、情報提供は意見交換、協議とは異なります。
今、様々な首長や地方自治体、地方議員の人たちからもそうです、この法案に対して疑義が出たり、反対などの意見書も出ています。それを国はしっかり考えるべきではないでしょうか。
まさに、例えば災害や感染症蔓延の場合、国には指示する能力がないと思います。情報が直ちに入り、的確な対応ができるのは現地に近い市町村であり、国は予算、人物でバックアップする役割を果たすべきではないかと思います。首長は現場で被災者に対応する必要があり、見直すべきは、国の権限を強化するのではなく、国による予算を含めた柔軟なサポート体制の構築だと考えます。
地方自治の本旨を踏みにじるこのような地方自治法の改悪法案、極めて問題です。今後も是非質問を続けたいと思いますし、本当に、対等なのに、なぜ想定外といって指示ができるのか、全く理解できません。
今日、武力攻撃事態、有事、戦争のときには指示をしないとおっしゃったので、それは守られるように、ほかのところも、何かいろいろなことを考えて、必要な法律改正は個別法でしっかりやるべきだということを申し上げます。
次に、沖縄、南西諸島における避難についてお聞きをいたします。
武力攻撃予測事態における南西諸島の人たち十二万人、これは六日間、フル六日間で、船、飛行機でまさに避難をするというふうにしています。石垣、宮古を中心ですが、しかし奄美大島やほかのところは入っていないですね。それから、沖縄本島百二十万、百四十万とも言われますが、この人たちは島外避難はありません。一方は島外避難、一方は島外避難が一切ない、これは人口の差ですか。

○政府参考人(門前浩司君)
お答えいたします。
現在の先島諸島の住民避難の検討は、先島五市町村の意向などを踏まえ、沖縄県において検討が開始されたものでございます。
国といたしましても、離島避難の困難性に鑑み、万が一の際に住民の避難をできるだけ早く実施するためには平素から関係機関が連携して必要な検討を進めることが重要と認識しており、沖縄県とも協議をし、沖縄県の検討に参加することといたしました。
先島諸島は沖縄本島や本土から遠距離にある離島であり、輸送手段の確保など避難の困難性が高いと考えられることから、沖縄県、先島市町村と協議をし、まずは先島諸島の避難について検討することとなったものであります。
沖縄県におきましても、まずは先島諸島の避難について検討し、その成果を踏まえて沖縄本島を含む沖縄県全体の避難の在り方を検討していく必要があると認識しておられると承知をしておりまして、今後の進め方については沖縄県とよく相談したいと考えております。

○福島みずほ君
この避難はよく理解ができないんです。
沖縄本島百二十万から、観光客入れれば百四十万ぐらいかもしれない。そして、勝連に地対艦ミサイルが搬入されるなど、様々進んでいます。先島だけが問題ではない。しかも、奄美大島、それから馬毛島、屋久島、種子島、全部行きましたけれども、まさに馬毛島は軍事要塞化が進められ、種子島にも自衛隊が、隊員が住むとか、軍事要塞化も進んでいますし、進んでいます。
だから理解ができないんですよ。なぜ先島の一部だけの避難なのか。沖縄本島だって戦火にまみれることは望みませんが、まさに地対艦ミサイルだってもう搬入をされている。これは、私は人口の差じゃないかと実は思っています。
というのは、六日間で飛行機か船でやる。飛行機は民間機を動員して五十七機、百三便です。ですから、十倍の人口でやるとすると、日本全国から五百七十機、六百機ぐらい民間機を引っぺがして連れてこないといけないんですね。それは実際はできないからこういうふうに小規模でやっているというか、避難がこのように一部でしかやっていないんじゃないかと思います。
実は、何が言いたいか。水戸地裁は、東海第二原発に関して、三十キロ圏内の百万人に関する避難計画ができていない、あるいはできないことを理由に、東海第二原発の稼働を認めませんでした。原発の避難についていつも思いますが、避難ができないんです。同じように、戦争になったときの避難というのはできないというふうに思っています。
では、先島諸島から六日間掛けて、全部でですね、船か飛行機で移動すると。そのときに武力攻撃事態になったらどうするんですか。武力攻撃予測事態で避難を始める。武力攻撃事態になったらもうそれは戦争ですから、民間機で動くなんということはできません。途中で武力攻撃事態になったらどうするんですか。

