ACTIVITY BLOG活動ブログ

2022年5月24日、厚労委員会で児童福祉法改正法案について審議、子どもの意見表明権などについて質問 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

208-参-厚生労働委員会-016号 2022年05月24日(未定稿)

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の社民党の福島みずほです。
まず、子供の意見表明権を明示している条文はありますか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 児童福祉法におきましては、第一条において、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子供の権利保障を理念として定めまして、第二条において、国民の努力義務として、子供の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身共に健やかに育成されるよう努めなければならない、そういう旨が規定されております。
これらの規定におきまして直接定めておりますのは子供の意見の尊重ということでありまして、今委員が御指摘されました意見の表明の権利ということまで含むものではございませんが、これらの規定の趣旨を踏まえて、その実効性を担保する施策を推進するということは重要と考えております。
こうした中で、今回、令和元年の児童福祉法改正法の附則の検討規定も踏まえて審議会等で議論いたしまして、一時保護や入所措置等を実施する際の児童相談所等による意見聴取義務ですとか、あるいは都道府県等の事業として意見表明等支援事業を創設すること、こういったことを子供の意見表明に関する取組ということで盛り込んだところでございまして、今後は、これらの法律上の規定に基づいて、しっかりと子供の権利の擁護ということの取組を推進してまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 意見の尊重ということと意見の表明権というのは違うと思うんですね。
改めてお聞きしますが、附則第七条四号、二〇一九年の児童福祉法附則なんですが、「児童の保護及び支援に当たって、児童の意見を聴く機会及び児童が自ら意見を述べることができる機会の確保、当該機会における児童を支援する仕組みの構築、児童の権利を擁護する仕組みの構築その他の児童の意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されるための措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」、ここでははっきりと子供が自ら意見を述べることができるということが書いてあります。
附帯決議も、「子どもが意見を述べることを支援するための制度を構築し、子どもの最善の利益を確保するため、いわゆるアドボケイト制度の導入に向けた検討を早急に行うこと。」としております。
社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会の報告書二十六ページ以下も、「子どもの意見・意向を聴き、子どもが参画する中で、子どもの最善の利益を考えて意思決定が成されることが必要である。」、つまり、子供の意見を聴きとなっていて、子供の意見表明権と言っているんですね。
子供の意見の尊重と表明権の保障は違うと思いますが、なぜ、子供の意見表明権、はっきり書いていないんでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 先ほど答弁いたしましたように、今回の改正案の中に盛り込んでおりますものは、今委員から御指摘いただきました令和元年改正法の附則の第七条四項のところを基にしまして、審議会等で様々議論を重ねた結果として盛り込んだものでございます。
子供の意見の表明ということについては、これはいろんな場面というものがあると思いますけれども、今回の審議会等で意見を、議論を重ね、そして法案の中に盛り込むということにしたものにつきましては、この一時保護とか入所措置、そういった子供の身の上にとって本当に重大なことが生じるときに、しっかりと子供の意見を聴いて、その上で判断していくということを制度上担保するために盛り込もうということで提案させていっているものでございまして、また、そのほかの場面の様々な子供の意見の表明ということの取扱いについては、また幅広く御議論をいただく場面もあろうかというふうに思っております。

