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2020年1月29日、予算委員会でカジノ、憲法、自衛隊中東派遣、補正予算などについて質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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201-参-予算委員会-001号 2020年01月29日(未定稿)

○福島みずほ君 立民、国民、社民共同会派の福島みずほです。
まず、衆議院でも議論になっておりますが、二〇一七年二月十日の朝食会、アメリカにおける朝食会についてお聞きをいたします。
十四名のビジネスリーダーのうち三名がカジノ事業者です。このことについて、私、質問主意書を出しました。二〇一八年に出した質問主意書、IR推進法が国会を通過し、公布、施行されたことを安倍総理から紹介。何でこんなことをこの場所で紹介したんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 参加者の中にはカジノ経営者が含まれており、統合リゾート施設は観光立国を目指す日本にとって有益である点、また、IRに対する社会的懸念等の課題の解決に貢献していきたい等の発言があったものであります。もちろん、その際にIRについての要請はなかった。
これは米国の商工会議所と米日経済協会共催で行われたものでありまして、先方がメンバーを決めているということでございます。

○福島みずほ君 なぜわざわざIR推進法が成立したことを言ったのか。これに対して参加者から歓迎するコメント等があったと答弁しています。
総理、誰からどういう歓迎するコメントがあったんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、出席している関係者、IR関係者から、観光立国を目指す日本にとって有益である点、また、IRに対する社会的懸念等の課題の解決に貢献していきたい等の発言があったということでございます。

○福島みずほ君 誰から具体的にどういうコメントがあったか教えてください。歓迎のコメントですから。お願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは非公開を前提に集まっていただいている会でございまして、二十名ぐらいの方々が、商工会関係者の方々が、経済人の方々が集まっている会でございますが、そもそも非公開を前提にしておりますので、誰がどういう発言をしたかということについては申し上げることは差し控えたいと思いますが、言わば、今申し上げたことは、要旨として、業界の方々がそういう要旨として発言をされたということは紹介をさせていただいたところでございます。

○福島みずほ君 歓迎するコメントですよ。日本でIR推進法を成立させてくれてありがとう、これで私たちIR事業者は日本でビジネスができる機会ができます、そういうコメントですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど御紹介したとおりでございまして、統合型リゾート施設は観光立国を目指す日本にとって有益である点、また、IRに対する社会的懸念等の課題の解決に貢献していきたい等の発言があったということでございます。

○福島みずほ君 総理は、一月二十三日、接触ルールの策定について基本方針に盛り込むことを検討すると衆議院でおっしゃっています。どんな接触ルールの策定をお考えですか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 済みません、基本方針の原案については、公正公平性、透明性を旨とするといったことは結構ちりばめて書いてありましたが、七日に設置されたカジノ委員会の方から、二十三日に審議があり、その中で、いわゆる接触ルールというものを明示してやった方がいいという御示唆がございました。
それを受けながらその方向で検討していきたいと思いますが、具体的な話につきましては、国会での審議も受けながら、これから、今、検討というか、検討中でございます。
以上でございます。

○福島みずほ君 基本方針案は策定が遅れるということでよろしいですか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 遅れるというのは、そもそもいつまでにやるということを明示したわけではございません。
ですから、丁寧に、慎重に丁寧にやるということは当然でございますので、そうしたカジノ管理員会からの御指導には、しっかりと受け止めて、その御指導に応えられるようなものを作りたいと、こう考えております。

○福島みずほ君 自治体は接触ルール、制限を決めておりますよね。これは過去にも遡るべきだと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) その辺も含めてしっかり検討しておきたいと思います。私が全て決めるわけではございませんので。済みません。

○福島みずほ君 これは、国会議員が事業者と会うことも含めて、過去どうだったか洗わないといけないと思います。大臣、どうですか。大臣はこれから事業者には会わないというふうにおっしゃいましたよね。ところが、事業者に会っている人がいます。安倍総理自身です。まさに、二〇一七年二月十日、三大IR事業者と会っているじゃないですか。どうですか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) いや、いわゆる接触ルールで、それもまだ未定でありますが、ただ、会うこととかですね、要望を受けるということと、会合の中で会う会わないというと、これは非常に難しい問題があると思います。大きなパーティーで、例えばですが、大きなパーティーで会うことまで制限を掛けてしまうのかというと、それはなかなかそういうルールとしてどうなのかということがあったりとか……(発言する者あり)ちょっと待ってください。
で、自治体の、自治体のルールについても、全く会わないといったルールはございません、私の知る限り。会う場合においては、複数名で会うとか、会った議事録を残すとか、透明性を確保するということでありまして、自治体はまだ未経験のことでありますから、そうしたこと、知見を得るという意味で、そういう意味では私は必要な場合もあると思っています。それは自らが決めたルールの中で会う、それがいわゆる接触ルール、意味のある接触ルールだと思います。

