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2023.4.27 法務委員会での質疑 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)
配布資料はこちら⇒20230426_警察庁レク資料 20230427_資料① 20230427_資料② 警察庁資料
○福島みずほ君
立憲・社民共同会派の福島みずほです。
先日は、名古屋入管と名古屋刑務所と視察をさせていただいて、本当にありがとうございました。
入管制度についてお聞きをいたします。
二〇一三年四月十八日、これジュネーブ時間ですが、国連人権理事会の特別手続である恣意的拘禁作業部会、移住者の人権に関する特別報告者及び宗教又は信条の自由に関する特別報告者が、二〇二三年政府提出の入管法改正案が、改定案が、二〇二一年から修正したものであっても、国際人権法に違反する旨の共同書簡を送りました。
これは、これをどう受け止めているのか、話してください。
○国務大臣(齋藤健君)
まず、御指摘の書簡が公表をされているということは承知をしております。
特別報告者や恣意的拘禁作業部会の見解は、国際連合又はその機関である人権理事会としての見解ではないと認識をしており、我が国に対して法的拘束力を有するものでもございません。このような共同書簡は、実は前回の改正法案提出時にも受け取ったわけでありますが、前回と同様、今回も、日本政府の意見を聞くことなく一方的に見解が公表されたというものであります。
その結果として、例えばですが、監理措置制度は、逃亡等のおそれの程度のみならず、収容により本人が受ける不利益の程度等も考慮して、監理措置に付すか収容するかを適切に選択する仕組みでありまして、社会的、経済的地位に基づく差別では全くないわけでありますが、監理措置は社会的、経済的地位に基づく差別であるなどと指摘しておりまして、入管法改正法案の内容を正しく理解せずに見解が公表されたものと考えているわけであります。
この点は、我が国から事前に改正法案について説明する機会があれば、立案の背景ですとか内容について正確に御理解いただけたのではないかと考えておりまして、一方的に見解を公表されたことにつきましては抗議をする予定であります。
いずれにいたしましても、現在、出入国在留管理庁において書簡の内容を更に精査をしておりまして、今後、誤認等に基づく指摘等を明確にして、改正法案の内容やその適正性について十分理解していただけるよう、丁寧に説明を尽くしていきたいと考えています。
○福島みずほ君
大臣の答弁、極めて残念です。特別報告者は日本も参加している国連人権理事会から役割を与えられており、私人ではありません。この言われた中身の項目など、徹底的にこの国際人権基準を下回っているので、国内法、国際人権法の下での日本の義務に沿うものにするため、改正案を徹底的に見直すことを強く求めます。これ正しいと思いますよ。
大臣、これは、去年十月に国際人権規約、自由権規約において日本の人権状況が審査をされました。二日間において行われ、私もインターネットで二日間見ておりました。日本から法務省も多数行かれて、その質疑応答、ヒアリング、全部対話を行っています。その結果、十一月に総括所見が出されています。この総括所見、入管の部分、大臣どう受け止めていますか。
○国務大臣(齋藤健君)
令和四年十月の自由権規約委員会の第七回対日審査における総括所見の御指摘だったと思います。そこでは我が国の入管行政に関し勧告等がなされているわけであります。
この勧告等では、収容施設での処遇改善計画の進展に関する情報があったこと、あるいは長期収容を回避するための措置を検討していることなど、我が国の入管行政における対応について一定の評価もされていると認識をしています。
勧告の主な内容はここで申し上げると時間の問題もあるわけでありますが、我々どもとしては誠実に対応しているということであります。
○福島みずほ君
この勧告、パラグラフの十九ですが、大臣読まれました。
○国務大臣(齋藤健君)
ちょっと、今突然何条どうかと言われても、それは答弁はちょっと難しいと思いますが。
○福島みずほ君
この勧告は法務省に対するものがたくさんあります。入管法の改正案を国会に出していらっしゃるわけで、とても重要です。
この国連の勧告、読まれていますか。
○国務大臣(齋藤健君)
重要であるからこそ、事前にいただければしっかりした答弁ができるということでありますし、私は目を通していますよ。
○福島みずほ君