○福島みずほ君 子供の権利に関する条約のいわゆる肝の部分、あんこの部分は、まさに子供の意見表明権だと思います。附帯決議や附則であって、そして、その部会、審議会の報告書にも書いてあるのに、なぜ子供の意見表明権を明示的に書かないのかというのが理解ができません。子供の意見の尊重と意見表明権を明示することは別のものです。
今回、子供の意見を尊重とかですね、そういうのはあるけれども、でも、必ずしも子供の意見表明権の保障ではないんですね。この点について、しっかりこの条文にないというか、反映されてないんじゃないかと、検討結果が、ということを、専門家委員会の検討結果も反映されていないということを強く申し上げ、これは明記すべきだということを強く申し上げます。
次に、司法審査についてお聞きをいたします。
司法審査は必要だと思います。適正手続はまさに必要です。ただ、これ、子供のこれまた意見表明権をどう保障するか。これは、例えば国費による子供代理人の必要性とか、確かに子供代理人の必要性と、お金が非常に掛かるかもしれません。しかし、司法審査の場合における子供の意見表明権の保障というのをするためには、代理人も必要だし、伴走型で支援する人も必要だと思います。この点についていかがでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 一時保護の開始時の司法審査に際しまして、子供の意見については、児童相談所が可能な限り疎明資料に盛り込んで裁判所に提出する形とすることを考えてございます。具体的には、今般の児童福祉法改正案において、児童相談所等による子供への意見聴取を法律上義務付けておりまして、そこで聴取した内容を疎明資料に盛り込むということになります。
これに加えまして、都道府県における事業として、弁護士を含め、NPO、ソーシャルワーク専門職など多様なバックグラウンドを持つ意見表明等支援員を養成し、意見聴取等の際に支援することを制度上位置付け、制度的に位置付け、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
今委員の方から、国費による代理人選任というふうなお話ございました。そういったことに、子供の代理人というふうな取組を行っているようなシェルターなどの事案があるというふうにも承知しております。一般論で申し上げますと、それぞれの都道府県における判断とはなりますけれども、その子供の担当の弁護士というのが意見表明等支援員として都道府県における事業の中で位置付けられ、地域において子供の権利擁護を図るための意見表明等支援に取り組んでいただくということもあり得るものというふうには考えております。

○福島みずほ君 この司法審査には賛成なんですが、児童相談所の一時保護委託、あるいはこれが消極化してしまうんじゃないか、つまり保護控えが起きるんではないかという懸念についてはいかがですか。

○国務大臣(後藤茂之君) 一時保護が子供の安全を守る観点からちゅうちょなく適切に実施されることが重要であると考えておりまして、委員御指摘のような、司法審査の導入によって手続が増すことで児童相談所が一時保護をちゅうちょしたり、一時保護の実施が遅れたりするような運用があってはならないというふうに考えています。
このため、今般の司法審査の導入に当たって、一時保護の要件を法令上明確化することとしておりますが、児童相談所がちゅうちょなく適切な一時保護を開始できるよう、現行の一時保護ガイドラインや様々なケースで行われている一時保護の実情を踏まえた適切な規定ぶりとする予定でございます。
また、司法審査の導入による手続が煩雑となりまして、それを理由として保護を控えるといったようなことがないように、裁判所に提出する疎明資料の作成や裁判所との間で疎明資料のやり取りを行う事務等の新たに発生する事務については、人材確保も含めて児童相談所の司法とのやり取りのための体制強化が必要と認識をいたしております。
厚生労働省としては、弁護士を配置した場合や弁護士事務所等に委託を行った費用の補助を行っており、さらに、法的対応を行う事務職員を配置した場合の費用の補助を令和四年度に創設する等、これまでも児童相談所の法的対応の体制強化を図っているところでありまして、今後更に必要な支援をしっかりと行ってまいりたいというふうに考えております。

○福島みずほ君 是非それはよろしくお願いいたします。
三十三条の六の二に必要な措置とありますけれども、意見表明支援事業についての必要な措置というのは、具体的に厚生労働省、何をお考えでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 意見表明等支援につきましては、これまでもモデル事業を通じて普及を図ってきたところでございますが、より一層の取組を推進するため、今回想定する意見表明等支援事業については、都道府県に必要な措置の実施に係る努力義務というものを課しております。
この必要な措置の中身でございますが、一つは、それぞれの地域における担い手の候補となる、例えば弁護士とかNPOとか専門職の団体などと調整をいたしまして効果的な事業体制について検討するということ、これが一つ。それから二つ目といたしまして、意見表明等支援の担い手となる者に対する研修などの人材確保、養成ということに取り組むということ、これが二つ目。そして、事業実施に必要な予算の確保を行うこと、これが三つ目ということで、こういったものを想定しております。
今後、施行に向けてガイドラインの策定等を検討してまいりますが、こうした考え方についても整理をし、丁寧に自治体等に周知してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 これはいずれ全国で義務化するということでもよろしいんでしょうか。この支援、意見表明支援制度についてです。