○福島みずほ君 さっき、赤羽大臣は、自分は事業者と会わないと言ったじゃないですか。

○国務大臣(赤羽一嘉君) だから、私が先ほど申し上げた、言葉足らずというか、福島さんならきっと分かっていただけていると思いますが、私はそういった要望は受けないと、そういう立場でありますから。それは、まだルールは決まっておりませんが、自らの規範として決めているといったことでございます。これは個人ではなくて、大臣という公職で、として考えています。

○福島みずほ君 総理が三大IR事業者と会っているのは、十四名のビジネスリーダーのうち三名ですよ。大きなパーティーなんかじゃないですよ、朝食会ですよ、まさに。ビジネスリーダー十四名ですよ。そこで会っているんですよ。で、法案の説明をして、成立しましたといって、歓迎のコメントまで受けている。これってすごいことだと思いますよ。そのラスベガス・サンズは東京、横浜に進出すると言われ、地元は大反対の人々も多いですよ。
どうなんですか。接触ルールの制限をまず破っているのが安倍総理なんじゃないですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそもルールがないわけでございますし、そもそもそのルールに抵触するかどうかということについても、今、赤羽大臣から答弁をさせていただいたとおりでございますが、そもそもこの会合、十四名ではなくて、共催者を含めれば、含めればビジネス界の方々十八名でございます。それと同数が日本側から一行が出ておりますので、約四十名近いこの朝食会であったということでございまして、先方が、これは決める会であった、全米商工会議所側が、またあるいは米日経済協議会、これは米日でございますから、これは向こう側の組織でございますが、そこが決めるということでございまして、その段階でどの業界を外してくださいということを言うということはこれは考えられないことで、極めてこれは失礼なことになるわけでございますから、それは当然向こう側が決めて出てこられたと、こういうことになるわけでございます。
ですから、その点は、例えば米国のトランプ大統領自体がカジノを経営してこられたという経験もあるわけでございますが、その中において特定の業界をこれは外すということではなくて、こういう会合に出席をし、そして、もう既に答弁をしていることでございますが、IRについての要請や要求はその場では全くなかったということは申し上げておきたいと、このように思います。

○福島みずほ君 制限ルールなんて無意味じゃないですか、そんなのだったら。外せないというんだったら無意味じゃないですか。
アカバネ大臣、いかがですか。(発言する者あり)

○国務大臣(赤羽一嘉君) 私は福島委員とは二十年以上の付き合いだと思いますが、名前ぐらい覚えていただきたいと思います。
あえて弁護士の先生に申し上げるのもいかがかと思いますが、そのことも含めて検討しているということでございますので、この場では具体的なことは申し上げられません。

○福島みずほ君 名前を間違えたのはおわびをいたします。ごめんなさい。
で、原発と一緒で金まみれじゃないですか。まだ設置もしないうちに、基本方針もしないうちに贈収賄で逮捕、勾留が起きる。これ、どうなんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに赤羽大臣が担当大臣としてこの公正な、厳正に、また公平な運用をするべくカジノ管理委員会をつくり、そしてまさに基本方針を今定めているところでございます。

○福島みずほ君 赤羽大臣おっしゃったように、これから制限ルール作るとしても、過去に遡って全部洗うべきですよ。それは担当大臣としておやりになりますね。

○国務大臣(赤羽一嘉君) 同じことを繰り返して答弁させていただいているかもしれませんが、このいわゆる接触ルールにつきましては、カジノ管理委員会からの御指導もあり、また先ほど申し上げましたように、国会の審議を受け止めてしっかり検討していきたいということでございます。

