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2019年4月23日、厚生労働委員会で旧優生保護法一時金支給法案について質問

198-参-厚生労働委員会-004号 2019年04月23日(未定稿)

○福島みずほ君 立憲民主党・民友会・希望の会の福島みずほです。
 優生保護法と今回提案予定の法案について質問いたします。
 今日は感無量です。優生保護法の問題は、当事者の飯塚さんを始め、市民の皆さん、研究者の皆さんが二十年以上も前から血を吐くような思いで訴え、熱心に取り組み、解決を求めてきた問題です。
 優生手術に対する謝罪を求める会は、二〇〇三年に「優生保護法が犯した罪 子どもをもつことを奪われた人々の証言」という本を出版しています。様々なこのような長年の活動がなければ、優生保護法の問題点の広がりはなかったでしょう。また、日本弁護士連合会への人権救済への申立て、原告の皆さんの勇気ある提訴、弁護団と支援の人たちの頑張りがまさに国会を動かしました。心から敬意を申し上げます。また、全日本ろうあ連盟、全国手をつなぐ育成会連合会など様々な当事者団体が、大変困難な中、実態調査などを丁寧に行っていらっしゃることにとりわけ敬意を表します。
 まず、大臣にお聞きをいたします。法案についての受け止めをお聞かせください。

○国務大臣(根本匠君) 今回の法案については、旧優生保護法が全会一致で成立した議員立法であることや当事者が御高齢であること等に鑑み、今、福島みずほ議員のお話にもありましたように、立法府の責任においてできるだけ早期に結論を得るべく、与党ワーキングチームや超党派の議員連盟で議論が行われてきたものと承知をしております。
 法案の前文では、旧優生保護法の下で、多くの方々が、生殖を不能にする手術、放射線の照射を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきたことに対して、我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびするとされております。
 この点について、衆議院厚生労働委員会における法案の趣旨説明の中で、委員長から、「我々は、それぞれの立場において、」とあるのは、旧優生保護法を制定した国会や執行した政府を特に念頭に置くものであるとの御発言がありました。厚生労働大臣として、旧優生保護法は旧厚生省が執行していたものであり、委員長の御発言は真摯に受け止めたいと考えています。
 いずれにしても、法案が成立した場合には、一時金の着実な支給に向けて、厚生労働大臣として全力で取り組んでまいります。