私が申し上げたのは、その十一月に国連の自由権規約委員会が出された勧告です。入管のことについても、これはノン・ルフールマン原則に対する、公正な手続に対するアクセスが保障されるべきだとか、外国人が不当な取扱いの対象とされないことを保障するためにあらゆる適切な措置を講ずる、様々あります。ここで言われた勧告は、今回共同書簡で出されたものとほぼ同じです。
何が言いたいかというと、これ、きちっと勧告を踏まえて、日本は国際人権規約、自由権規約ももちろん批准しているわけで、憲法にのっとって条約は誠実に履行しなければならないというふうになっているわけで、その勧告について法務省は重く受け止めて、それを判断すべきなんですよ。
これ、十一月に日本弁護士連合会と法務省で交渉しました。その時点で、法務省の入管局、法務省は、この勧告をきちっと検討するって答えたんですよ。検討されたんですか。検討してこの入管法改正法案を出されたんですか。検討したのか、どういう検討をされたのか、この勧告を踏まえて。教えてください。
○国務大臣(齋藤健君)
まず申し上げたいんですけど、そのような網羅的な質問を事前に通告することなくここで質問されるということは、私は十分フェアなやり方だとは思えないということを指摘させていただきたいと思います。
その上で、人権規約委員会の、まず、それから、条約に関して我々は違反をしてはいません。それから、様々な勧告については意見交換をしながらやってきているわけで、その中で見解の相違があるということは、これは致し方ないものだろうと思っています。
いずれにしても、条約についてはきちんと守っているということは強調させていただきたいと思います。
○福島みずほ君
いや、根本的なことをお聞きしているんです。
自由権規約委員会から勧告が出た、そこに法務省の役人も多数出席して議論をしているわけですよ、そこで、ジュネーブでやっているわけです。十分そこで法務省は認識しているわけです。勧告が出ました。その勧告を基に、日本弁護士連合会、市民団体、とりわけ日本弁護士連合会と意見交換、対話をやりました。そのときに、これは検討すると言ったんですよ。検討するのかと思っていたら、ほぼ同じような中身の入管法改正法案が国会に提出されたので極めて驚いたんです。
大臣、大臣は十二月に大臣になられました。この入管法提出に当たって検討したんですか。国際人権水準に合っているか合っていないかどうか、国連の直前の勧告も踏まえて、党内で、大臣、議論したかどうか、教えてください。
○国務大臣(齋藤健君)
党内の議論について私がここでお答えすることは差し控えたいと思いますが、私は、この法案が大変重要な法案であり、そして与野党で大いなる議論になるし、大変私の立場も難しいものになるということを十分承知の上で、承知の上で、今この現状においてこの法案を通すことが私は日本にとっていいという決断をしました。その決断をするに当たって、もちろん法務省の事務方とも相当の議論を重ねてまいりましたし、それから、様々な国際機関からの指摘についてももちろん考えた上で、私はこうやって提案をさせていただいているということであります。
そして、内容についてもし御議論をされたいのであれば、一つ一つちゃんと事前に通告をしていただいて、我々もそれについて真摯に答えますから、こういう形でのやり取りは私は余り生産的ではないと思いますよ。
○福島みずほ君
省内で、今回、共同書簡については質問通告するというのは言っています。中身は一緒ですよ。国連の自由権規約委員会からの勧告と、それから今回、共同書簡で出た論点は同じものです。同じ指摘が、国際人権法に合致しないという指摘は同じものです。
とても基本的なことで、今回法案を出すに当たって国際人権法ちゃんと議論したんですか。省内で議論したとおっしゃったんですが、ちゃんと議論したかどうか、教えてください。
○国務大臣(齋藤健君)
議論していますし、その内容についてもしここで審議をしたいんであれば、事前に言っていただければ私もきちんと準備をして実りある議論になるように答弁できるので、是非お願いします。
○福島みずほ君
入管法の議論、あるいはそのほかのときにきちっと議論したいと思いますが、ただ、共同書簡が直前に出されて、これも極めて重要なものだというふうに思いますし、これ公開書簡ですので、このことに基づいて質問しなければならない。こういうのが出ているにもかかわらず、まだ入管法の見直しをしようとしない日本政府の立場は国内外で批判をされているわけです。それは極めて問題だと思います。
是非、入管法、抜本的に見直すよう、今のをやっぱり取り下げて抜本的に見直すよう強く申し上げます。
