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本会議 平成21年10月30日

173-参-本会議-3号 平成21年10月30日

○山口那津男君 私は、公明党を代表して、さきの鳩山首相の所信表明演説に対して質問いたします。
 まずは、鳩山新総理のリーダーシップに心から期待をするものであります。どうか日本の進路を誤りなきよう、賢明なかじ取りをお願いいたします。
 さて、私は、去る九月八日、公明党の代表に選任されました。福祉の党、教育の党、平和の党という公明党の旗を高く掲げながら、どこまでも現場第一主義で、庶民の側から、地域から政策を立案、発信し、生活を守り抜く政治、清潔な政治の実現に向けて全力を傾けてまいる所存であります。
 代表に就任して以来今日まで、まず私自身が率先して現場を歩き、国民との対話に積極的に取り組んでおります。また、我が党の三千人を超える議員は、日々、地域の課題、住民の生活課題の解決に全力で汗を流しています。庶民の声、現場の声を受け止めてきた公明党として、鳩山内閣に対しては、言うべきことは言い、正すべきは正すとの姿勢で臨む考えですので、よろしくお願いいたします。
 公明党は、国民一人一人の生命、生活、生存の確保こそ政治の使命であるとする人間主義、中道主義の理念に基づき、一人を大切に、福祉、教育、平和、環境を重視した日本の国づくりを目指します。第一に、安心社会を実現するための年金、医療、介護、子育て支援を柱とする新たな日本型福祉社会の構築、第二に、国づくりの基本は人づくりであると見据えた教育の振興、第三は、平和と環境で世界を牽引する日本の構築です。そして、これらを担保する社会の在り方として、地域主権の確立と自助、共助、公助が調和し、バランスよく効果を発揮する社会を目指すなど、明確な将来ビジョンを掲げ、国会論戦に臨んでまいります。
 さて、鳩山内閣発足後、閣僚による幾つかの注目を浴びる取組や発言がなされました。八ツ場ダムの建設中止、円高容認発言、子育て応援特別手当の執行停止などなど、そのたびに国民の間に混乱が生じ、不安を募らせています。
 そこで、政策変更に関し具体的に指摘します。
 前原国土交通大臣が大臣就任直後に発表した八ツ場ダムの建設中止です。長年にわたり住民と国との間で積み重ねられてきた合意形成のプロセスをすべて無視した一方的なやり方は、全く民主的な手続に反します。私自身、九月二十二日に現地を訪問し、住民、関係者の方々と意見交換した際、政府の突然の政策変更に対する強い憤りの声を多数お聞きしました。
 民主党のマニフェストに基づいて政策変更するのであれば、まず連立政権としてそれを受け入れるのかどうか、政府として従来の政策を変更するのかどうか、理由を示して当事者や国民に理解を求めるべきです。その手続を全く取らず、いきなり変更の結論を強要するやり方は民主主義の精神にもとるものであり、改めるべきであります。
 前原大臣は今になってようやく治水、利水についての再検証を行うと発表しました。なぜ方向転換をしたのですか。政策決定プロセスに間違いがあったとお認めになるのでしょうか。であるならば、中止を白紙に戻して、予断を排し、住民、流域関係者と協議し、明確な代替案とそのコストを国民に示した上で結論を出すべきであります。政府の政策変更手続の在り方について、総理の明確な答弁を求めます。
 さて、民主党が検討している国会改革についてお伺いします。
 報道によると、政府参考人制度の廃止など、官僚の答弁の禁止が伝えられています。もとより政治家同士の議論の活発化は必要ですが、官僚答弁の禁止は、国民主権の下、国権の最高機関である国会の審議制約につながります。まして法律で制限するのはあるべき姿ではなく、国会の幅広い論議が保障される必要があります。
 また、民主党議員による議員立法の原則禁止も、立法府のメンバーである国会議員の法案提出権を奪うことであり、ゆゆしき問題であると考えます。民主党の皆様もよく御存じのとおり、これまで議員立法は、行政上のいきさつから政府が行動できない場合などに、与野党を超えて妥当な解決を図る道として、特に薬害肝炎や水俣病、アスベスト対策など弱者救済に力を発揮してきました。この役割は今後も重要です。
 これら国会の役割に関して、総理と福島国務大臣の見解をお伺いいたします。
 今後、議員立法によって救済を急ぐべき課題として肝炎対策や原爆症対策があります。
 肝炎対策について公明党は、自民党とともに肝炎対策基本法案を提出し、成立に向けて民主党案との調整を図ってきましたが、残念なことにさきの衆院解散により廃案となりました。こうした命にかかわる問題は党派を超えて最優先で取り組むべきではないでしょうか。
 また、原爆症対策についても公明党は、被爆者の立場に立った幅広い認定拡大を進めるとともに、全面解決に向けた訴訟の早期終結に取り組んできました。本年八月、前総理と関係団体との間で、集団訴訟の終結に関する確認書が結ばれましたが、そこに明記された議員立法による被害者救済のための基金の創設は、まだ実現しておりません。
 鳩山総理は、所信表明演説の中で、命を守り、国民生活を第一とした政治を掲げながら、こうした肝炎対策や原爆症対策について全く具体的な言及がありません。肝炎患者の救済制度と原爆被害者救済のための基金創設に係る立法措置について、政策決定は政府に一元化というのであれば、政府の責任で行うべきであります。政府としてできないというのであれば、議員立法による早期解決を目指すべきと考えますが、鳩山総理の明確な答弁を求めます。
 次に、鳩山総理の景気・経済認識についてお伺いしたい。
 我が国経済は大事な局面を迎えております。なお世界経済が不透明ではあるものの、ようやく明るさが見え始めてきた中で、鳩山政権リスクが出てきました。
 第一には、予見可能性の不透明化リスクであります。