○政府参考人(橋本泰宏君) 今現在、モデル事業などもやってございますけれども、まだまだ広がりが十分とは言えない状況でございます。これから施行に向けてしっかりと準備をし、そしてなるべく多くの地域においてこういったことに取り組んでいただくよう、私どもとしては精いっぱい促してまいりたいというふうに考えてございますが、これを将来義務化できるかどうかという点については、今後の普及状況などを見ながら、今後また判断していかなければいけないというふうに思います。

○福島みずほ君 是非、全国で義務化できるように、発展していくように、よろしくお願いいたします。
ちょっとさっきの意見表明権ともダブるんですが、意見表明等支援事業を意見聴取等措置を補完するものと位置付けていることについての問題点、あるのではないでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 児童の権利に関する条約第十二条の理念も踏まえまして、児童福祉法の第二条においては、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮される旨が規定されており、今回設ける児童相談所等の意見聴取等義務や意見表明等支援事業も、その趣旨を実現するために運用されていくものというふうに考えております。
具体的には、今回の児童福祉法改正案におきまして、児童相談所等が、一時保護や施設入所措置等の際に子供の意見や意向を勘案して措置を行うよう、意見聴取等義務ということを設ける、これが一つあり、そしてもう一つ、意見表明等支援員が、上記の措置等の際や処遇について子供の意見や意向を把握し、必要な支援を行う、この二つ目としてこれがあるという、この二つの規定を設けているわけでございます。
今申し上げたこれらは、それぞれが子供の最善の利益のために、子供の意見や意向を把握するために重要な制度でございまして、今委員が御指摘されましたような補完的な関係にあるというふうなものではないというふうに認識しております。
その上で、子供の意見や意向については、それぞれの制度に基づき、子供の置かれた状況や子供のニーズに応じて意見表明等支援員や児童相談所、関係施設の職員など適切な関係者が把握をして、そして適切な子供への支援につなげていくということが重要だと考えております。

○福島みずほ君 児童の福祉に関し知識又は経験を有する者というふうにしておりますが、この子供の意見表明権を保障するには、子供アドボカシーを理解し、子供の側に立ち、子供のいわゆるマイクとなる専門性を有する必要があると考えています。
児童福祉に関し知識、経験を有するだけで誰でもできることではありません。子供の意見表明支援に関する専門性という文言を入れるべきではないでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 意見表明等支援員は、子供の最善の利益のために、子供の立場に立ってその意見や意向を把握し、必要に応じて行政機関や児童福祉施設等の関係機関等との連絡調整を行う役割を担うものでありまして、一定の専門性が必要であるというふうに認識しております。
その上で、条文上は、弁護士や社会福祉士等の専門職とか、あるいはノウハウのあるNPOなど、非常に多様なバックグラウンドを持つ人材が担うということを想定しておりますので、したがって、有する、そういった方々が有している専門性も様々であるということから、条文上は、専門というふうな言葉ではなくて、児童の福祉に関して知識又は経験を有する者というふうな規定の仕方をさせていただいていると、こういうことでございます。

○福島みずほ君 独立性と守秘義務についてお聞きをいたします。
守秘義務も非常に大事、担当の職員に言わないでねと子供はよく言うというふうに調査報告書でありますけれども、守秘義務も必要です。それからもう一つ、独立性も必要です。場合によっては、その児童養護施設の職員に対する不満やいろんなことが、こうしてほしいとか、こういう規則は嫌だとか、もう帰りたいとか、いろんなことが出てくると思います。
それで、一見衝突する、児童養護施設にとって不愉快なことも、不愉快というか、子供たちはもちろん言う可能性があるわけで、そうしたときに、やっぱり独立性の担保、児童養護施設から独立していること、守秘義務ということが必要だと思いますが、これについて明言の規定はありません。いかがですか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 今委員から、独立性とそれから秘密保持ということと二点御指摘いただきましたが、まず秘密ということに関しましては、法律の条文上、明文をもって担保してございます。
その上で、独立性の方の問題でございますけれども、社会保障審議会の専門委員会におきましても、一定の独立性を担保する必要がある旨の指摘を受けておりまして、意見表明等支援員は、一時保護や措置等を実施する児童相談所等からの独立性が重要であるというふうに認識しております。
そのため、例えば児童相談所が自らこの事業を行うというふうなことは想定しておりませんで、児童相談所からは独立性を有する方が実施するということを想定したものでございます。