先日、子供たち、外国人の子供たちの、例えば仮放免中の子供たちに対して特別在留許可を与えるかどうかについて検討中だということをおっしゃいました。どうなっていますでしょうか。
○国務大臣(齋藤健君)
まず、お尋ねの件は今与野党の間で協議をされている事柄にもなっているということなので、その点についての所感は差し控えたいと思いますが、ただ、その上で、私、子供の問題についてはこれまでも真剣に考えてきたところでありますし、微力ではありますが、私に何ができるか今真剣に考えているところであるということは申し上げたいと思います。
○福島みずほ君
是非、特別在留許可を与える、今でもできることですから、与え、かつ、これやっぱり家族の権利ということがありますので、子供だけ日本にいるわけは、できませんので、考慮してくださるよう、よろしくお願いします。大臣はこれについてはうなずいてくださったので、進展があると期待をしておりますので、よろしくお願いします。
次に、名古屋刑務所を視察したときに、受刑者から職員に対して何と言っているかで、この委員会で鈴木宗男議員が質問されました。先生、あるいは担当さん、あるいは職員さんと言っていて、自由だということだったんですが、先生という呼び名は、これはもうやめるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(花村博文君)
お答えします。
その前に、名古屋刑務所職員による暴行、不適正処遇事案につきましては極めて重く受け止めております。誠に申し訳ございません。
その上で、委員御指摘のとおり、刑事施設におきまして、受刑者が職員のことを先生と呼んでいる場合や、職員が受刑者の名前を呼び捨てにしている場合があるものというふうに承知をしております。
刑事施設におきましても、社会一般の言葉遣いと大きく懸け離れたものとならないようにすることが望ましいところでありまして、今後の拘禁刑の導入も見据えまして、受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰により資するため、受刑者から職員、職員から受刑者の呼び方などの言葉遣いを含めまして、受刑者と職員の関係の在り方についても問題意識を持っているところであり、しっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君
是非、先生というのはやめていただきたいということです。今、うんうんとまた言ってくださっていますが。
それから、職員から受刑者に対して呼び捨てだというのを聞いたんですね、ですから、名古屋刑務所で所長から。さんとか君とか付けないんですかと言ったら、暴力団にさんとか君とか付けることができますかと言われました。その言葉は、私は本当に驚きました。全員が暴力団ではない。それから、暴力団員の人こそ更生してやる、社会復帰ができるようにということこそ刑務所がやるべきじゃないですか。さんとか君とか付けることができますかといって呼び捨てにするのは間違っていると。相手に対する、基本的な人間に対するリスペクトは必要だと思います。
君というのは、どうしても自分の、年齢が下とか目下の人に対して君とか使うので、やっぱりさんがいいと私は思います。小学校でも今、さん付けです。小学校でももう呼び捨てを先生はしません。ですから、是非、先生という看守に対する呼び名はやめること。担当さん、職員さん、あるいは名前で何々さんでいいと思いますし、受刑者に対する呼び捨てはやめるべきだと思います。さんがいいと思います。
それで、私は、この暴力団に対して君とかさんとか付けることができますかというのは、やっぱりこれ極めて問題だと思います。四割暴力団の人がいると報告受けましたけれど、全員じゃないし、さっきも言いましたが、暴力団員だったら呼び捨てでいいのかというのもまた全然違うと思います。社会復帰、要するに矯正局なわけですから、この点について是非検討してくださるよう強くお願いを申し上げます。
次に、代用監獄制度の問題についてお聞きをいたします。
これも国際人権規約自由権規約委員会から度重なる勧告が出ております。初めて規約人権委員会に行ったのは今から三十五年前、一九八八年、弁護士として行きましたけれど、これ、やっぱり国際的に批判をされている。これ、見直すべきではないですか。
○政府参考人(谷滋行君)
お答えいたします。
我が国の刑事司法制度の下におきましては、刑事訴訟法で定められた期間内に、被疑者に対する証拠品の提示、取調べ等所要の捜査を迅速、適正に行う必要がございます。このため、全国的にきめ細かく設置されている警察の留置施設に被疑者を勾留することは現実的な方法であり、代替収容制度は重要な役割を果たしていると認識をしているところでございます。警察におきましては、被留置者の処遇を捜査部門とは組織的に分離された留置部門が行うこととするなど、組織上も運用上も捜査と留置の分離を図っているところでございます。