○福島みずほ君 金まみれで逮捕、勾留者が出たようなIR事業、これ、もう廃止法案、野党が出しておりますが、国会できちっと審議すべきだと思いますが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどから答弁をさせていただいておりますように、この法案に、このカジノの推進につきましては、国民の皆様の理解を得る努力をしながら行っていきたいと、こう進めていきたいと、こう考えておりますが、法律案の取扱いについては、国会においてこの廃止法案を野党の皆さんが出されておりますが、これは国会においてお決めになることであろうと、このように思いますが、IRの推進に当たっては国民的な理解が大変重要であり、事業者選定の公平性、透明性の確保等についても、今月発足した高い独立性を有するカジノ管理委員会や国会での御議論も十分に踏まえて、丁寧に進めてまいりたいと思います。

○福島みずほ君 IR事業者が歓迎しても、国民、地元、歓迎していないですよ。お母さんたち、歓迎していないですよ。廃止すべきで、やるべきでないということを強く申し上げます。
次に、安倍総理は、憲法改正について、私の手で、私自身の手で成し遂げていく考えに揺るぎはないと総理記者会見で今年も言っておられます。
総理に権限ないでしょう、発議にしろ国民投票にしろ。この発言、間違っていると思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに私に権限があるかないかということについては、これはまさに国会が発議することであり、最終的には国民投票であろうと、こう思うところでございます。
これは、年頭の記者会見において質問に答えて、自民党総裁というか総理かという立場を厳密に区分することなく、こういう場では発言をしているところでございますが、この場におきましては、これは記者会見の場でございますから、言わば自民党の党首という立場でも聞かれているわけでございますから、こういう決意を披瀝をさせていただいたということでございます。

○福島みずほ君 憲法の解釈が間違っていますよ。総理としての発言じゃないですか。
公明党山口那津男代表は、二〇二〇年一月十六日の記者会見、憲法改正めぐって安倍総理が私自身の手で成し遂げたいと繰り返し主張していることについて、安倍総理大臣として憲法を決定する権限はない、総理大臣としての言い方は誤解を招くので考えてもらいたいと言っています。
そのとおりだと思います。私の手で成し遂げたい、間違っていますよ。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この私の手でと、こう申し上げているのは、この年頭の記者会見における発言の引用であろうと、こう思うところでございますが、そこはまさに党の総裁という立場、これ年頭の記者会見でありますから、総理としての発言もあれば、あるいは、年頭の記者会見でありますから、そして記者の質問に答えるときにも、それは総理としてというよりも総裁としての発言を求められたんだろうと、こういう観点から申し上げたわけでございまして、このリーダーシップをしっかりと前へ進めていこうということでございます。
また、ちなみにですね、ちなみに、国会の施政方針演説でも憲法改正について言及をしておりますが、憲法第六十七条の規定に基づき国会議員の中から指名された内閣総理大臣である私が、憲法に関する事柄を含め、政治上の見解、行政上の事項等について説明を行い、国会に対して議論を呼びかけることは禁じられているものではないというのが従来からの政府の立場でございます。

○福島みずほ君 河井あんりさんたちのことは、総裁として、私は総理大臣だから総裁として言わないと言って、こんなになったら、それは総理大臣の発言じゃなくて、総裁としての発言だと言う。でも、与党の二重基準ですよ。都合が良くころころ変えないでください。
山口代表だってこう言っているんです。憲法、間違った解釈やらないでください。憲法改正の中身も問題ですが、間違った、憲法の分からない総理に憲法改正など言ってほしくないんです。今後気を付けていただきたいということを強く申し上げます。
次に、中東への自衛隊派遣についてお聞きをいたします。
これは、まさに四条一項十八号の所掌事務の遂行に必要な調査及び研究であると防衛省は言っています。調査研究って何ですか。

○国務大臣(河野太郎君) 防衛省・自衛隊の所掌事務の遂行に必要な調査研究であります。

○福島みずほ君 条文を読んだだけで、分かりません。

○国務大臣(河野太郎君) 所掌事務を遂行するために調べる、情報を集める、そういうことです。

○福島みずほ君 この場合の所掌事務とは何ですか。

○国務大臣(河野太郎君) 今回の中東派遣は、海上警備行動を発令するに必要な情報を集める、そういうことでございます。

○福島みずほ君 調査研究で自衛隊を出せるんだったら、陸上自衛隊も空自も出せるということですね。理論上は出せるということですね、今後も。問題じゃないですか。

○国務大臣(河野太郎君) この調査研究に関わる規定は、そもそも自衛隊が艦艇や航空機などを使って情報収集活動、警戒監視を行うことができることを法律上明らかにする趣旨で設けたものでございます。
所掌事務の遂行に必要な範囲内で行われる、そういうことでございます。