 政権交代によって鳩山内閣が初めに着手したのは、補正予算の執行停止でありました。その総額は約三兆円。社会を構成する国民や企業、地方政府などは、国が決定した法律、制度、予算に基づき、いわゆる予見可能性を持って行動します。前内閣で決定した経済対策についても、それが継続する前提で行動しているのであり、地方議会が既に補正予算を組んでいるのもその一つであります。
 しかし、政権交代によって前内閣で決定した政策、すなわち補正予算、そのうち三兆円の執行停止という形で変更されてしまいました。政策を変更するのであれば、例えば、なぜ子育て応援特別手当をやめるのか、温暖化対策が必要と言われながら政府が率先して太陽光パネルの設置を実施しないのかなど、一つ一つその理由を国民に示し、代替する新たな予見可能性を速やかに示さなければ、国民にとっての新たなリスクとなってしまいます。その政策決定過程も、情報公開、説明責任には程遠い、初めに三兆円ありきという、言わば政治主導という名の強権政治の危険すら感じるのは私だけではないと思います。
 第二は、国債増発のリスクです。
 そもそも、補正予算の執行停止で財源を三兆円捻出したといっても、それは前政権において経済対策のために発行した建設公債あるいは特例公債が原資となっています。本来なら公債の発行抑制に回すべきであって、来年度予算に回して財源にすべき性格のものではありません。
 さらに、総理は、国債増発もやむを得ないと微妙に発言を変えています。例えば、五・三兆円をつぎ込んで行おうとされている子ども手当は、未来の宝を社会全体で支える趣旨と認識しておりますが、財源が手当てできず、結果として国債増発で賄えば、何のことはない、子供たちが将来背負う借金の先食いでしかありません。
 この一か月半の補正予算執行停止や予算編成をめぐる民主党の対応については、経済軽視と言われても仕方がない。特に、地方経済に冷たい政権であり、今後の経済財政運営に強い危惧を抱いていることを声を大にして申し述べておきたいと思います。
 以上の点に対し、総理の認識を賜りたいと思います。
 行政の無駄削減の取組は、まさに行政を監視する国会の使命であり、公明党は、今後も国民の立場で行政の無駄追放に向けて全力で取り組む所存です。特に、公明党が政党として初めて提案し法制化された事業仕分については、行政の無駄排除をするために極めて有効なツールであり、政府に期待にたがわぬ結果を求めます。
 公務員改革について、二点御質問いたします。
 第一に、公務員による不正経理の防止であります。
 会計検査院の平成十九年度の決算検査報告では、国土交通省、農林水産省の補助金による事業で、架空発注で支払った代金を業者の口座にプールして裏金をつくる預けなど、調査した十二道府県すべてで公務員による不正な経理が発覚しました。こうした預けを含め、国に返還が求められた国庫補助金の総額は約五億六千万円になります。国民の税金が不正に使用されることが許されるべきでないことは当然であります。
 公明党は、こうした裏金づくりなど国及び地方公務員による不正な会計処理を根絶するために罰則を設ける不正経理防止法案をさきの通常国会に提出したところですが、会計検査院の機能を強化することも含め、再提出したいと考えます。新法を措置することについて、総理のお考えを伺います。
 第二に、公務員制度改革についてであります。
 民主党はマニフェストにおいて、国家公務員の総人件費を二割削減し、新規政策の財源に充てるとしております。そのための手段として、地方移管、手当、退職金などの水準、定員を見直すとしていますが、具体的にどう進めるのか、全く明らかになっていません。
 公務員の総人件費の抑制を目指すことは重要ですが、併せて公務員の方々が意欲を持って職務を遂行できる公務員制度改革も必要です。鳩山内閣は一体どのように公務員の人件費の削減に取り組まれるのか、総理の明確な答弁を求めます。
 次に、社会保障政策について伺います。
 鳩山総理は、国民生活を守る年金や医療、介護などの重要課題について、所信の中で必死に取り組むと述べていますが、その全体像や具体策は全く見えていません。社会保障の給付と負担をどうするのか。急激な人口構造の変化に対応する資源配分の在り方についても明確に示すべきではありませんか。
 具体的に伺います。
 まず、介護施設の充実についてです。昨今は老老介護やシングル介護が社会問題となっています。私も先日、介護現場を視察し、介護を受ける本人も家族も共に生活にゆとりが持てるようなサービスの必要性を痛感したところであります。住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、施設や在宅介護を自由に選択できるサービスを拡充させなければなりません。団塊の世代が高齢期を迎える二〇一五年には、世界がいまだ経験したことのない超高齢社会に突入します。二〇二五年には三人に一人が六十五歳以上という時代を迎え、介護のニーズは更に高まります。
 公明党は介護総点検運動を全国でスタートさせますが、今こそ政府は、二〇二五年を展望したより具体的な介護ビジョンを策定し、一層の財源確保を図って介護施策を大きく前進させるべきであります。
 そこで総理の見解を伺います。
 施設・在宅サービスの整備充実、介護人材の慢性的な不足にどう対処されるのか。若い職員が定年まで働き続けられる賃金体系の確立を早急に図るべきであります。
 一方、施設、在宅介護に限らず、二十四時間三百六十五日を通じてニーズに応じた介護サービスが受けられる地域包括ケアシステムの構築に真剣に取り組んでいただきたい。総理の明確な答弁を求めます。
 公明党は、障害者への差別撤廃や社会参加を目的とした障害者権利条約の早期批准に全力で取り組んでまいりました。具体的には、障害者基本法を障害者権利条約の理念に沿った内容に改め、本年六月に我が党独自の法案を策定しました。条約の批准は障害者の方にとって大きな希望であり、障害者基本法の改正は待ったなしです。総理の前向きな答弁を求めます。
 次に、年金制度について伺います。