○福島みずほ君 子供にとっては、自分が言えるんだ、審議会とかいろんなところにアクセスできるんだというために、今までの調査研究の事業報告書によると、明石市などは、というか、分かりやすく子供に伝えるように、児童養護施設にあるとかいろんなことが書いてありますが、子供たちにどうやって周知するか、分かりやすく、例えば動画でやるとかですね、その辺はいかがでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) まさに、子供たち自身が意見を表明する主役でございますので、そういった子供たちにどういうふうにこの趣旨を理解してもらえるか、そこのところは重要な検討課題だというふうに思っております。
いろいろモデル事業の中でも様々な経験を蓄積してきておりますので、そういったものを踏まえながら、今後よく検討させていただきたいと思います。

○福島みずほ君 司法審査や子供の意見表明支援事業、支援制度の導入によって子供の権利保障がどのように改善されるかの検証と、より良い制度改善への、五年後の法案見直しがとても必要だと思います。
モデル事業についての事業報告書を読まさせていただきました。明石と岡山県と大分県の事例についてですが、やはり、例えば子供たち、大人に言っても無駄だと思っている場合が多いが、この取組について、これは一時保護所の場合ですが、自分の後に続く子供のために少しでも役に立つなら協力したいなどという感想を話す子供がほとんどであると。ほかの子供のためにも言いたいというのがあるわけですね。
それから、例えば、髪を染めることやピアスの許可などは即時に対応している。こうした生活環境の改善に対して、一時保護所を何度か利用した経験のある子供からは、一時保護所が劇的に改善した等の声が聞かれている。ただし、スマートフォンの持込み、窓を増やす、起床、就寝、入浴時間の変更等は人員体制や設備面の改善が必要となるため、すぐには対応することは困難であり、繰り返し理解が出ているけれども、でも子供たちがまさにエンカレッジしていく、つまり自分自身が伝えた意見が実際に生かされ、改善につながる様子を見ることが、子供たちの無力感を軽減し、エンパワーメントすることにつながっているというふうに報告書にあります。そういうふうになると、全て自分の言ったことが改善されなくても、ほかの子供のために頑張ろうと思って言ったことがその次につながるとかですね、いい、本当にいい循環になると思います。
ですから、私が本当にお願いしたい、あるいは質問は、さっき言ったこの制度の導入により子供の権利保障がどのように改善されるかの検証とより良い制度改善への法案見直し、是非していただきたい、いかがでしょうか。

○国務大臣(後藤茂之君) 子供の権利擁護に関しましては、令和元年度より厚生労働省の補助事業でモデル事業を実施するとともに、子供の意見表明等支援に関する調査研究も行いまして、その実態的な把握や先進的な取組の支援を行っております。
今般の児童福祉法改正案において導入する一時保護開始時の司法審査や社会的養護を受ける子供を含めた意見表明等支援事業につきましては、いずれも児童福祉法の規定に基づき、その子供の権利保障の理念の下、子供の最善の利益のために実施されるものでございます。
今後、改正法案が成立した暁には、それぞれにまずはその円滑な施行に取り組んでいくことが重要であると認識しております。その上で、委員御指摘のように、引き続き、子供の権利擁護などの実態把握を必要に応じて実施することによりまして、これらの施策の施行の状況を把握し、それを勘案して必要があると認めるときは、改正案における施行後五年をめどとした見直し検討規定に基づきまして必要な見直しを検討していくものと考えております。