○福島みずほ君 調査研究で自衛隊部隊を出せる、ミサイルを持った護衛艦が出ていくわけですね。そうすると、陸上自衛隊も調査研究で戦車持っていけるというふうに理論上はなりますね。

○国務大臣(河野太郎君) 所掌事務の遂行に必要な範囲内で行うことができるわけでございます。

○福島みずほ君 問いに答えてください。
陸上自衛隊が行くにはその国の承認は要るかもしれません。でも、理論上は、部隊が、陸上自衛隊が戦車を持って部隊として出ていける。もちろん、その国の同意は要りますよ。でも、それがあれば、この調査研究で今回出すんであれば、将来だってそのことが起きるかもしれない。陸上自衛隊だって調査研究を理由に出すことが可能に理論上はなりますね。

○国務大臣(河野太郎君) 陸上自衛隊の個人あるいは部隊が他国に行く場合には、当然に他国の了解が必要になります。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 河野防衛大臣。

○国務大臣(河野太郎君) 今にわかに戦車が必要な調査研究というのを思い付きません。(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 河野防衛大臣。

○国務大臣(河野太郎君) 所掌事務の範囲内ということでございますので、どういうケースで戦車を出さなければいけないのか、御提示をいただければお答えできると思います。

○福島みずほ君 質問の意図が分かっていらっしゃらなくて残念です。
調査研究で護衛艦、ミサイル持って行けるんであれば、陸上自衛隊も空自も、陸上自衛隊、戦車持って部隊が行く、調査研究でということも理論上は可能かと聞いているんです。

○国務大臣(河野太郎君) 理論とおっしゃいますが、どういうケースになるのか想定ができないものですから、どういうケースかとお聞きしております。

○福島みずほ君 法律上の根拠がこの調査研究だと言うから、こんなことがまかり通るんだったら、陸上自衛隊だって部隊が行けるようになるでしょう、戦車を持っても行けるようになるでしょう、ということですねということをお聞きしているんです。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 陸上自衛隊も調査研究で出したことがあります。それは、南スーダンPKOの検討に関して、現地に調査チームを派遣し、関係機関との調整や現地情勢の調査を実施したところでございます。また、空自は、特別輸送機の国外運航に際し、目的地の空港に隊員を派遣し、調査を実施したといった例があるわけでございます。
言わば、こういう範囲内で調査研究を行っていると、こういうことでございます。

○福島みずほ君 PKOにおける調査研究と今回の護衛艦が行く調査研究、違うじゃないですか。
「たかなみ」はミサイル持っているんですよ。これが許されるんだったら、陸自だって部隊が行くことになりますね、単なる調査研究というのを超えて、超えてというか、調査研究でできるんだったら、できるようになりますねという確認です。

○国務大臣(河野太郎君) 陸上自衛隊も、調査チームという形で動かしたことはございます。

○福島みずほ君 今回の「たかなみ」の調査研究は今までの調査研究と違うから聞いているんです。部隊が出ていくじゃないですか、ミサイル持って。
だとすれば、これ、条文上は陸自も海自も何の限定も付いていません。だとしたら、調査研究名目で陸自も戦車持って行ける場合も、理論上は、法律上は除外されないということでよろしいですね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 所掌事務において、他国に戦車を持っていってその所掌事務を実行するということは到底考えられないということでございまして、それは想定できないということでございます。

○福島みずほ君 だから、問題だと思っているんです。
確かに、陸自だったら、その国の同意は要ります。でも、今回、調査研究といういいかげんな理由で護衛艦出すから問題なんです。新たな立法もないですよ。国会の承認も、そして審議もないじゃないですか。
中谷元防衛大臣は、防衛庁長官ですか、彼は新たな立法が必要だと言っています。そうだと思いますよ。こんなに簡単に、何で護衛艦出せるんですか。それが私の問題関心です。
では、次に、海上警備行動ですが、誰を保護の対象とするんですか。想定する日本関係船舶とは何ですか。

○国務大臣(河野太郎君) 日本船籍ですとか、あるいは日本関係船舶、日本人が乗っている船、あるいは日本の海運会社が運航している船、あるいは日本向けの積荷を積んでいて日本経済に、その安定的に入ってくることが重要な船、そういうものについて、必要とあれば海上警備行動を取るということになるわけで、そのための調査研究でございます。