いずれにいたしましても、今後とも捜査活動と留置業務の分離の徹底を図るとともに、被留置者の処遇については、プライバシーや防御権の行使等、人権の保護にも十分配意し、万全を期してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君
取調べをする側と管理する側が同じであるというのは、幾ら分離していますと言っても、制度上は問題です。代用監獄廃止に向けて、新たにまた検討していただきたいということを強く要望いたします。
警察留置場における死亡事例について、十年間分、各都道府県別を出していただきました。年間三十人、四十人、二十人以上というか、亡くなっていらっしゃるということは分かりました。個別は分かりませんが、何とかその死亡事例を減らしていくための努力をお互いにしていきたいというふうに思っています。
例えば、二〇二二年十二月四日、愛知県岡崎警察署の留置施設で、勾留中の四十代の被疑者が死亡、発表された死因は腎不全、男性は延べ百四十時間以上にわたり保護室でベルト型の手錠や捕縄で手足を縛られていたほか、暴行もあったんじゃないかという報道もあります。この被留置者は統合失調症と糖尿病の持病があったが、留置担当は糖尿病の薬を飲ませておらず、医師の診断を受けさせていなかった旨も報道されております。
この岡崎警察署の死亡事例、どう把握していらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(谷滋行君)
お答えいたします。
令和四年十二月四日午前四時三十五分頃、岡崎警察署留置施設におきまして、巡回中の留置担当官が、戒具を使用された状態で保護室に収容されていた男性に不自然に動きがないことに気付いたために、男性の状態を確認すると呼吸や脈拍がないことから、救急隊を要請して岡崎市内の病院に搬送いたしましたところ、同日午前五時三十七分、同病院において死亡が確認されたものと承知をしております。
本事例につきましては、令和四年十二月十三日、警務部長の下で調査体制を構築いたしまして、公安委員会の指導を受けつつ、現在も調査を進めているところでございます。また、調査過程におきまして刑罰法令に触れる可能性も認められたことから、同年十二月十六日、刑事部長の下で捜査体制を確立し、現在捜査を進めているところでございます。
○福島みずほ君
調査をされていることはいいと思うんですが、これ、第三者委員会でやるべきではないですか。
○政府参考人(谷滋行君)
本事例につきましては、刑罰法令に触れる可能性などもあることから、現時点におきまして、同年十二月十六日に設置いたしました刑事部長の下での捜査体制で捜査を進めているところでございますので、現時点においてそのような別途の調査体制を設けるということは考えていないところでございます。
○福島みずほ君
私は、今捜査中だからというのでなんですが、いずれ少し時間がたてば、やっぱり第三者委員会による調査をやっていただきたいと思います。
二〇二二年十二月十七日、大阪府浪速署で勾留中の四十代の男性が死亡。浪速署に十二月十四日に逮捕、勾留された男性は、逮捕時に持病があったということがあるんですが、しかし、脈が確認できなかったため病院に搬送し、死亡が確認。この人の例はどうなんでしょうか。
○政府参考人(谷滋行君)
お答えをいたします。
令和四年十二月十七日の午後三時四十八分頃、自傷行為等により保護室で収容されていた被留置者が、あおむけの状態で、呼吸音はあったものの胸の動きが止まったことから病院へ緊急搬送したものの、搬送先の病院で死亡が確認されたと、このような事例であるというふうに承知をしております。
○福島みずほ君
新宿警察署の留置施設で、二〇一七年三月、ネパール人留置者のアルジュン氏が、朝の布団収納時のトラブルから保護室に収容され、戒具できつく拘束され、翌日、腰と手足首を拘束されたまま車椅子で検事調べに搬送されたと。そしたら、取調べ開始時に、拘束を解かれた直後に死亡するという事件が発生しております。
裁判で明らかにされた保護室収容時の画像には、アルジュン氏がネパール語で痛い、苦しい、旦那様許してくださいと懇願しているにもかかわらず、留置担当官始め署員十六名で取り囲み、戒具を装着する姿が映っていると。一審、三月十七日、東京地裁は、この警察留置が違法で、措置が違法であり、アルジュン氏の遺族の請求を認める判決が出ております。この例はいかがでしょうか。
