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2018年06月04日 消費者問題に関する特別委員会で消費者契約法改正について質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

第196回国会 参議院 消費者問題に関する特別委員会 005号 2018年06月04日

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
今日は、三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。
この「社会生活上の経験が乏しい」というのは、削除すべきではないかと思っています。というのは、豊田商事の場合も、それから、私自身も担当したんですが、豊田商事の残党が行った抵当証券の大型詐欺事件の裁判でも、様々な消費者被害の方たちは決して社会生活上の経験が乏しいわけではない、むしろそこそこ少しお金を持っていて何かをやろうとしている人で、社会生活上経験が乏しいから詐欺に遭うというのは、私は余り、そう実は思っていないんですね。
だまされる人は、というか、向こうは、敵はさる者というか、もうちょっと、人が何を望んでいるかで見事にやるわけで、この委員会でもかぼちゃの馬車のことを、あれは消費者被害と言うかどうかは別にしても、被害に遭っている人たちは結構ビジネスマンであったり収入がある程度あったりすると。お金が全くない人をだまそうとはしていないわけで、「社会生活上の経験が乏しい」、これは削除をするか、少なくとも、一万歩譲って、この要件は誰でも、中高年でも誰でもどこか社会生活上の経験が乏しいんだ、だからだまされるんだという認識に立つべきではないかということについて、増田参考人、山本参考人、いかがでしょうか。

○参考人(増田悦子君) まさしく福島先生のおっしゃるとおりだというふうに思っております。
今は少なくなっておりますが、ビジネスマンに対する資格商法というのは、まさしく社会生活上の経験がきちんとあった方に対して過大な不利益を与えたものですし、それから、非常に、会社の社長とかされていた方がリタイアされてから紳士録などの契約をするようなケースもございました。そういう方たちは社会生活上の経験が不足していたからということではないというふうに考えておりますので、誰でもがそういう場合に、側面があるというふうに考えております。

○参考人(山本健司君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。
私も、福島先生の御指摘はまさにそのとおりじゃないかなというふうに思っております。先ほどの意見のときにも申しましたけれども、本来的には削除が最も好ましい対応であろうというふうに思います。ただ、もし諸般の事情からこれが現状ではなかなか削除は難しいということであれば、被害救済の阻害要因にならないような解釈指針を明確にしておいていただきたいというふうに思います。
その点、本日の別冊資料の一枚目に添付させていただきました五月十一日本会議のもとむら議員に対する大臣の答弁、悪徳商法等の、悪徳事業者による消費者被害については、勧誘の態様に特殊性があり、通常の社会生活上の経験を積んできた消費者であっても、一般的には本要件に該当するという解釈というのは、これはいい御答弁、解釈指針なのではないかなというふうに評価をしております。
もし残すのであれば、このような要件で、悪徳事業者を利するような要件にはならない、ちゃんと救済できるということについて明確化しておいていただきたいなというふうに思います。
以上でございます。

○福島みずほ君 増田参考人にお聞きをいたします。
元々、「社会生活上の経験が乏しい」というのがあって、一般的には若者を対象に考えているのかなと、と言っちゃいけないですね、これは広い概念ですから。もう一つ、衆議院の修正で「加齢又は心身の故障」というのが入ったので、ただ、「社会生活上の経験が乏しい」ということを万が一狭く解釈すると、若者と高齢者と障害のある人はこの救済になるけれど、間の中高年層が、ばがっと抜けてしまうんですよね。
しかし、本当はそこが一番ターゲットになるというふうに思っておりまして、一回目の質問とちょっと重なるんですが、先ほど森参考人も、まともなところだったらちゃんとやるよというお話があって、そのとおりだと思います。でも、私がもし悪徳商法だったら、社会生活上の経験乏しくないですよ、この原告の人はって言いますよ。サラリーマンだし、例えば主婦でNGO活動やっているし、若いけれども高校卒業して頑張って働いているし、社会生活上の経験全く乏しくないですよって言いますよ。
とすると、これ、実際の裁判例や消費者の実際の相談で救済するときに、これを狭く絶対に解しちゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。

○参考人(増田悦子君) 本当にそのとおりだと思います。現場ではそういう反論が簡単に予測されますので、それをどうやって押し戻すかということが大変苦労する場面だというふうに思いますので、その解釈の仕方については広くしていただく必要が絶対にあると思っております。

○福島みずほ君 それともつながるんですが、誰が客体なのかという問題と、どのような行為を消費者契約法でまさに取消しができるというふうに決めるかといったときに、今回、結構、修正もそうですし、こうこうこうこう、こういう場合と、行為を結構特定していますよね。
そうだとすると、相談員として話を聞くときも、本当にこういう不安を抱いていましたか、その不安があおられたと思いますかと、こう言うと非常にやっぱり限定をされるというふうにも思うんですが、それにプラス社会生活上の経験だと、誰も私は社会生活上の経験が乏しいですって言う人いないと思いますよ、自分からは。相手は必ず、この人、社会生活上の経験十分ありますよ、乏しいなんてそんなことは言えませんよ、十分分かっていましたよって言うと思うので、その両者、客体の限定の問題と、それから行為の限定についての御意見を、増田参考人、教えてください。

○参考人(増田悦子君) 現場で消費生活相談員がこの条文どおりに消費者に聞き取りをするということになれば、もう本当に適用される場面というのは少ないと思います。
その消費者が本当にどういう状態だったのかという聞き取りの技術というのが今後本当に必要な部分だと思いますので、相談員協会の立場としては、そこの質の向上ですね、そこのところがまず第一だと思いますし、問題点を消費者庁の方に随時告げていって、それを速やかに逐条解説に反映していただくというようなことが絶対に必要だというふうに思います。

○福島みずほ君 とりわけ、「容姿、体型その他の身体の特徴又は状況に関する重要な事項」だと、やっぱり化粧品とかサプリとか、「不安をあおり、」というと本当に微妙なことがあり得ると、こう思うんですが、増田参考人、そういう点はいかがでしょうか。

○参考人(増田悦子君) 常に不安に思っているわけではなく、少しでも良くなりたいというのが普通の若い人たち、それから、高齢者も最近はしわ取りとかたくさんございますので、それが常に不安を持っているという状態ではないというふうに思います。
そういう意味でいうと、そこの条文に当てはまるかどうかというところは大変難しいというふうに思います。

○福島みずほ君 ただ、新たにせっかく消費者契約法が改正されるので、こういう消費者被害に遭う人を救済するというのも消費者契約法の重要な役割なので、是非そこは広範囲に解釈していただきたいというふうにも思います。
今日も話が出ておりますが、加齢又は心身の故障により判断力が「著しく低下」なんですが、「著しく」というのは私も削除すべきだと思いますが、増田参考人、いかがでしょうか。

○参考人(増田悦子君) 先ほどもお伝えしましたけれども、著しい判断力の低下というのがどういうレベルのことをいうのかということを十分に考えていただきたい。やはり、自分で契約書を読むことができ、かつ署名ができ、お金を下ろすことができるという人のことを一般的に著しい判断力の低下というのか。だけれども、契約をするということは、契約をしてしまったということはそれをしてきたわけですから、そのときの判断力の低下の波があるということもきちんと考えていただきたいと思います。

○福島みずほ君 時間ですので終わります。ありがとうございます。

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