○福島みずほ君 積荷が日本の外国船舶についても海上警備行動をやるということですね。

○国務大臣(河野太郎君) 今申し上げたとおり、日本船籍に加えて、外国船籍で日本関係の船舶も含まれます。

○福島みずほ君 今度の調査研究は、閣議決定で領域が、行けるところが限られております。ホルムズ海峡は含まれておりません。
ホルムズ海峡で日本関係船舶に不測の事態が生じた場合、どうするんですか。

○国務大臣(河野太郎君) ホルムズ海峡をタンカーが主に通ります分離航行路はオマーンの領海でございます。領海の場合には沿岸国が責任を持つということになります。

○福島みずほ君 だから、どうなるんですか。

○国務大臣(河野太郎君) 沿岸国が領海内を航行する船舶の航行安全の責任を持つということです。

○福島みずほ君 とすると、ホルムズ海峡において不測の事態が日本関係船舶だった場合、海上警備行動はしないということなんですね。

○国務大臣(河野太郎君) 領海内は沿岸国が責任を持ちますので、その沿岸国の事前の了承なしに海上警備行動を取ることはできません。

○福島みずほ君 つまり、一番危ないかどうかはあれですが、ホルムズ海峡ではなく、別のところを護衛艦「たかなみ」はいるわけですね。そうすると、一体、本当にどうなるのかというふうに思います。
それで、この閣議決定のときに、閣議決定及び当該活動が終了したときはその結果を国会に報告するとあります。国会の報告っていつやるんですか。なされていないでしょう。なぜ、いつやるんですか。

○国務大臣(菅義偉君) この国会報告については、昨年十二月二十七日の閣議決定直後に全国会議員に閣議決定本文を配付することにより報告を行ったものであります。
そして、あわせて、本年一月十七日の衆議院安全保障委員会及び参議院外交防衛委員会閉会中審査開会時においても、河野防衛大臣及び茂木外務大臣から報告を行いました。

○福島みずほ君 驚きました。国会議員にペーパー配ったのが報告なんですか、国会への。国会ってこんなに軽視されていていいんですか。国会への報告だったら、きちっと中身を報告し、議論し、審議すべき。
少なくとも報告が、国会議員のペーパー一枚なんて、いや、一枚じゃないか、国会議員に対する資料の配付なんて噴飯物ですよ。聞いたことがない。どうですか。

○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたように、事前に、防衛大臣、外務大臣が出席で委員会を行っています。

○福島みずほ君 この参議院は、海外に自衛隊を送らない旨の決議をやっている本当にすばらしい院です。海外に自衛隊を出すことに関しては、憲法上の問題もあり、大問題です。それがペーパーを単に配ればいいという話ではないでしょう。
国会で、本会議で、しっかり報告して、中身をしなくちゃいけない。でなければ、一年後に、じゃ、こういう活動をやりましたもペーパーで報告しました、いや、外交防衛委員会で冒頭説明しました、これで国会への報告なんですか。シビリアンコントロールが全くないと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたように、衆議院、参議院のそれぞれ安全保障委員会、外交防衛委員会の中で閉会中審査を行い、審議を行っているんじゃないでしょうか。

○福島みずほ君 閉会中審査は報告じゃないじゃないですか。

○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げていますけど、閣議決定本文を配付することにより報告を行っております。
さらに、それぞれの衆参の委員会において、冒頭報告を行った上で審議されたんじゃないでしょうか。

○福島みずほ君 海外に自衛隊を送ることに関する報告はもっと重いものであるべきですよ。国会の全く民主的コントロール、シビリアンコントロール利かないじゃないですか。ペーパー配ったからいいんですか。審議したらいいんですか。野党が応じた閉会中審査でやったらいいんですか。それじゃ足りないでしょう。ちゃんとした報告がなければ、国会審議できないですよ。だったら調査研究で勝手に出ていくということになりますよ。単なる紙でいいんですか。こんな国会を軽視したやり方で自衛隊を絶対に出しちゃ駄目ですよ。
これだけの議論で、二月二日、横須賀港から「たかなみ」が出ていくんですよね。これでいいんですか。

○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げておりますように、閣議決定直後に国会議員にその閣議決定本文を配付すること、さらにまた、両委員会の求めに応じて、衆議院においては安全保障委員会、参議院においては外交防衛委員会の閉会中審査、ここを行っております。そういう形の中で、今回、御理解をいただきたいということであります。