○福島みずほ君 今後の検証も必要ですし、大臣の力強い答弁で、是非この後、本当にこれが、本当にどのような形で、各地域で実際どのように実施されて、どのような成果があり、どんな問題があり、どんな課題があるのか、是非それを検証しつつ、また前進してやっていただきたいということを強く要望いたします。
刑務所や少年院や児童養護施設やいろんなところに行くと、図書室、図書をよくどんなかなと思ったりします。児童養護施設ではちょっと見たことがなく、刑務所などではどんな図書室があるのかというのは見たことがあるんですが。
かつて、刑務所、少年院、児童養護施設などで図書費の割合がどれぐらいかというのをあらかじめ聞いたことがありますが、どこも、グロスというか、まとめて予算というふうにやっているので、図書費だけを取り出して幾ら図書費を掛けているかということをなかなか出てこないというのがありました。
しかし、細かくいろんな調査や、もらうと、やっぱり図書費ってすごくお金が掛けていない、ほとんどお金を掛けていないというところも本当にありました。もちろん、学校に図書館、図書室はあるわけですが、そっちも貧弱な場合も大変あります。ほとんど図書費を掛けていない、お金がないという児童養護施設もありました、実際。
児童養護施設を退所した子供たちと話し、ある女性はすごい頑張ってファンドレイジングをつくると。それで、例えば、私がミヒャエル・エンデの「モモ」をプレゼントしたいと言うと、それをプレゼントして寄附すると、その本、要するにファンドレイジングで何千万とお金が集まって、児童養護施設にいる子供たちにその自分がプレゼントしたい本をプレゼントするという、そういうファンドレイジングを企画して大成功というか、非常に成果を上げていました。
しかし、それは反面、公費で購入する図書が、図書費が低かったり貧弱だという問題があると思います。退所した子供たち、子供と話していると、例えば寄附に、賄っていると、例えば高齢の男性だと本が子供たちと合わなかったり、あるいは本が古かったり、すごく前の本だったり、前の本でもいい本たくさんありますが、同じような本だったり、合わないということもあります。寄附に頼るのもいいけれど、本の寄附ですね、でもそれはまたちょっと子供たちのニーズとも違うと思います。
子供たちの心の栄養、心の耕しのための図書って本当に大事で、この図書費の増額というのを是非していただきたい、いかがでしょうか。図書購入の現状と図書の購入予算の増額の必要性についてお聞きをいたします。

○国務大臣(後藤茂之君) 児童養護施設における子供たち、これまで生育環境に恵まれず育ってきた場合も多いわけでありますけれども、読書はこうした子供たちの豊かな情緒を育むために非常に重要であると、先生と認識を共有しております。
図書の購入に係る費用としては、措置費における児童の日常生活に必要な経費の中で支弁しておりまして、そういう意味では一括ということになっているわけでございます。
児童養護施設における図書購入の実態については現状で把握しておらないわけでありますけれども、厚生労働省としては、今後、児童養護施設の在り方を検討する中で、学校現場での読書支援や地域の図書館の活用状況や、児童養護施設における図書の整備状況や図書へのニーズなども踏まえた対応が必要であると考えております。まずは施設関係者から入所者の読書支援ニーズなどを伺った上で、その対応について具体的に検討していきたいと思います。