 民主党は、年金制度の一元化を二〇〇三年のマニフェストで発表しましたが、一向に詳細設計を明らかにせず、今回のマニフェストでも制度設計の議論は二〇一二年度から、新制度の導入は二〇一四年度以降に先送りしました。要は、十年間全く進展がありません。来年度からの二年間は記録問題に集中的に取り組むとの方針ですが、制度設計についても民主党案の詳細を明らかにした上で早急に議論を開始すべきです。与野党の枠を超えて、年金制度の議論を行う正式な協議の場を国会に設け、結論を出すべきと考えます。鳩山総理の認識をお伺いします。
 また、制度設計の議論と切り離してでも急ぐべきは、無年金、低年金の対策です。今後、保険料を納めても受給資格に満たない方が百十八万人にも上るとの推計もあり、対策は最優先の課題です。公明党は、低所得者を対象に満額で六万六千円の基礎年金を八万三千円程度に引き上げる基礎年金加算制度の創設や、年金受給資格の二十五年から十年への短縮、保険料追納期間の二年から五年への延長など、具体的に提案しています。鳩山内閣に速やかな実行を求めます。総理の見解を伺います。
 国民生活で経済の影響を最も大きく敏感に受けるのは雇用であります。雇用情勢は景気動向に遅れて悪化する傾向があり、景気対策とともに雇用対策をすき間なくスピード感を持って講じる必要があります。
 公明党としても、昨年秋の雇用悪化以降、二度にわたる補正予算、二十一年度予算、二十一年度補正予算で三兆円を超える雇用対策を講じ、失業予防と雇用創出を両輪に取り組んでまいりました。特に注目すべきことは、十年前の不況期と異なり、労働者の三人に一人が非正規雇用であり、その点への最大限の配慮が重要です。
 具体的には、雇い止め労働者に対する給付面での配慮や雇用保険の非正規労働者への適用範囲の拡大など、セーフティーネットの強化が急務です。公明党は、第二のセーフティーネットとして、雇用保険の対象や失業給付の対象とならない労働者に対する生活保障、訓練・生活支援給付を創設させましたが、その恒久化が必要と考えます。民主党の提案でも、同様の趣旨で名前を変えただけの制度を主張されていますが、給付額や対象者が制限されることのないよう、切れ目ないセーフティーネットを講じるべきです。
 一方、来春卒業予定の大学生等の就職内定状況は大変に厳しいものがあります。ところが、ある民間調査によると、全体としては求人数は求職者数を上回っており、応募が多過ぎて企業説明会の予約すらできないなどという実態は、学生が一部の大企業に集中している結果とも言われております。
 企業と学生のミスマッチを解消し、幅広い就職活動が行えるよう、よりきめ細かな情報提供やスピーディーな就職支援策が求められます。第二の就職氷河期を断じて起こさないとの決意に立ち、新卒者の就職活動を大学だけに任せるのではなく、国としても支援の体制を構築する必要があります。総理のお考えを伺います。
 総合的な貧困対策の推進について伺います。
 OECDが報告した二〇〇三年のデータによれば、日本の貧困率は加盟三十か国中、四番目に高く、先進諸国の中でも際立っています。一方、我が国においては、政府による正式な貧困基準がないことや貧困に関する定期的な実態調査が行われていないこともあり、本格的な対策は進んでおりません。
 先日、厚生労働省が日本の相対的貧困率を初めて公表したことは評価いたしますが、問題は今後どうその実態を改善させるかであります。公明党は、貧困率の定期的な調査を行い、それに基づいて貧困率の低減の目標を定め、総合的な貧困対策を推進すべきと提案しています。社会情勢の変化や国民一人一人の生活実感を反映した貧困率の低減目標を設定し、社会保障制度や税制を含めた総合的な施策を推進することにより、貧困の固定化、再生産を防ぐべきと考えます。鳩山総理の御見解を伺います。
 教育の質を高めるためには、何よりも教員の資質向上が求められます。教員は子供にとって最大の教育環境であるからです。したがって、教員養成は国づくりの基本である人づくりの最重要課題であります。この教員養成について、鳩山内閣では、本年四月からスタートした教員免許更新制度の抜本的見直しと養成課程を大学院修士課程修了の六年間に延長する構想が検討されているようです。
 そもそも教員免許更新制度は、変化する教育現場で必要な資質、能力を教員が保持できるよう定期的に最新の教育技術を身に付けることが導入の目的でありました。検討されている養成課程の延長は、あくまで新卒教員の資質向上であります。現行制度が目指す現職教員の資質向上を鳩山内閣はどのように行っていくのか、総理の見解を伺います。
 次に、地球温暖化対策です。
 総理は、国連気候変動首脳会合において、科学が要請する水準に基づき温室効果ガスを二〇二〇年までに一九九〇年比二五%削減すると表明しました。公明党は、マニフェストにおいて二五%を掲げており、総理の野心的な目標の表明を率直に評価いたします。この二五%削減の目標について、総理は、すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意が前提と述べられましたが、そうした合意が実現しない場合、科学が要請すると言われた二五%削減の目標はどうするお考えですか。私は、前提云々という以前に、日本がリーダーシップを取って何としても国際合意を実現することが人類のために必要であると考えます。改めて総理の御見解をお伺いします。
 国際合意の実現という観点からは、途上国支援についての鳩山イニシアティブを具体化することが急務です。十二月のCOP15に向けて来月も国連会議が開かれますが、そこにおいて途上国支援に必要な資金額の認識、日本の拠出規模、国際航空税など予測可能で継続的な資金源等々について具体的な提案を打ち出し、交渉の促進に貢献すべきです。総理の力強い答弁を求めます。
 一方、国内対策の強化のためには、まず、基本法の制定が必要であります。七月のラクイラ・サミットでG8各国は、気温上昇二度以内、先進国は二〇五〇年までに八〇%以上削減で合意しましたが、基本法はこれらを踏まえたものでなければなりません。総理は、二度目標を法律に明記されるお考えはないか、そして、民主党が掲げる早期に一九九〇年比六〇%超削減との長期目標を見直し、二〇五〇年八〇%以上削減とされるお考えはないか、お伺いします。