○福島みずほ君 優生政策は、ナチス・ドイツによって、恐らく歴史上最も非人道的な形で実施をされました。ナチス・ドイツは、強制的な不妊手術を合法化するために一九三三年に断種法という法律を制定します。これをお手本として、日本は一九四〇年に国民優生法という法律を制定しています。優生保護法は、敗戦を間に挟みつつも、この国民優生法の延長線上で生まれたものです。
 優生保護法の第一条は、この法律の目的として、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止することをはっきりと記しています。まさに優生思想に基づいた法律です。
 そして、実態は、貧困家庭あるいは施設に入所している子供などにも及びます。障害者手帳を持っていない状態でも手術がなされている例があります。人口政策として、手術をして子供を持つことを許さないということが法律を根拠になされたのです。
 法律はもちろん問題ですが、法律を超えて、コバルト照射や子宮摘出なども行われます。個人の尊厳を踏みにじり、将来子供を持つことをあらかじめ奪ってしまうもので、未来を奪ったとも言えるものです。性と生殖の権利、リプロダクティブライツ・アンド・ヘルスを侵害しています。
 深刻なことは、日本国憲法の下で一九四八年にまさに議員立法の第一号として全会一致で成立したことです。そして、優生保護法は一九九六年まで存続をします。この法律に基づく最後の手術は一九九二年です。最年少は九歳の女の子です。優生手術は二万五千人の人に対して行われています。
 強制不妊手術が長年にわたり行われたことについて、第一義的責任は国会にあります。国会がこのような法律を制定しなければ、このようなことは行われなかったのです。国会は、このような法律を制定したことについて反省し、謝罪をしなければなりません。国会こそが優生思想を克服し、乗り越えていかなければならないのです。議員立法で優生保護法ができたのであれば、今度は国会でそれに対する救済法を作らなければならないのです。国会で救済法を作ることそのものが国会の反省と謝罪であり、国会の意思です。
 後ほど提案されるであろう一時金の支給等に関する法律案の中で、起草案の趣旨において、「「我々は、それぞれの立場において、」とあるのは、旧優生保護法を制定した国会や執行した政府を特に念頭に置くものであります。」とされています。なぜこのような法律が作られ、なぜそれを止めることができず、執行され続けたのか、問われなければなりません。
 一時金の支給等に関する法律案は、全ての政党の実に多くの議員の思いと努力によって作られました。この委員会に所属するたくさんの皆さんたちもこのことに関わっていらっしゃいます。立法者の一人として、そのことを説明させてください。
 私は、二〇〇四年三月二十四日、この厚生労働委員会で坂口厚労大臣に対し、同じく十一月九日、尾辻厚労大臣に対して質問をします。二〇一六年三月七日、女性差別撤廃委員会が強制的な優生手術を受けた被害者に対する具体的な取組を行うことを勧告します。そこで、この厚生労働委員会で塩崎大臣に対し質問をします。大臣は、本人から要望があれば事情を聞くと答弁をしてくれました。この答弁を受けて、厚生労働省のヒアリングを七回行いました。
 二〇一八年一月三十日、国家賠償請求訴訟が仙台地裁に提訴されます。そのことをきっかけに、悲惨な実態を明らかにするよう求める声が高まります。そこで、三月五日、多くの超党派の議員で議員連盟を立ち上げます。三月十三日、与党ワーキングチームが発足をします。議員連盟の活動として、勉強会と並行し、厚生労働省に実態調査を求めてきました。二〇一八年五月二十四日に法案作成プロジェクトチームを立ち上げ、議員連盟の勉強会十回、法案作成プロジェクトチームの会合十回、これらを開催する中で、被害当事者の方々、弁護団、優生手術に対する謝罪を求める会、日本障害者協議会、DPI日本会議、DPI女性障害者ネットワーク、全日本ろうあ連盟、自治体議員、国会図書館、学者の皆さんなどのヒアリングをしました。協力してくださった皆さんに深く敬意と感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
 支援者団体や障害者団体から、迅速な謝罪と補償、何が起きたのかを丁寧に検証し、優生思想の本質に向き合うべき、被害状況について関連資料の収集と保存体制をつくるべきだということの要請を受けました。被害者の皆さんは高齢になっており、裁判が全て確定をしてから立法したのではほとんど救済ができなくなってしまいます。一日も早い謝罪と給付金の支払をしなければなりません。迅速な対応をするために、与党ワーキングチームと議員連盟と調整を行い、法案策定をしてきました。
 私たちのこの社会が本当に優生思想を克服しているのかどうか大変疑問です。津久井やまゆり園の事件は、この社会に根深く優生思想があることを私たちに突き付けています。法律が成立することで、国会が優生思想を克服し、手術を受けさせられた皆さんへの心からの謝罪となるようにと思います。
 この法案は当事者を対象としていますが、苦難を共にしてこられた配偶者、兄弟、姉妹、子供など家族の皆さんの労苦にも応えるものになればと思います。法案が成立しても、そこからがスタートです。この社会が全ての人にとって生きやすい社会となるようにしていかなければなりません。
 厚生労働省にお聞きをいたします。
 周知と申請者への対応についてお聞きをします。
 法律の趣旨、内容についてどのように広報していくのでしょうか。障害の特性に応じて周知などをすべきだと考えますが、いかがですか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 今回の法案の第十二条におきましては、先ほども申し上げましたけれども、国及び地方公共団体は、支給対象となる方に対し、一時金の支給手続等につきまして十分かつ速やかに周知をすることとされております。また、その際には、優生手術等を受けられた方の多くが障害者であることを踏まえまして、障害者支援団体等の関係者の協力も得ながら、障害者の特性に十分配慮して行うこととされております。
 厚生労働省といたしましては、法案が成立した際には、地方公共団体と連携いたしまして、障害者支援団体等の関係者の協力も得ながら、制度につきまして、対象となる方に対して積極的に周知、広報を行ってまいりたいと考えております。
 あわせて、法案におきましては、第二十二条におきまして、国は、この法律の趣旨及び内容につきまして、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解を得るよう努めるとされております。
 具体的な周知の内容及び方策につきましては本法案の成立後に検討することとなりますけれども、法案の前文におきまして、先ほど来出ておりますけれども、多くの方々が、特定の疾病や障害を有すること等を理由に、平成八年に旧優生保護法に定められていました優生手術に関する規定が削除されるまでの間におきまして生殖を不能にする手術又は放射線の照射を受けることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてきたこと、このことに対して、我々は、それぞれの立場において、真摯に反省し、心から深くおわびするとされていること、また、今後、これらの方々への名誉と尊厳が重んぜられることが明記されていること等を踏まえまして、広く国民の皆様に法律の趣旨及び内容を御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 都道府県や相談窓口において、障害の特性による対応はどう予定しているのでしょうか。例えば、全日本ろうあ連盟の皆さんからは、是非手話通訳などについて配慮してほしいと要請を受けています。いかがでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 御指摘いただきましたように、厚生労働省といたしましては、都道府県に対しまして、例えば相談支援に当たりまして筆談の準備あるいは手話通訳者の配置など、障害がある方でも請求が円滑に行われるような配慮を求めることといたしております。