○政府参考人(谷滋行君)
お答えいたします。
御指摘の事案は、平成二十九年三月十五日、留置担当官の指示に従わず激しく暴れたことから、被留置者を保護室に収容し、ベルト手錠及び捕縄を使用していたというものでございますが、その後、東京地検における検事の取調べ中に意識を失い、心肺停止となったため病院へ緊急搬送したものの、搬送先の病院で死亡が確認されたものというふうに把握をしております。
○福島みずほ君
拘束具を解いた途端に亡くなったんですよね。ですから、手足を、いろんなところをきつく縛っていたことが問題ではなかったかと。刑務所は革手錠、廃止をいたしました。その縛り方も含めてやっぱり考慮されるべきだというふうに思います。
警察留置場における医療のことなんですが、留置施設には非常勤も含め医師その他の医療専門員は配置されておらず、医療設備が存在しないということでよろしいですね。
○政府参考人(谷滋行君)
お答えいたします。
留置施設におきましては医師等の医療専門職員は常駐しておりませんが、刑事収容施設法の規定にのっとりまして、各留置施設ごとに民間の医師を嘱託医として委嘱し、定期健康診断を受けさせるほか、病状などに応じて民間の医師の診療を受けさせるなどして適切な医療の確保に努めているところでございます。
○福島みずほ君
法律二百条第二項で、被留置者に対して、おおむね一か月につき二回、管理者が委嘱する外部の医師による健康診断を行うと法律上はされています。しかし、健康診断の中身をお聞きしたら、血圧とか問診とかで、胸部レントゲン検査と、要するに施設が全くないわけですから基本的にできないんですよね。ですから、結核がうつって、結核が蔓延している中で結核がうつって、結核で亡くなったという収容者もいます。それ、もしレントゲン検査をやっていたら、結核であることが早期に発見されたんじゃないかというふうに思っています。
刑務所の中における医療、入管における医療も本当に問題ですが、とりわけ警察留置場は、長くいるということを前提にしていないこともこれあり、医師がいない、非常勤もいない、基本的に看護師さんもいない、誰も医療関係者がいない、そして医療施設もないわけですね。ですから、適切な医療を受けずにまさに亡くなってしまうという例も本当にあると思います。
あるいは、これは去年の、去年亡くなった人が合計二十七名ですが、自殺が六名です。精神的な面も含めてのケアも必要ではないかと思うんですが、警察留置場における医療問題、改善はできるでしょうか。改善必要性あるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(谷滋行君)
お答えをいたします。
刑事収容施設法百九十九条でございますが、留置施設においては、被留置者の心身の状況を把握することに努め、被留置者の健康及び留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものと規定されております。
被留置者の健康を保持することは、その身柄を拘束している都道府県警察の責務でございます。被留置者の傷病等に関して適切な医療を提供することもその重要な一つであると認識しております。引き続き、被留置者の医療に関してその機会を適切に提供するなどして、刑事収容施設法等の法令に則して適正に運用してまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君
代用監獄を廃止すべきでないかという質問をいたしました。結局、医療は全くないんですよね。もちろん問診とかはあるけれども、医療施設がありません、ほかの施設のように。医者もいない。医療関係者がいない。ですから、とにかくきちっと医療体制もやるとか、やっていただきたいというふうに思います。今後、この点についても質問していきたいと思います。
次に、保釈の在り方について質問をいたします。
起訴前保釈を認めるべきではないか。それこそ、今日、三回目ですが、国際人権規約自由権規約委員会の十一月三十日の総括所見、パラグラフ二十六、委員会は、自由の剥奪の当初から保釈の権利が認められていないこと、締約国が起訴前保釈の実施は不要であると表明していることに引き続き懸念を抱いている。起訴前保釈と申し上げていますが、ここで、パラグラフ二十六で言われているのは、自由の剥奪の当初から、逮捕のときから保釈の権利が認められるべきだと、こういうことを言っています。
この勧告をどう受け止めていますか。
○政府参考人(松下裕子君)
お答えいたします。