 また、排出削減には、キャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度や炭素税、さらに再生可能エネルギーの固定価格買取り制度などが有力な手段となります。これらについて、いつまでに、どのように制度設計を進め、導入されるおつもりか、さらにエネルギー政策に関して、特に原子力発電にどう取り組まれるか、方針をお伺いします。
 民主党は、ガソリン税等の暫定税率廃止や高速道路無料化を公約しています。しかし、これらは二五%削減の中期目標に逆行しかねないものであり、地球温暖化対策との整合性なしに実施すべきではないと考えますが、総理の明確な答弁を求めます。
 今年度補正予算に盛り込まれたエコポイント、エコカー補助金は、景気浮揚に大きな効果を上げるとともに、環境に配慮した消費行動を普及しております。エコポイントの対象品目の拡大、手続の簡略化などを検討しつつ、来年度もこれらを継続することが求められますが、総理の御見解を承りたいと思います。
 次に、鳩山総理の基本的な外交姿勢についてお尋ねします。
 日米首脳会談で総理が日本外交の基軸として重視していくと表明された日米同盟について、民主党のマニフェストや連立政権政策合意では緊密で対等な日米同盟を目指すとしていますが、その具体像が一向に見えてきません。
 所信表明において総理は、対等の意味を、日米両国の同盟関係が世界の平和と安全に果たせる役割や具体的な行動指針を日本の側からも積極的に提言し協力していけるような関係と述べられましたが、我が国が在日米軍の抑止力に依存している日米同盟の現実の中で、マニフェストで主張する日米地位協定の改定の提起、米軍再編や在日米軍基地の在り方の見直しを具体的にどう提案するのか、総理の見解を改めて求めます。
 悪夢のような九・一一米国同時多発テロに対し、翌日採択された国連安保理決議一三六八号は、九・一一攻撃を国際の平和と安全に対する脅威と認め、国際社会に対し、テロを防止し抑止するための努力を要請しました。以来八年、国際社会はテロとの闘いを継続し、我が国は自衛隊による補給支援活動によって各国が行うテロとの闘いを支えてきました。
 一方、前政権を担った公明党は、補給支援とともに、アフガニスタンへの人道復興支援を車の両輪として力を注ぎ、日本政府は既に十七・九億ドルもの支援を実施し、大きな成果を上げてきました。
 鳩山政権は、この両輪の一つである自衛隊をインド洋から撤退させようとしています。そして、その代替案が支援額を積み増すだけの、金は出すが汗はかかないと酷評されるようなものならば、国際的な責務を果たすとは言えません。
 民主党は、補給支援活動について、事前承認や憲法違反、情報の未開示などを挙げて時々に理由を変えて反対してきましたが、今回はどのような理由から中止するのか、その代替案とともに総理の明快な答弁を求めます。
 今年四月、オバマ・アメリカ大統領のプラハでの核兵器のない世界を目指すとの演説を起点に、先月二十四日の国連安保理首脳会合での核兵器のない世界を目指す決議第一八八七号の全会一致の採択など、核廃絶へ向けて変化の潮流が高まっています。
 総理は国連総会の演説で、核保有の潜在的能力を持ちながら非核三原則を掲げている日本こそが核軍縮の促進役になれると主張されました。全く同感であります。唯一の被爆国として核兵器のない世界を実現させる権利と道義的責任を持つ我が国が今こそ行動を起こすときです。来月にはオバマ・アメリカ大統領が来日されます。日米両国が核兵器のない世界を目指す新たなパートナーシップを築き上げていただきたい。
 そのような意味から、総理、我が国の核廃絶への決意を内外に示すため、核兵器を使用した戦争を経験している日米両国首脳が語り合う機会において、今後も我が国は非核三原則を堅持するとともに永遠に核兵器を保有しないとの方針を宣言してはどうか。世界に対する大きなメッセージとなると考えます。
 さらに、オバマ政権が強い決意を示し、さきの国連安保理決議に盛り込まれたNPTの強化、CTBTの批准やカットオフ条約の早期交渉開始、これらに向けて、来年のNPT運用検討会議で新たな核兵器開発を行わないことを約束するモラトリアム宣言の実現を目指し、核保有国へ働きかける平和外交を展開してはどうか。併せて総理の御所見をお尋ねします。
 最後にお伺いします。
 我が党は一貫して永住外国人への地方選挙権の付与を主張してまいりました。鳩山総理も、九日の日韓首脳会談後の記者会見で、前向きに結論を出していきたいと内閣総理大臣として初めて積極的な方向性を示されました。今後どのように取り組まれるのか、総理のお考えを伺います。
 以上、内外の政治課題及び我が党の政策提案を中心に言及してまいりましたが、公明党は庶民のための政治を目指して全力を挙げていくことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 山口代表の御質問にお答えをいたします。
 山口代表の公明党の基本政策を伺いながら、この連立政権の政策とかなり近い部分があるなと、そのように実感をいたしたところでございます。
 まず、マニフェストの政策の変更に関する御質問をいただきました。
 私どもは、国民は新政権に対して何を望んでいるかと。言うまでもありません。例えば、民主党はマニフェストでこれを国民の契約として戦ったわけでございます。したがいまして、政権交代が行われて、当然のことながら、改革が断行されるときには従前の政策と異なる政策が取られることは十分考えられるわけでありまして、抜本的な改廃を行うことも当然だと考えております。ある意味でそれが民意だとも考えるわけでございます。
 ただ同時に、それを強権的に強行するような手法を採用するつもりもありません。だからこそ、八ツ場ダムの建設中止の問題に関しまして、前原大臣を現場に赴かさせていただいて、そして、住民の声もしっかりと伺いたい、そのように考えたところでございます。これからも常に地域の皆様方と対話を続けながら、まずは国民の皆さんの声を大切にして国民の皆さんとの契約を果たしていく、まさに八ツ場ダムの建設中止もそのプロセスの中にあると考えております。