○福島みずほ君 この閣議決定は、「当該活動が終了したときはその結果を国会に報告する。」とあります。それがその程度のものの報告だったら本当駄目ですよ。本会議できちっとした分厚い報告書をちゃんと出して、黒塗りではなく、ちゃんとやるべきじゃないですか。調査研究で出して、こんな国会の関与でいいんですか。
米国との連携についてお聞きをいたします。
米国との連携については、自衛隊による米艦船等の防護、日米ACSAに基づく米国への後方支援、軍事情報の提供等は含まれているのでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君) 今回の中東派遣についてお尋ねであれば、自衛隊が収集した情報を一般的な形で米国と共有するということを考えております。

○福島みずほ君 前者の二つはいかがですか。

○国務大臣(河野太郎君) 今考えているのは、米国の中央軍の司令部に自衛官を派遣をし、そこを起点として情報の共有を一般的に図るということでございます。

○福島みずほ君 緊張が高まっていることは誰でも認めるものだと思います。このような中に自衛隊を調査研究という名目で新しい立法もなく出して、国会の報告はこんな感じで、出していいのかと思います。
情報の連携もやるわけですが、自衛隊による艦船等の防護、日米ACSAに基づく米国への後方支援や、その場で何か一触即発のことがあれば集団的自衛権の行使にもつながりかねないと思います。自衛隊をこんな形で出してはいけない、憲法違反、そして新たな立法もない、国会の承認もない、国会の審議もない、これで出してはならないというふうに思います。
次に、補正予算の中身についてお聞きをいたします。
補正予算ですが、防衛予算、財政法二十九条との整合性です。補正予算が四千二百八十七億円、ミサイルや戦闘機の兵器ローンは三千八百七億円、八九%。これで、補正予算で、財政法二十九条、これを読み上げ、整合性を御説明ください。

○国務大臣(河野太郎君) 財政法の二十九条は、内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に応じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。その中の二項、予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合とあります。
〔委員長退席、理事三宅伸吾君着席〕

○福島みずほ君 一号が問題だと思いますが、一号を読んでください。

○国務大臣(河野太郎君) 法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うため必要な予算の追加を行う場合。(発言する者あり)

○理事(三宅伸吾君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕

○理事(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(河野太郎君) 法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うために必要な予算の追加を行う場合。(発言する者あり)

○理事(三宅伸吾君) 河野防衛大臣、河野防衛大臣、申し上げます。答弁は真摯に丁寧にお願い申し上げます。
もう一度、河野防衛大臣、お願いします。

○国務大臣(河野太郎君) 法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うため必要な予算の追加を行う場合。

○福島みずほ君 今回の補正予算、どこが緊要なんですか、防衛予算。

○国務大臣(河野太郎君) 財政法二十九条第二項の予算作成後に生じた事由に基づいて予算要求をしております。

○福島みずほ君 緊要、この緊要となった経費の支出に、なぜこの防衛予算のミサイル、戦闘機が入るんですかという質問です。

○国務大臣(河野太郎君) 昨年の予算編成後、北朝鮮は二十発以上の弾道ミサイルの発射を繰り返し、また、ロシアの爆撃機による領空侵犯、中ロの爆撃機による我が国周辺での初めての共同哨戒飛行、あるいは自衛隊の活動を必要とする自然災害が相次いで発生した、このようなことでございます。

○福島みずほ君 四千二百八十七億円のうち、ミサイルや戦闘機の兵器ローンが三千八百七億円、八九%、FMSが千七百七十三億円、四七%です。FMSや兵器ローン、違うでしょう。
〔理事三宅伸吾君退席、委員長着席〕

○国務大臣(河野太郎君) 相手方に支払を早めに行うことによって製造工程の進捗を図り、必要な装備品を着実かつ可能な限り早期に取得することを目的としております。

○福島みずほ君 さっきの答弁と違うじゃないですか。

○国務大臣(河野太郎君) 先ほど起きた事象に対応するためにこのようなことをやっております。

○福島みずほ君 十年前のFMSやいろんなものがなかなか払われていないとか、よく会計検査院で来ていないってありますね。補正予算を組まなければいけないほどのものではないですよ。だって、これは兵器ローンが八九%、FMSが四七%ですよ。補正予算で組まずに本予算に入れるべきじゃないですか。

○国務大臣(河野太郎君) 国土防衛のために少しでも早く必要な装備品を取得したいと考えております。

○福島みずほ君 だって、これは兵器ローンとかFMSですよ。兵器ローンですよ。(発言する者あり)そう、早くならないですよ。

○国務大臣(河野太郎君) 相手方に支払を行うことで製造工程の進捗を図り、必要な装備品を着実かつ可能な限り早期に取得する、そういうことで米側とも認識は共通でございます。