○福島みずほ君 認定審査会についてお聞きをします。認定審査会における判定はどのようになるのでしょうか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 今回の法案におきましては、対象者に該当することが明らかな場合には厚生労働大臣が速やかに一時金の支給認定を行い、それ以外の場合には、厚生労働省に置かれます認定審査会に審査を求め、その審査結果に基づき厚生労働大臣が認定を行うこととされていると承知をいたしております。
 今般、与党ワーキングチームと超党派の議員連盟の間でおまとめいただいた審査会の判断等に係る基本的な考え方におきましては、認定審査会は請求者等の陳述内容を十分に酌み取り、収集した資料等も含めて総合的に勘案した上で柔軟かつ公正な判断を行うこと、明らかに不合理ではなく、一応確からしいことを判断の基準とされているものと承知をいたしております。
 今後、法案が成立、施行された段階におきまして、認定審査会を設置いたしまして具体的な審査基準を検討していくこととなると考えておりますけれども、厚生労働省といたしましては、この基本的な考え方が立法者から明確に示された御意思として大変重いものと認識いたしております。その内容をしっかり踏まえて対応していきたいと考えております。

○福島みずほ君 国会が責任を持って調査と報告をする必要があります。調査報告書の作成が必要です。調査はまだ道半ばです。厚生労働省の全面的な協力が必要ですが、いかがですか。

○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 法案第二十一条におきまして、国は、共生社会の実現に資する観点から、旧優生保護法に基づく優生手術等に関する調査を実施することとされております。
 この調査につきましては、国会が主体となって実施されるものと承知いたしておりますけれども、旧優生保護法が旧厚生省が所管していたこと、そして執行していたこと、こういったことからも、厚生労働省といたしましてもできる限りの協力をしてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 意見の反映がまだまだ不十分な点があることは了解をしております。ただ、この法案が成立した暁には、幅広い人たちに周知、広報がされ、一人でも多くの、たくさんの人たちに対して給付金が支払われ、また、国会がそれに対して責任を持つ調査、報告ということもこれからまたスタートです。そのことがしっかり行われ、そして国会こそ第一次責任があると私は申し上げました。まさに優生思想を乗り越える、そんな大きなスタートになればということを申し上げ、私の質問を終わります。

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