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2019年11月14日、厚生労働委員会でハンセン病家族補償法案について質問

200-参-厚生労働委員会-003号 2019年11月14日

○福島みずほ君 立憲・国民.新緑風会・社民共同会派の福島みずほです。
十一月十二日に、多磨全生園、ハンセン病資料館を視察をさせていただきました。そこでの話も、本当に心に痛い、あるいは心を打つものでした。
超党派で全会一致でこの法案が提出されたこと、本当に良かったというふうに思っております。私自身も、二〇〇八年に成立したハンセン病問題の解決の促進に関する法律案の策定に関わり、今回の家族の補償法案に関してもワーキングチームで関わらさせていただきました。ですから、今日ここでこの件の質問をすることについては感無量のものがあります。
元患者の皆さん、そして歯を食いしばって裁判を提訴した原告の皆さん、弁護団の皆さん、支援者の皆さん、そしてそれを真摯に受け止めている厚生労働省、そしてこれからこの施策を更に進めようとしている厚生労働省に、本当に心から敬意を表します。また、全会一致で提出できて、各会派それぞれ様々な国会議員の皆さんが全力で頑張り、議論をいたしました。そのことも本当に良かったというふうに思っております。
まず、ハンセン病元患者家族に対する補償の手続等についてお聞きをいたします。
これまで元患者に対し賠償金、補償金を支払っておりますが、その対象となる元患者の人数等について教えてください。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。
平成十三年からこれまでの累計で、ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給者数は約四千人、らい予防法違憲国家賠償請求訴訟の和解者数は約八千人で、合計で一万二千人に対してお支払いしております。

○福島みずほ君 これはちょっと事務所からお願いしていたんですが、退所者とそれから被収容者に対する給付金について、何人のうち何人がもらっているというふうなデータはありますか。今日まで計算するということでもあったのですが、もしできていないのならそれで結構ですが、もし分かっていたら教えてください。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
今申し上げました補償金四千人、それから和解者数が八千人ですけど、それぞれにつきまして、補償金の方は、入所者が約二千六百人、それに対しまして退所者が千五百人ぐらいということ、約ですけれども千五百人ぐらい、それから、和解者数の方は、入所者、退所者合わせて二千人ちょっと、それから御遺族の方が五千人ぐらい、それから非入所者は二百人弱というような内訳になってございます。

○福島みずほ君 補償法案の適用対象者は二万四千人、四百億円の補償というふうにされておりますが、この試算の根拠について教えてください。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。
ハンセン病元患者につきましては、かつては入所者を中心に人数の把握を行っておりましたが、元患者一人一人の家族構成やその年齢構成を把握していたわけではございませんので、現在生存されている御家族の数については一定の前提を置いた上での機械的な推計とならざるを得ない点について御理解をいただければと思います。
その上で、具体的に申し上げますと、まず元患者さんの人数につきまして、人数に平均の世帯人員、当時ですと約四人ぐらいになるんですが、四から本人の分一人を引いた分を掛けて全体数を出してございます。それに対しまして、ここもまた難しいんですが、今般の家族訴訟の原告団の方の属性、親とか配偶者とか子供とかがどのくらいの割合かと、これもそのまま当てはめていいかどうかは難しいんですが、その構成比を出して当てはめております。で、その各属性ごとに、これもまた仮定なんですけれども、どのくらい生存されているかというか、死亡されているかということを掛け合わせまして人数を出しておりまして、それに対しまして、それぞれ補償金額百八十万円あるいは百三十万円というのを掛けて人数と額を出させていただいているというところでございます。

○福島みずほ君 元患者の方の御本人は、入所者、退所者、非入所者に分かれます。特に非入所者に対しては情報が行き渡らない可能性がありますが、どのような対策を考えていらっしゃるでしょうか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。
現時点で何か今決まっているということはないんですけれども、先生からも、それから多くの方からも御指摘ありますが、とにかく多くの方にお知らせするということが大事だというふうに考えておりまして、例えば、入所者の方についてもいろいろ、元患者さんの団体とかあるいは療養所を通じてとか、そういうことも含めて入所者を通じて家族の方へもお知らせするとか、あるいは、ふれあい福祉協会というのがございますが、そういうような団体を通じてお知らせするとか、いろいろ考えられる取組はしっかり取り組んでいって、対象となる方に補償金が円滑に支給されるように取り組んでまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 非入所者は特に沖縄が多いわけですが、広報の対策はどのように考えていらっしゃいますか。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
特に沖縄をということで御指摘いただきましたが、沖縄に所在する国立ハンセン病療養所を通じた周知のほかに、ハンセン病に関する普及啓発等を行っております公益財団法人である沖縄県ゆうな協会を通じて周知を行うことも想定しております。あわせて、沖縄の場合、自治体などもしっかり取り組んでいただいていると聞いておりますが、自治体などの関係機関の御協力もいただきながら、対象となる方に補償金が円滑に支給されるよう、しっかり周知していきたいと考えております。

○福島みずほ君 補償金の認定なんですが、これは、厚生労働大臣は、対象者であることが明らかな場合を除き、認定審査会の審査を求め認定するというふうになっております。これは優生保護法下における強制不妊手術と同じで、明確なものはもう審査会にかけない、もうそこで支給して、で、審査会というのがあるわけですが、もし書面が整っていれば、もう審査会を経なくてもいいということでよろしいですね。
それから、ハンセン病の元患者の皆さんの証明方法として、書面が不足している場合でも申請は受け付けられるということでよろしいでしょうか。医師の診断書など証明書類の事例、また、証明書類は一つでも可能なのか、柔軟な対応が必要なのではないか、代替のものがあればいいのではないかということです。
認定基準は、優生保護法下における強制不妊手術のときもそのようでしたが、今回、ワーキングチームでも、明らかに不合理ではなく、一応確からしいことという基準を設けました。それでよろしいかどうか、二点についてお聞かせください。