御指摘は、令和四年十一月三十日付けの自由権規約委員会による我が国の第七回政府報告に対する総括所見に関するものと思われますけれども、その中で、我が国がいわゆる起訴前保釈制度を設ける必要性は乏しいと表明したことなどに対する懸念が示されているということは承知をしております。
この総括所見に先立ちまして、日本政府としては、同委員会に対しまして、我が国においては、在宅捜査を原則とし、被疑者の身柄拘束は、罪証を隠滅し又は逃亡するおそれのある場合に限って行われている上、厳格な時間制限が設けられており、逮捕、勾留及び勾留延長の各段階で裁判官の審査が必要とされていること、また勾留取消しや勾留執行停止によって身柄拘束から解放する制度も設けられていることなどの起訴前保釈制度を設ける必要性が乏しい理由を御説明し、また証拠をまさに収集している捜査の段階において罪証隠滅や逃亡のおそれのある被疑者を保釈した場合には、被疑者が罪証隠滅又は逃亡に及ぶことにより捜査に著しい支障を生じさせかねないことについて御説明をしたわけですけれども、これに対して十分な理解を得られなかったと考えております。
いずれにしましても、我が国の刑事司法制度について国際的な理解が得られますように、引き続き適切な説明に努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君
今のは、被疑者の権利、自由の剥奪が問題だということではなくて、捜査の便宜じゃないですか。捜査するのに起訴前保釈は認められないという今の刑事局長の答弁は全く理解されないですよ。全く理解されないですよ。
諸外国ではどうなっていますか。アメリカでは逮捕の段階で保釈が認められていると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(松下裕子君)
お答えいたします。
諸外国において身柄が拘束された直後に保釈等の身柄拘束を解くことを認める制度ということにつきましてお尋ねでございますけれども、諸外国の法制度を網羅的に把握しているわけではないので全てお答えすることは困難なんですけれども、例えば、アメリカにおきましては、逮捕後に遅滞なく行われる裁判官への冒頭出廷ということがあって、それの後には起訴前の被疑者も保釈の対象となり得ることとされており、ドイツにおいては、被疑者、被告人について、勾留状の執行よりも緩やかな処分で勾留の目的を達成すると期待すべき十分な理由があるときは、勾留状の執行を猶予することとされているものと承知しておりますが、アメリカもドイツも我が国とは刑事手続が全く異なっておりまして、身柄拘束期間でありますとか、それに対する審査の仕組みも違っておりますので、それぞれの国の実情に応じて刑事手続は規定されるものと考えておりますし、我が国においては、先ほども申し上げましたけれども、身柄拘束について他国に比べてもかなり細かい段階で厳格な裁判所の審査を受けることになっており、また身柄拘束期間も他国に比べて短いものと承知をしております。
○福島みずほ君
今言っていただきましたが、諸外国、早く起訴前保釈認めているんですよ。逮捕の段階で身柄を解放するということもやっている。ですから、さっきの捜査に支障があるからとかいうのは、全く、全く説得力ないですよ。国際人権法に全く合致していない。これ、是非検討してくれるように強く求めます。
資料お配りいたしました。
否認する者が自白する者より保釈が認められにくい、あるいは保釈を認められる段階が後の時期になってしまうというのがデータ上明らかになっています。
二〇一六年刑事訴訟法改正の衆参の法務委員会での附帯決議。改正法が度重なる冤罪事件への反省を踏まえて重ねられた議論に基づくものであることに鑑み、その施行に当たり、保釈に係る判断に当たっては、被告人が公訴事実を認める旨の陳述等をしないこと又は黙秘していることのほか、検察官請求証拠について刑事訴訟法三百二十六条の同意をしないことについて、これらを過度に評価して、不当に不利益な扱いをすることとならないようにすることなど、本法の趣旨に沿った運用がなされるよう周知に努めること、政府及び最高裁判所は特段の配慮をすべきであるという附帯決議が二〇一六年にされています。
しかし、このデータを最高裁からもらいましたが、やはり保釈、自白をしないと、否認しているとやっぱり認められないんですよ。勾留期間の後の方になっている。これ、問題ではないですか。
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君)
お答え申し上げます。