○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
携帯電話のことなんですが、かつてこの委員会で、一時保護所における携帯電話、スマートフォンなど持ち込めないということでどうかというので、それはなかなか今も難しいというふうに聞いておりますが、児童養護施設における携帯電話の使用の現状とか、それからインターネットの扱いというのはどうなっているでしょうか。WiFi環境はどうなっているでしょうか。
子供たちにタブレットを一台ずつ貸与するとか、いろんなギグ教育構想とかありますけれども……(発言する者あり)あっ、GIGAか、GIGA、ごめんなさい、GIGA教育、失礼しました、GIGA教育構想。まあそれはどう評価するかというのは評価も様々ですが、しかし、タブレットを子供に与えると、そうするとWiFi環境が整っていないと非常に困ると思いますが、児童養護施設でこのWiFi環境が整ってないところもあるというふうに聞いております。いかがでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) まず、携帯電話の件でございますけれども、児童養護施設における児童の携帯電話の使用についての実態というものは私ども把握はいたしておりません。ですが、児童養護施設に入所する子供たちにとりましても、就学や就労の際、あるいは日常生活におきまして様々な情報にアクセスするための通信手段として携帯電話は欠かせないものになっているだろうというふうに認識しております。
したがいまして、施設に入所している子供たちの携帯電話の利用については、これを一律に禁止しているものではございませんで、各施設の特性を踏まえ、所持するかどうかも含めて、子供の年齢、利用頻度、閲覧の制限など、各施設において適切に御判断いただいているというふうに認識しております。
また、携帯電話に係る費用につきましては、児童の日常生活に必要となる諸経費の中で措置費も活用できるということにしております。
それからあと、WiFi環境についてのお尋ねもいただきました。
児童養護施設におけるWiFi環境につきまして、施設のICT化の推進に必要な環境整備に係る支援を行っているところでございます。児童の学習機会の確保や学習環境の改善のためにはWiFi環境の整備は大変重要であるというふうに考えておりますので、このWiFi環境の整備状況の実態というものを私どもは調査をいたしまして、支援の必要性について引き続き検討してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 WiFi環境がないところもあるというふうに聞いておりますので、是非お願いします。
また、これまた退所した人たちと話をしたときに、アパートを借りる際や就職の際の保証人の問題で困っているというのがありました。今まではというか、所長さんが二年間は身元保証人になると。今度から五年間は身元保証人になるというふうに改善されたというふうに聞き、これは本当によかったと思っています。就職して、でも、また何か働きたいというときに身元保証人がいなくて本当に困ってしまう、仕事に就けないという話も聞きますので、その身元保証人問題について一言お願いいたします。
そして、児童養護施設所等の入所措置や里親委託等が解除された者の実態把握に関する全国調査というのを読みました。やっぱり退所した後どうなのか。ですから、子供シェルターの後、ステップハウスがあり、ステップハウスに見学に行ったこともありますが、退所した後、あの子供たちの支援が必要だと。で、この調査の結果だと、退所に向けての不安や心配だったこと、生活費、学費四七%、仕事のこと三八・八%、将来のこと三五・八%。公的なサポートへの意見、要望は、今後利用してみたいサポートやサービスでは、奨学金や生活費の貸付け、生活保護などの金銭面に関する支援二九%、住宅の確保に活用できる給付金や食事の提供など住居や食事、食料に関する支援が二六・七%。やっぱり支援をしてほしいと思っているわけです。
この支援してほしい、相談したいというのは一般の人にも、別に児童養護施設退所者だけの問題ではないけれども、このアンケート結果を見ながら、退所した後への支援も本当に、相談窓口を設けるか何か、やっぱり支援をしていただきたいという思いを強くいたしました。この退所した後のことについて、答弁をお願いいたします。

○政府参考人(橋本泰宏君) まず、身元保証人の件でございますけれども、児童養護施設等から退所を予定している児童等が就職やアパート等の賃借契約、あるいは大学等へ進学する際に身元保証人を求められる場合があるというふうに承知いたしております。
このため、施設長等が児童等の身元保証人となりまして損害を被った場合に備えて損害保険契約を締結する場合にその保険料に対して補助を行うということで、施設長等が身元保証人になる場合のハードルを引き下げ、施設を退所する児童が身元保証人を確保しやすくしているところでございます。また、令和三年度に保証人の対象範囲を拡大しまして、退所者支援を行う民間団体等を補助対象に追加するとともに、同一の保証人から複数の保証人を受けられるよう運用の改善を実施いたしました。
さらに、先ほど委員から御指摘いただきましたが、令和四年度には、対象児童等につきまして、措置解除等から二年以内の者であったところを措置解除等から五年以内の者まで拡大したところでございます。
引き続き、こういった支援に取り組みたいと思います。
それからあと、退所後の支援の必要性ということについての御指摘をいただきました。
今回の改正案の中におきまして、施設入所等の措置を解除された方、いわゆるケアリーバーの方々の実情を把握をし、そして、その自立のために必要な援助を行うということにつきまして、これは都道府県が行わなければならない業務というふうに位置付けるということをいたしております。あわせて、社会的養護自立支援拠点事業というものを法定事業として設立いたしまして、退所後の方々が通いとかそういった形で集まっていろいろ情報交換をするとか、あるいはいろんな相談、援助に乗るとか、そういった形での退所後の支援ということを柔軟に行えるような枠組みというものもつくらせていただこうと思っております。
是非こういったものを活用しながら、退所者に対する支援というものをきちんと行っていく、そういう体制を整備してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 頑張ってください。よろしくお願いいたします。

MENU