○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えいたします。
まず一点目、請求書類につきましては、請求者が補償金の対象者であることの確認に資するものを広く参照するなど、柔軟な取扱いを行っていきたいと考えております。
また、法案で、補償金の対象者であることが提出された書類により明らかな場合を除いては認定審査会における審査が行われるということとされておりますが、認定審査会における認定基準につきましては、議員懇談会で取りまとめられた骨子案では、認定審査会における判断に当たって、関係者の証言や供述等の内容が当時の社会状況や請求者が置かれていた状況、収集した資料等から考えて明らかに不合理ではなく、一応確からしいことを基準とするとされてございます。
法案が成立した際には、厚生労働省としても、議員懇談会での御議論を十分に踏まえ、認定審査会の適正な運用など、対象となる方に補償金が適切に支給されるように努めてまいります。

○福島みずほ君 なぜ裁判が提訴されなければならなかったのか。判決は、隔離政策が就学、就労の拒否、結婚差別などの被害を生じさせ、家族関係の形成を阻害したとし、こうした差別を人生被害と指摘をしております。
御本人も、全生園でいただいた資料でも、ハンセン病のために、破談、離婚、離職、友人が去る、診療拒否、乗車拒否、飲食、宿泊を断られる、立ち退きなどのつらい経験があるということがありましたが、家族の皆さんも物すごくやっぱり大変な思いをすると。様々な原告の皆さんに話を聞きましたが、親が強制隔離されて収容されてしまったために乳児院に預けられたと。要するに、親子なんだけれども、親子としての関係をつくれなかった、家族というものを持ち得なかった。つまり、奪われたものを回復するというのがこの裁判であり、そしてそれに対する補償だというふうに考えております。原告たちが望んでいるのは、まさにその家族関係の修復なんですね、家族関係を取り戻したい。ですから、今回、そのことがなされるように、この補償をすることによって。
弁護団からは、専門家の支援が必要だという声が上がっています。それは、なかなか言えない、この間、全生園に行っても、平沢自治会会長は、お墓参りに行けないなど切実なことを言っていました。家族との関係が今まで切れていたり、戻れない。だからこそ、今回、家族の修復ができるように、それを専門家も支援してほしい、厚生労働省も支援してほしい。この専門家の支援、厚生労働省の支援についてはどうお考えでしょうか。

○国務大臣(加藤勝信君) まさに、これ、まずこれまでの取組全般についていろいろ検証していく必要があると思いますし、また、私も家族の方からお話を聞く中で、ちょっと今の家族の回復ではないんですけれども、差別解消の啓発教育が逆に差別を生んで大変だったと、こういう話も聞かされました。そういったことも含めて、改めて一つ一つ、まさに当事者の皆さんから声を聞きながらやっていかなきゃいけない。また、家族関係の回復についても本当に、家族関係がつくれなかった、あるいはつくろうとしたけれども、これも外部だけじゃなくて、両親との関係においてもいろいろなことがあったというお話を私も聞かせていただきました。
そういった意味において、今、原告団あるいは弁護団の方々からも、やっぱり専門家による支援とか、あるいは当事者間のエンパワーメント、お互いのいろいろな話をしていく中での活用とか、こういったお話もいただいておりますので、さらに実務者の協議において検証の在り方、またそれを踏まえて普及啓発活動などについて具体的な議論を進め、そして施策を確定していきたいと思っています。

○福島みずほ君 これは原告たち、当事者たちが望んでいることで、是非よろしくお願いいたします。
ハンセン病についての偏見、差別の解消についてお聞きいたします。
国の責任を認めた二〇〇一年の熊本地裁判決後も、元患者の皆さんたちの宿泊が拒否されるなど、差別は起き続けています。また、やっぱり無理解というものもまだまだ本当に解消されておりません。このことについて厚生労働省はどのように対応していくのか、大臣の決意をお願いいたします。

○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと先ほどとダブるところはありますけれども、いずれにしても、根深い差別、偏見というのがある。逆に言うと、そういうものがあるということも前提にしながら先ほど申し上げた啓発教育等も進めていかないと、やろうとしたことと結果が全く違うことになってしまった、こういった経緯を踏まえながら、やっぱりこの問題を進めていくに当たっては、やはり当事者、元患者の方々あるいは御家族の方々、そうした皆さんの声も聞かせていただきながらしっかりと進めていくことが必要だというふうに考えております。

○福島みずほ君 全生園の訪問して、改めて、すさまじい差別と人権侵害と同時に、当事者の皆さんたちの闘いに実は私は心を打たれました。みんな本当にその中で様々なことをやっぱり闘ってやってきたということに実は心を打たれました。また、平沢さん始め、人権教育をすごく一生懸命やろうとし、これが全ての人権について資するように、そして差別を根絶するようにという思いは本当に心を打たれました。厚生労働省としても、文部科学省もそうなんですが、是非差別解消のために全力を尽くしていただきたいというふうに思っております。
衆議院の議論でも、個人情報保護法、本人の同意がなければ、なかなか本人が元患者であることを言えないという答弁あり、それは理解するものではあります。ただ、元患者の方と家族の関係ですから、その手続がなかなか難しく、法律が成立してもなかなか知れ渡らないという可能性もあるので、なかなか例えば申出ができないということもあるかもしれませんので、専門家の支援、あるいはコカウンセリングも含めた様々な施策を打って、是非補償をしていただけるよう心からお願いを申し上げ、私の質問を終わります。
ありがとうございます。

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