○政府参考人(門前浩司君)
お答えいたします。
避難中の安全の確保は極めて重要であり、国民保護法第二十二条におきましては、国は指定公共機関等が実施する国民保護措置について安全の確保に配慮しなければならないこととされております。また、国民保護基本指針におきましては、海上保安庁が船舶及び航空機による巡視艦、警戒を行い、海上における安全の確保に努めるものとされております。
御質問の避難の途中に武力攻撃事態に認定された場合には、万が一にも航行中の船舶等に危険が及ぶことがないよう、安全の確保に十分に配慮することとなります。具体的には、国から武力攻撃の状況その他必要な情報の提供を行うほか、緊急時の連絡及び応援の態勢を確立する等でございます。
いずれにいたしましても、少なくとも我が国に対する武力攻撃が予測される事態と評価される状況であれば速やかに武力攻撃予測事態を認定し、避難を迅速に実施することが重要であると認識しております。

○福島みずほ君
しかし、全部で、フルで六日間掛けるんですよ。対馬丸記念館、対馬丸は、戦時中ですが、疎開船が撃沈されて、たくさんの子供が亡くなってしまうということを沖縄の人たちは経験をしているので、まさに、じゃ、船で六日間、全部で、まあ二日かもしれませんが、掛けてですね、船や飛行機で行くと言われても大丈夫かと。
内閣府にお聞きします。
二〇二二年十二月二十四日、琉球新報、沖縄タイムズにアメリカの作戦が載りました。まさに、島々を転戦しながら撃って逃げ、撃って逃げ、撃って逃げ、極めて少人数で転戦をしていくというものです。立ち止まっていたら撃たれますから、撃って逃げ、撃って逃げ、撃って逃げとやるわけですね。
それを見た沖縄の人たちは、また自分たちの島が、自分たちのところが戦場になると、ここが戦場になると、すさまじい危機感を持っています。ですから、ちょっと冒頭の質問に戻るんですが、宮古、石垣を中心に十二万人だけの避難と言えるんだろうか。いや、南西諸島、沖縄本島も戦火にまみれるという、これは米軍の作戦じゃないですか。どうなんですか。

○政府参考人(門前浩司君)
繰り返しの御答弁になって恐縮でございますけれども、沖縄県におきましては、まずは先島諸島の避難について検討し、その成果も踏まえて沖縄本島を含む県全体の避難の在り方を検討していく必要があると認識されておられると承知をしておりまして、今後の進め方については沖縄県とよく相談したいと考えております。
なお、沖縄本島につきましては、島外避難は必要なく、屋内避難で足りると結論付けたものではございませんで、訓練上の検討事項として、まずは沖縄本島や本土から遠距離にある先島諸島からの広域避難について検討することとしたものでございます。

○福島みずほ君
宮古、石垣からでは五十七機、百三便を動かすわけですね、民間機だけで。沖縄本島はこの十倍以上要ると。飛行機、船の調達だってできないですよ。実は避難はできないというふうに思います。
例えば、避難時の家畜の問題です。与那国もどこも牛を飼っている、ヤギ飼っている、そして豚を飼っている。避難となると、与那国などだと、手回品、荷物一個持って飛行機に乗れというのが避難です。牛、どうするんですか。

○政府参考人(関村静雄君)
お答えします。
令和五年度に行われました沖縄県国民保護訓練の際に、一部の自治体において、住民と円滑な避難のために家畜の扱いを議論する中で、現実的に家畜を島外に避難させることは難しい、放牧してはどうかとの意見が寄せられたと承知しております。
今後、避難要領を具体化するに当たって、このような意向を尊重しながら、水や草があり、囲いのある場所を事前に選定し、そこへの家畜の輸送手順をあらかじめ明らかにする等、自治体の状況に応じまして検討を進める必要があると考えております。
このため、令和六年の訓練においては、各自治体の求めに応じて、過去の災害対応の経験も踏まえつつ、農林水産省として技術的助言をしてまいります。

○福島みずほ君
牛、豚、ヤギ、どうするのか。東日本大震災で、福島で牛を飼っていた人たちは、原発震災で牛を置いていかなくちゃいけなくて、もう本当に身を切るような思いで、要するに牛を置いていかなくちゃいけなかったわけですね。今ので、水があるところに避難、ちょっと置いていたけれど、結局連れていけないわけですよ。戦場になるかもしれない、人間は避難する、でも、牛、豚、ヤギ、というか飼っていたとしても、それは放置して、放置じゃないけれども、行かなくちゃいけないと。大変ですよ。物すごく大変ですよ。
荷物一個持って飛行機に乗れと言われる。与那国の人たちは、自衛隊が、いろんな人いらっしゃいますが、自衛隊が来る、もう守ってくれるかもしれない、島を。でも、次にミサイルがやってきた。じゃ、次にアメリカとの合同訓練で戦車が武装して公道を走る。そして、ついに飛行機に乗って荷物一個で避難しろと言われる。何で私の島が、何で私のこの地域が、私のふるさとが、全部捨ててこの島を出ていかなくちゃいけないのか納得できない、嫌だ、この島で生きていきたい、そんな声も本当に聞きますよ。どうですか。