 その八ツ場ダムに係る政策決定プロセスと代替案についての御質問でありますが、地元の方々が大変苦しんでおられる状況をやはり打開しなければならない、その思いで先般、前原国土交通大臣が予断を持たずに全国のダムと同様に改めて検証を行うことを提案をいたしたわけであります。その八ツ場ダムの代替案につきましては、検証を行う過程において検討して、まさに、これは前から申し上げておりますように、コンクリートから人へという基本的な方針に沿って、できるだけ代替案があるとしてもダムによらない治水がどうあるべきか、こういう方向で政策転換を求めていく、そのような所存でございます。
 国会改革についてのお尋ねがありました。
 たしか十年前に衆議院議院運営委員長提案の国会審議活性化法というものが公明党の皆さんも賛成の中で成立をいたしました。その趣旨は、国民の負託を受けた国会議員同士が真剣な議論を行って国会審議の活性化を図る、そういう趣旨だと理解をしております。国会のことは基本的に国会において各党各会派で御議論をいただきたいと存じますが、議員立法の禁止などという情報が伝えられておりますが、これは、一般行政に関する法律案に関しては、与党の皆さんの様々な議論、御意見を踏まえながら、最終的に政府が責任を持って提案をするという当然の方針を確認したということでございまして、御理解を願いたい。
 肝炎の患者の救済及び原爆被爆者救済のための立法措置についての御質問でありますが、肝炎対策に係る法制定については、従前から肝炎患者の皆様方からの大変強い御要望もいただき、法制定を求める署名活動も盛んに多く集めておられることも十分に理解をしております。したがいまして、肝炎患者の皆様方の思いが早期にかなえられますように、そのようにいたすことが大事だと考えておりまして、適切に対応してまいります。
 また、原爆症認定集団訴訟につきましても、本年八月に旧政権の下で確認書が署名をされ、その中で議員立法による基金の創設が位置付けられているという経緯に関しては十分に理解をしています。したがいまして、新政権といたしましては、被爆者の早期救済のため、今後の議員立法の具体化の動きなども踏まえながら、最終的に被爆実態を反映した新しい原爆症認定制度の創設をしっかりと検討し、実現してまいりたいと思っております。
 景気・経済認識についての質問でございます。
 景気はやや持ち直しているという判断もありますが、自律性は極めて乏しい。したがって、失業率、若干また今日下がったというデータはありますが、まだ高水準にあることも実態でありまして、厳しい水準でございます。今回の補正予算の見直しにおいては、コンクリートから人へという新しい理念の下でいわゆるアニメの殿堂のような無駄な箱物行政、こういったものに関しては執行を停止をしたわけでありますが、しかしながら、補正予算の削減が地域経済に影響を与えてはならない、できるだけ与えないように、国民生活に影響を与えないようにという配慮をしております。例えば、二年、三年後に使うための基金を今凍結をしても現在の景気に影響があるはずもないじゃありませんか。
 この国債発行の件でありますが、そもそも多額の国債を発行して補正予算を組んだのは旧政権であるということを御認識を願いたい。私どもは、その中で予算編成に当たって財政規律を守り、国債マーケットの信認を確保していくという観点から更なる歳出削減が必要だと、精いっぱい歳出の削減に取り組みながら国債発行額を極力抑制をしたいと考えているところでございます。
 公務員の不正経理防止と会計検査院の機能強化についての御質問でございます。
 公務員の不正経理の防止の徹底を図るとともに、会計検査院の機能を向上していくことは、新内閣においても重要な課題であると理解をしております。政府としても、したがいまして税金の無駄遣いを一掃するためにも予算執行の適正化に向けて積極的に取り組んでまいる所存でございます。
 総人件費を二割を削減する公務員制度改革の必要性についての御質問をいただきました。
 確かに民主党のマニフェストにおきまして、総人件費を四年間の間で、すなわち平成二十五年度に二割を削減するという目標を掲げて、何としてもこの目標達成のために努力をしてまいりたいと思います。
 具体的に考えておりますのは、例えばこれは各種の手当あるいは退職金などの水準や定員の新たな見直しを行っていく、これは言うまでもありませんが、地方分権の推進に伴う地方の移管、こういったものによっても削減を図ることができますし、さらに、これは公務員制度の改革が必要ではありますが、その後に労使交渉を通じて給与の改定というものを行うことができようかと考えております。
 国家公務員の人件費の削減に関しては、いわゆる公務員の否定とかあるいは官僚たたきを意味するものではありません。むしろ、公務員制度の改革に当たっては、公務員の皆さん方にも意識を変革をして、共に改革に取り組んで、国家を支える中枢としての誇りを取り戻していただきたい、こういうことも公務員制度改革の思いでございまして、是非御理解を願いたいと存じます。
 社会保障の給付と負担についての御質問でありますが、新政権は何よりも人の命を大切にしていきたい、そして国民の暮らしを何としても守りたい、この思いの下でそれぞれの政策を実施をしてまいります。
 急速な少子高齢化が進んでおります。そんな中で、年金、医療、介護など社会保障制度を国民の皆さん方から見て信頼をしていただける持続可能なものにするために、国民の皆様方との御議論も一生懸命尽くしていきながら、さらに連立政権の合意、さらにはマニフェストで示しました政策を着実に実行に移してまいりたいと思います。
 一つ一つのことに関しては後で触れさせていただきますが、その際に、国や地方公共団体ではなく、市民の皆さんあるいは企業、そして労働組合、NPO、こういった方々が信頼のネットワークを編み直して、そのことによって人と人とが支え合う新しい公共を実現をしていきたい、このようにも考えているところでございます。