まず、一般論として申し上げますと、権利保釈に関する刑事訴訟法八十九条には、被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときなどといった保釈の除外事由が定められてございます。また、刑事訴訟法九十条には、裁判所が適当と認めるときに職権で保釈を許すことができる旨が定められてございまして、その際には、被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度などを考慮することとなってございます。
その上で、個々の事件における保釈の判断につきましては各裁判体の判断事項でありますけれども、罪証隠滅のおそれなどの保釈の要件につきましては、各裁判体において事案ごとの事情を勘案し、適切に判断がされているものと承知しております。
お尋ねの自白、否認の別でございますけれども、被告人が事実を否認していることのみによって罪証隠滅のおそれが認められるものではなく、それを含めた事案ごとの事情を勘案してされているものと承知してございます。
○福島みずほ君
社説をお配りしましたが、これは、横浜市の化学機械製造会社で、これ起訴が取り消されたケース。一人は拘置所で体調を崩し、胃がんと診断されても保釈を認められず、その後に入院し死亡という、もう本当に会社にとってもひどいもので、無実の罪で長く自由を奪われ、会社の信用も傷つき、これ結局起訴が取り消されたケースですが、保釈が認められないんですよね。だから、六回目の請求でようやく保釈が認められたものの、拘束は三百三十二日間に及んだ。
そして、郵便不正厚生労働省元局長事件でも、起訴された四人のうち、検察官の筋書に沿った内容、虚偽の陳述書に、供述調書に署名押印した三人が起訴後速やかに保釈されたのに対し、罪を犯していないからこそ犯罪の嫌疑を否認し続けた元局長は、起訴から保釈されるまで四か月以上身体を拘束され続けた。
無実であればあるほど、否認すればするほど、保釈されないんですよ。これ、見直すべきじゃないですか。
○政府参考人(松下裕子君)
お答えいたします。
委員御指摘の人質司法といったことにつきましては、我が国の刑事司法制度について、被疑者、被告人が否認又は黙秘をしている限り、長期間勾留し、保釈を容易に認めないことによって自白を迫るようなものだというふうな御批判をされている場合にそのように称されておられるものと理解をしております。
しかし、次に申し上げますとおり、被疑者、被告人の身柄拘束につきましては、繰り返しになりますけれども、法律上厳格な要件や手続が定められておりまして、制度として人権保障に十分に配慮をしたものとなっております。すなわち、刑事訴訟法上、被疑者の勾留につきましては、捜査機関から独立した裁判官による審査が求められておりまして、具体的な犯罪の嫌疑があるということをまず大前提として、罪証隠滅や逃亡のおそれがある場合等に限って身柄の拘束が認められるという立て付けに我が国の刑事訴訟はなっております。
また、被疑者は勾留等の決定に対して裁判所に不服申立てをすることもできます。また、起訴された被告人の勾留につきましてもこれと同様でございまして、罪証隠滅のおそれがある場合などの除外事由に当たらない限り、裁判所によって保釈が許可される仕組みとなっております。
その上で、一般論として、被疑者、被告人の勾留や保釈についての裁判所の判断は、刑事訴訟法の規定に基づき、個々の事件における具体的な事情に応じて行われておりまして……
○委員長(杉久武君)
答弁は簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(松下裕子君)
分かりました。
不必要な身柄拘束がなされないよう運用しているものと承知をしております。
以上です。
○福島みずほ君
いや、でも、データ、データは明らかに……(発言する者あり)
○委員長(杉久武君)
御静粛にお願いします。
○福島みずほ君
あるいは、実例は、否認をしていると罪証隠滅のおそれがあるとして、無実であればあるほど出られないんですよ。袴田さんや様々な、私は冤罪だと思いますが、その問題に関して、とにかく長く拘束して自白を迫ってという、こういう問題がある。
だから、代用監獄制度も問題だし、起訴前保釈を認めないことも問題だし、今局長が人質司法と言って説明されましたが、まさに人質司法という形で出さないというこの制度を、やっぱり、そのGPS捜査以前の問題、GPSを装着するかどうかの以前として、人質司法のこの問題点、代用監獄、起訴前保釈がない、そして、このまさに否認をしていたら絶対出さないという、なかなか出さないという問題などを解決すべきだと思います。