○政府参考人(関村静雄君)
お答えします。
繰り返しになりますが、それぞれの自治体の状況に応じまして、今後避難要領を具体化するに当たってしっかり検討していくことになるかと思います。そこの中で、農水省の方としまして技術的な助言に努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
硫黄島は、避難せよと言われて避難して、二度と戻れない。二度と戻れないわけですよ。だから、あなたは避難せよと言われ、全てを捨てて、全てを捨てて避難しなくちゃいけない。荷物一個持って避難せよと言われたときに、私は、アメリカの、日系アメリカ人強制収容所に行くときに、荷物一個だけしか許されなくて、日系人の人たちが本当に列をつくって強制収容所に収容された写真やいろんなのを本当に思い出します。あなたは荷物一個持って避難しろと言われて、どんな思いがするか。捨てていかないといけないんですよ。しかも、自分の島が戦場になる。沖縄は戦場になったところです。だから、使われるか、あるいは捨てられるか、スパイとして殺されるか、邪魔として追いやられるか。
石垣島にマラリア館というのがあります。住民は、邪魔というか、食料の問題などもあるので、マラリア、波照間などマラリアがそのとき蔓延したところに避難せよと追いやられてしまったので、むしろマラリアでみんな死んでいくんですよね。だから、また同じことが起きると。自分たちの命は考えられていない、戦場になる、そして追いやられる、邪魔だということを思っていますよ。これは本当にひどいと思います。
避難民の受入先ですが、先日、九州に対して、何県、何県、何県というのがあります。例えば、八代、熊本に行ったときに、現在はこれ、安全な九州に避難する、でも、九州も安全かと。湯布院からは長距離ミサイルを飛ばせるようにするし、ツキジの基地も米軍来るし鹿屋基地もある、新田原がある、霧島もある、えびの高原とかって、そういう状況です。そんな中で、安全な九州に移動する。いや、九州は安全ですかというふうに思うんですが。
この一か月ですよね、今、受け入れるのが、八代なども。これ、一か月で足りるんですか。

○政府参考人(門前浩司君)
今回、先島五市町村からの避難先として、九州、山口、各県を想定をさせていただきましたけれども、あくまで訓練上の想定として検討していただいているものでございます。今回、受入先に検討要請を行いましたのは、令和六年度におきまして、今御指摘ございました避難当初の約一か月間において必要となる事項について検討して、その初期的な計画を作ってくださいということをお願いをさせていただいたところでございます。
御指摘の、一か月を超えるような、避難が長期にわたった場合の検討につきましては、令和七年度以降に検討することとさせていただいております。

○福島みずほ君
一か月なんですよね。でも、一か月で済むとは本当に思えませんし、一か月というのがどうなのかと思います。
今日は外務省に来ていただきました。私は今日質問したかったのは、やっぱり現地やいろんな、もう激変していく南西諸島と沖縄を見ていて、ここが戦場になる、そして荷物一個持って避難せよと言われる。本当にそれ可能なのかどうなのか。誰も避難なんか、誰もというかですね、安全な避難をちゃんとやらせてくれではないんです、私が言いたいことは。避難なんて本当にできない、そして戦場になることなど望まない、だから、避難ではなくて、まさに平和構築、平和外交、戦争を避けることが政治がやるべきことだと思います。
それについて、外務省の決意をお聞かせください。

○政府参考人(松尾裕敬君)
我が国は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれる中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化することの重要性がより一層高まっております。
こうした中、安保三文書にも明記されているとおり、まず優先されるべきは積極的な外交の展開であります。世界のどの地域であれ、力による一方的な現状変更や核兵器による威嚇、使用は断固として許されないとの観点から、多層的、多面的な外交を各国、各レベルとの間でしっかりと展開してまいります。
同時に、外交には裏付けとなる防衛力が必要でございます。外交力、防衛力を含む総合的な国力を最大限活用しつつ、力強い外交を展開し、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出してまいります。

○福島みずほ君
時間ですので終わります。ありがとうございました。

※本議事録は未定稿です。

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