 介護施策の充実についてでありますが、私どもは、やはり介護が必ずしも今まで手当てが十分でなかったと、旧政権における介護の施策が極めて不十分であったと認識をしております。したがいまして、介護を必要とする高齢者の方々がこれからどんどん増加が見込まれるという状況の中で、介護職員の処遇改善の交付金、これを活用した介護職員の処遇改善をまず図ってまいります。さらには、施設サービスや在宅サービスの拠点整備を推進をしてまいります。
 こういったことによって介護人材をしっかりと確保してまいらなければなりませんし、また介護を行う拠点の整備も拡充をしてまいらなければならないと思います。
 介護や医療など様々な生活を支援するサービスを連携させることによって、高齢者を支える地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいることもお約束をいたします。
 障害者権利条約の早期批准と障害者基本法の改正についてのお尋ねがございました。
 障害を与えられた方々もあるいは尊厳を持って当然生き生きと暮らしていただける社会を実現をする、これが、所信でも申し上げましたように、私が求めております友愛政治の原点だと御理解を願いたい。この目標を達成するためにも、今後とも、障害者権利条約の締結に向けた議論、当然その中に障害者基本法、この改正も含まれるわけでありますが、こういった議論を十分に進めてまいりたいと思っております。
 年金制度改革案の早期提示と与野党協議の設置についてのお尋ねがございました。
 年金制度に関しましては、公平、透明で新しい時代に合った制度をつくらなければならない、今後四年間で新たな年金制度の創設に励んでまいります。
 すなわち、旧政権においては年金制度は百年安心とかおっしゃったようでありますが、私どもは百年安心の年金制度とは思っておりません。やはり本質的に制度改革が必要だと、そのように考えておりまして、例えば、すべての国民の皆さんが七万円以上支給されるようにしていく。そのためには、最低保障年金というものを創設をして、その財源には消費税を充てるということも私どもは党としてのお約束として申し上げているところでございます。
 野党の皆様方とは、当然、まずは国会の審議などを交わして、このような年金の制度改革、大いに議論してまいろうではありませんか。
 無年金・低年金者の対策についての御質問でございますが、無年金あるいは低年金対策を含む現行制度の改革について、新制度の具体的な制度設計と並行をして検討を進めてまいります。そして、必要なものから逐次進めて実現をしてまいることもお約束をしておきます。
 雇用対策についての御質問でございますが、雇用のセーフティーネットを強化をして国民の安心感を高める、これも大変重要なことだと認識をしております。
 非正規労働者のセーフティーネットを強化をするために、これは平成二十一年度でありますが、雇用保険法を改正をいたしました。そのとき、その内容に沿って給付日数の拡充あるいは適用の範囲の拡大を行っているところでもございます。それに加えて、雇用保険を受給できない失業者の方々のセーフティーネットを強化をするために、職業訓練中の皆様方の生活保障を行う求職者支援制度を二十三年度に創設をすることを検討しております。
 さらに、新卒者の対策といたしましては、今般決定をいたしました緊急雇用対策に基づいて、求職と求人のミスマッチというお話がありました。そのとおりだと思います。就職支援を担当する高卒、大卒の就職ジョブサポーターというものをつくり、この緊急増員を行って就職支援体制の強化に励んでまいります。御理解を願いたいと存じます。
 貧困対策についての御質問がございました。
 先般、我が国がこの貧困問題を直視をしなければならないということで、今までは必ずしも貧困率というものを表に出してはおらなかったんでありますが、厚生労働省において初めて貧困率を公表いたしました。結果として、OECD諸国の中では、やはり日本、貧困率が高いなというグループに属しておることは御案内のとおりであります。
 この貧困率を下げなければならないことは当然の役割だと思っておりまして、貧困率の低減目標を設定するということも、そういう考え方も一理あるとは考えておりますが、まず、新政権において、雇用対策や家計を直接応援する政策の推進など、弱い立場の人々の視点を極力尊重をして国民の暮らしと命を守る政策を推進していくことによって、結果として貧困率の削減に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 教員の資質向上についての御質問でございました。
 人づくりは国づくりだと、そのようにおっしゃる山口代表の御主張、誠にその思いを共通するところでございます。将来の日本を支える人材の育成のために、教員の資質、さらには数を充実をさせること、そういうことによって質の高い教育をまず実現していかなければなりません。このために、教員の養成、さらには採用、研修の各段階を通じて抜本的な改革をやはり行いたいと思っているところでございます。
 今後、教員免許更新制の見直しと併せて、先ほどお尋ねがありましたように、現職教員の資質向上のための専門免許状制度の導入などを図って、教員免許制度の抜本的な見直しに取り組んでまいることもお約束をいたします。
 国際合意が実現しない場合の中期目標の扱いと、国際合意を実現する必要性についてのお尋ねがございました。
 地球の将来を真剣に考えて国際交渉に弾みを付ける、まさにモメンタムを与えるために九〇年比二五%減という思い切った数値を各国にある意味で率先をして提示いたしたところでありますが、このことに対して御評価をいただいたことに感謝を申し上げます。
 すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築と意欲的な目標の合意というものが前提であるということを申し上げております。この前提というものが必ず実現をする、前提が実現しないという場合は、局面は考えておりません。皆さん方の御協力をいただいて、是非、この前提が何としても世界の中で果たされていけるように是非とも御協力を願いたいと思っておりまして、私ども政府としても引き続き全力を傾注をしてまいります。
 COP15に向けた国連会議で鳩山イニシアティブの具体的な提案を行うことについての御質問をいただきました。
 途上国の支援のためのいわゆる鳩山イニシアティブについては、閣僚委員会を設置をしておりまして、その中にプロジェクトチームがございます。このプロジェクトチームの中で具体的な資金額の、あるいは日本の拠出規模などをしっかりと議論をしてまいっているところでございまして、この鳩山イニシアティブはまさに先進国と途上国との間の架け橋との意味での役割を果たしていきたいと考えておりまして、当然国際情勢を見ていかなければなりません。国際交渉の進展状況を注視をしながら、具体的内容を打ち出してまいります。しっかりと協力をしてやろうではありませんか。
 地球温暖化対策の基本法に、気温上昇を二度以内に抑制するという目標、あるいは二〇五〇年までに八〇%以上削減するという長期目標を明記することについての御質問をいただきました。
 本年の七月に開催をされましたG8のラクイラ・サミットの首脳宣言の中で、世界全体の平均気温の上昇に関する科学的な見解についての認識、世界の全体、さらにはその一部として先進国全体で二〇五〇年までの削減目標に関する合意があったことは十分に認識をしております。
 したがって、基本法に盛り込む具体的な内容はこれからしっかりと検討して、速やかに制定をしてまいりたいと思っておりますが、八〇%以上の削減という目標はなかなかしっかり考えていくべき目標だという認識を私も共有しているところでございます。
 国内排出量取引制度、炭素税、固定価格取引制度についての質問でございます。
 すなわち、この目標を達成するためにはあらゆる政策を総動員しなければならない、この決意は先般申し上げたところでございます。キャップ・アンド・トレード型の国内排出量取引制度、再生可能エネルギーの固定価格買取り制度など、個々の具体的な政策の内容やそれらの実施スケジュール、こういったものについては、今後、国際交渉における議論をしっかりと踏まえなければなりません。その踏まえた中で、地球温暖化問題に関する閣僚委員会などにおいて議論をして決めてまいる所存でございまして、対策税に関しましては政府税調を設置をいたしました。その中でも真摯、真剣に結論を求めてまいりたい、できる限り迅速に結論を見出してまいることもお約束をいたします。
 原発に関しての御質問をいただきました。
 原子力発電は、エネルギーの安定供給のみならず低炭素型の社会を実現するという目的に沿ったものであって、私は大変重要であると理解をしております。したがいまして、安全の確保というものを大前提としながら、国民の皆様方の御理解と信頼をいただきながら、着実に推進をしてまいりたいと考えております。
 揮発油税の暫定税率あるいは高速道路の無料化と地球温暖化対策との関係についてのお尋ねがございました。
 この問題も我が内閣において大変重要な問題だと認識をしております。しかしながら、やはり暫定税率、名前が暫定であるという、数十年も続いたという、こういった暫定税率に関しては、まず基本に基づいて、国民との間の約束の中で、ガソリン税などの暫定税率はまず廃止をすることは当然だと考えております。
 そして、その上で、地球温暖化の対策と税制との整合性に関して、先ほど申し上げましたように、私から税調に対して、環境などその影響を考慮した課税の考え方を踏まえて、エネルギー課税について、温暖化ガスの削減目標達成に資する観点から、環境負荷に応じた課税に必要な事項の検討をしてほしいと、そのように諮問をしたところでございまして、したがいまして、先ほどから迅速にと申し上げておりますが、政府税調におきまして今真摯かつ迅速に検討を行っているところでございまして、結論をできるだけ早く出すように努めてまいります。
 また、高速道路に関しましては、これは有効活用する、このことによって地域と地域の皆さん方の経済の活性化に資するものでもあることも事実でございまして、段階的に原則無料化するという方針を貫いてまいりたいと思います。その中で、様々、渋滞の発生と地域の経済効果、他の交通機関の影響、こういったものも勘案しながら、総合的に国民の皆様方の御理解をいただいて進めてまいりたいと思います。
 エコポイントの対象品目の拡大、手続の簡略化についての御質問がございました。
 こういったエコポイント、エコカーの補助、これは景気対策並びに環境対策の両面で効果は期待されておりますし、現実に効果があると理解をしております。国内の需要を一定程度これによって支えているという効果もあることも認めております。したがいまして、今後の対応について、地球温暖化対策全体の議論の中で、経済の情勢なども見極めていきながら判断をいたしたいと思っております。
 日米地位協定、米軍再編、在日米軍基地の在り方についての御質問がございました。
 日米同盟、くどいようですが、これは私ども日本外交の基軸でございます。そして、来年は日米安保改定五十年という節目の年でもございます。したがいまして、こういう年でありますだけに、日米地位協定の在り方、米軍再編、さらには在日米軍基地の在り方、こういった御指摘の点について、日米同盟の在り方全般について、中長期的な視野に立って日米同盟を重層的に深化をさせていきたいと考えております。
 インド洋における補給支援活動の中止理由とその代替案に関してでございますが、このアフガニスタン支援も大変国際社会全体が負っている大きなテーマだと理解をしております。