○委員長(金子原二郎君) 河野大臣、質疑者の質問に真摯にお答えいただくようによろしくお願いいたします。

○国務大臣(河野太郎君) FMS調達による装備品等に係る経費の一部を令和元年度中に支払うことにより、FMS調達による装備品等の製造が促進され、納入時期の早期化に資するという認識は米国とも一致しており、この補正予算のおかげで当初予定よりも納入時期は一定程度早まるものと考えております。

○福島みずほ君 契約書に期限が決まっているんじゃないですか。

○国務大臣(河野太郎君) 納入時期は予定とされており、LOAにおいても米国政府は納入時期を遵守することに最大限努力するとされております。
この令和元年度中に支払うことにより、FMS調達による装備品等の製造が促進され、納入時期が一か月程度早まるものと考えております。

○福島みずほ君 だって、契約によって納期が決まっているんですよ。幾ら早くお金払ったって、兵器ローンを、決まっているじゃないですか。しかも、今一か月早まるって聞いてちょっと驚きです。補正予算に入れるべきじゃないですよ。

○国務大臣(河野太郎君) 日本周辺の安全保障環境が非常に厳しい中、一か月でも重要だと考えております。

○福島みずほ君 結局、本予算における防衛予算を少なくするために補正予算に割り振っているだけですよ。こんなお金の使い道、本当におかしいです。
次に、安倍総理は、外国に行った場合、外国政府に対して支援を約束を様々してきました。過去五年間、二〇一三年から二〇一九年を見ると、一ドル百円で換算すると、これは外務省に頼んだので一ドル百円で計算してあります、総理による主な支援表明から官民合わせて表明したものを除いたコミットメント総額の合計は三十九兆九千八百七十一億円、官民合わせて表明したもののうちODAの実績は約六兆四千四百四十二億円、合わせると四十六兆四千三百十三億円、これ外務省の計算です。重複があったり円借款が含まれていることは承知をしておりますが、国の支援として結局総額幾らやっているんですか。

○国務大臣(茂木敏充君) 総理や私の外遊など様々な機会においてODAを活用した支援策を表明しておりまして、我が国の国際社会におけるプレゼンスの向上、そして主導的役割を果たすために最も重要な手段の一つだと考えております。
そして、支援の表明、様々な機会に行っておりますが、それぞれの表明における支援の内容とか対象地域が重なっておりまして、例えば総理がヨルダンに行ってヨルダンに対する支援策を言う、で、エジプトに行って中東の人道支援のコミットメントをする、さらに国連に行きまして中東の平和維持のためのコミットメントをする、それぞれ重なってくる。ですから、単純に足せるものではない。
先生の方にも、事務的にも機械的に加算した場合に金額が実際より大きくなってしまう、誤解を招く数字になってしまう、そうお断りをした上でその数字をお示ししたと、機械的に出せとおっしゃるんでそういたしましたが、実際には二〇一二年から一八年までの七年間の外務省のODAの年平均額は約五千七百億円でありまして、七年間の総額は約四兆円ということになります。

○福島みずほ君 ODAだけについて聞いているんじゃないんです、ダブっていることがあることも分かっているんです。だけど、ダブっているものを除いてちゃんと計算して総額幾らか、これは税金ですからチェックする必要がある。総理、どうなんですか。

○委員長(金子原二郎君) 福島さん、時間来ております。
茂木大臣、答弁簡潔に。

○国務大臣(茂木敏充君) 民間資金は税金ではございません。

○委員長(金子原二郎君) 福島さん、もう時間が来ています。

○福島みずほ君 だから、私もさっき民間資金は除外しています。官民合わせて表明したもののうち、ODAが六兆四千四百四十二億円で……

○委員長(金子原二郎君) 時間です。

○福島みずほ君 この総額が四十六兆四千三百十三億円で、国会の承認を経ていないものも入っているんですよ。

○委員長(金子原二郎君) 時間です。

○福島みずほ君 その後、得たかもしれませんが、このお金の使い道に関してしっかりチェックをしていきたいと思います。
国会への報告が紙切れ一枚なんて冗談じゃない。こんなので、中東、自衛隊送るなということを強く申し上げ、質問を終わります。

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