保釈の条件なんですが、実際、例えば辺野古の新基地建設に反対していた人が逮捕されたときに、逮捕、勾留、で、保釈が認められるとき、関係者と会わないようにという保釈条件、関係者って誰というのが分からない。ほかの保釈例でもあります。
それから、これは関西生コン事件なんですが、組合事務所に行かないようにという保釈の条件。でも、その人、組合の専従なんですね。これ、労働基本権の侵害ではないでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君)
御指摘のような保釈の条件に関する事例があったことに関しまして、事務当局としては把握してございませんが、いずれにいたしましても、個々の事案における保釈の条件の適否についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○福島みずほ君
組合事務所に行かないようにというのは労働基本権の侵害だと思います。
それから、検察官が、この関西生コン事件のときに、組合から離脱をするようにというふうに取調べの最中に言っているんですね。これは問題ではないですか。労働基本権の侵害じゃないですか。
○政府参考人(松下裕子君)
恐縮ですが、お尋ねは個別事件に関わる事柄でございまして、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
ただ、それを一般論として申し上げますと、取調べが適正に行われなければならないことは当然でございまして、検察当局においては、引き続き取調べの適正の確保に一層の意を用い、適正な捜査処理に努めるものと承知をしております。
○福島みずほ君
では、一般論としてお聞きします。
労働組合員の人に対して取調べの最中に組合から離脱するようにと言うことは、明確に労働基本権侵害じゃないですか。
○政府参考人(松下裕子君)
一般論ということでお尋ねでございますけれども、具体的な事例を前提としてのお尋ねでございますので、ここで私がその当否についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○福島みずほ君
おかしいでしょう。ILOの関係者としてもこれはおかしいってみんな言いますよ。労働基本権の侵害です。それ、言ったことは事実なんですよ。そして、やっぱり、取調べのときにやっぱり労働組合から離脱するようにと言うのは、労働基本権の明確な、憲法上の権利の侵害です。やっぱり、そういうことをやるというのはやっぱり本当に問題だというふうに思います。組合への弾圧であり、労働基本権に対する侵害です。
次に、GPS装着についてお聞きをいたします。
私は、GPS装着以前に、その人質司法を変えるべきだというふうに思っています。
このGPS装着をやることで保釈制度は変わるんですか。保釈はより認められるようになるんですか。
○政府参考人(松下裕子君)
委員がおっしゃっておられるのは本法律案における位置測定端末装着命令制度についてでございますけれども、このように、現行法にはないこの制度を活用することによって目的としておりますのは、国外逃亡を防止して公判期日等への出頭の確保がより図られることが期待できると考えているからでございまして、その上で、保釈が許可されるかどうかということにつきましては、裁判所において個別の事案ごとに、逃亡のおそれの有無、程度に係る様々な事情を含めて、当該事案に係る事情を総合的に考慮して判断されることでございまして、この制度を導入したことが保釈の判断にどのような影響を与えるかについて一概にお答えすることは困難でございますけれども、いずれにしましても、裁判所においては、この制度の趣旨も踏まえつつ、適切な運用がなされるものと考えております。
○福島みずほ君
法制審議会刑事法(逃亡防止関係)部会第八回会議議事録で、弁護士会出身の菅野委員が、日弁連は、日本弁護士連合会は、二〇二〇年十一月十七日、人質司法の解消を求める意見書を発出していますと、で、GPSによる電子監視について議論されることになっておりますが、本意見書において、日弁連は、電子監視制度に関して、人質司法を解消し、被告人を原則として保釈する運用を実現することを前提として、身体拘束より制限的でない代替措置として検討されるべきとしているということを、発言を審議会でされています。そのとおりだと思います。
GPS装着を問題にする以前に、人質司法の問題を解決すべきだということを申し上げ、後日また質問をいたしますし、大臣、入管の、それぞれの、国際人権法に照らして、合致して、どういう検討をされたかについて、また逐一どうか論争させてください。
終わります。
※本議事録は未定稿です。