 補給支援活動につきましては、ただ単にこの是非を単体で求めていくということではなくて、これも申し上げたかと思いますが、アフガニスタンの平和と安定、経済の未来のためにも、今、日本が何をなすべきか、国際的な協力の中で何をなすべきかという観点からしっかりと調査をして、最も望まれている支援を積極的に行ってまいると、この発想でこれから支援策をできる限り至急検討して結論を出してまいることをお約束をいたします。
 非核三原則の堅持と永遠に核兵器を保有しない、この方針の宣言についての御質問でありますが、日米首脳会談の議題は調整中でございまして、オバマ大統領との会談前にその内容を予断を持ってお伝えすることは遠慮をさせていただきたいと思います。もう既にオバマ大統領が議長を務められた九月の安保理の首脳会合の中で、私からも非核三原則を堅持するということを申し上げ、また核廃絶に向けて先頭に立つという覚悟もその中で申し上げてきたところでございます。この永遠に核兵器を保有しないと、前向きな御提言について、これを理解をしていく中で私どもとしてもしっかりと対処してまいります。
 新たな核兵器開発を行わないとの宣言を核保有国に働きかけることについての質問でございますが、核兵器のない平和で安全な世界を何としても実現させていくためには、すべての、すべての核保有国が核軍縮に取り組んで核廃絶に向けて貢献をしていく、これが最重要であるということも申し上げておきます。
 我が国として何をなすべきかということであれば、新たな核兵器の生産、開発を中止させる具体的な措置として、いわゆるカットオフ条約の早期交渉、この開始をし、妥結をしていくことを重視をしていきたい、そのために関係国にこのことを働きかけてまいりたいと思っております。核兵器国と非核兵器国との間の架け橋の役割として、二〇一〇年に行われますNPTの運用検討会議の成功に向けて、日本としても積極的な外交を進めてまいります。
 最後に、永住外国人への地方参政権付与についての御質問でございます。
 この問題に関して私は積極的な思いを持っていることは、これは以前も申し上げたとおりで事実でございます。ただ、現在、我が国の制度の根幹にかかわる重要な問題であるということもあり、さらに、国民の皆様方の中に様々な御意見を持っておられる方もおられることも現状でございます。したがいまして、この問題は、まずは各党各会派においてしっかりと議論をして詰めていただきたいと申し上げたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕

○国務大臣(福島みずほ君) 山口代表にお答えをいたします。
 政府参考人並びに議員立法についての御質問がございました。
 国会の運営を政治主導、国民主導へと変えていくことが鳩山内閣の基本方針です。国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関です。国会がその権能を十分に果たせるようにすることは極めて重要です。政府参考人制度について、国会を言論の府として活性化するためにも、政治家同士の議論を大いに行うべきことは当然です。ただし、行政府の職員を入れずに議員同士の自由な討議による実質的な審査を実施することは、運用面でそれは十分可能です。また、議員立法は議員の大事な権利であると考えております。
 国会改革の具体的なメニューに関しては、立法府の在り方に関することであり、政党間における議論に任せたいというふうに考えております。(拍手)
    ─────────────

○議長(江田五月君) 小池正勝君。
   〔小池正勝君登壇、拍手〕

○小池正勝君 私は、自由民主党・改革クラブを代表いたしまして、鳩山総理の所信表明演説に対して、地方の立場から御質問をさせていただきます。
 総理は、国民の命と生活を守る政治、地域主権の実現、無駄遣いの徹底的な排除を訴えられました。どうかその初心を忘れず、今後とも日本国と国民のために全力を尽くしていただきたいと存じます。問題は、その政治理念をいかに具体的に政策として実行していくかにあります。
 まず初めに、補正予算執行停止についてお尋ねをいたします。
 民主党は、先般の総選挙において、地域主権の確立と国と地方の協議の場の設置を訴えられました。このことから、国が決定したことをまさか一方的に地方に押し付けるようなことはないと地方の皆様は考えておられたのではないでしょうか。
 しかしながら、今般の補正予算執行停止について地方と協議した形跡は全く見られません。補正予算が五月末に成立したことを受け、地方議会は六月定例議会及び九月の定例議会で地方負担分について補正予算を組み、事業を執行する準備を進めていたことは御承知のとおりであります。そこに降ってわいたように執行停止がなされ、地方自治体に大きな混乱が生じ、地方住民も困惑をいたしております。
 こうした混乱について総理はどのように受け止められておられるのか、また、なぜ執行停止するに当たって地方と相談をされなかったのか、その理由をお聞かせ願いたいと存じます。先日の所信表明演説でも、総理は、地域のことは地域に住む住民が決めるとおっしゃったことと矛盾しませんか。お尋ねをいたします。
 例えば、子育て応援特別手当について具体的にお伺いいたします。
 この手当を政府は一方的に執行停止いたしました。これは、早期の支給を心待ちにしていた子育て世帯の期待を踏みにじるものであります。しかも、全国の市町村では議会の議決を経て事業費が既に予算化され、給付申請手続についても既に広報がなされているところなんです。しかもです、ドメスティック・バイオレンス被害者にあっては十月一日から申請の受付が既に始まるなど、事業は既に進行しているのであります。にもかかわらずです、一方的に執行停止したことは、住民や自治体の現場に大きな混乱を与えております。また、国と地方の信頼関係を損なうものであります。このような一方的な執行停止が許されるはずはありません。おっしゃっておられる国と地方の協議の場はあったんでしょうか。これが地域主権の実現と言えるんでしょうか。まさに正反対ではありませんか。御見解を伺います。
 また、鳩山内閣は、子育てを応援するため、来年度から子ども手当を支給するとしています。来年の子ども手当は必要で、今年の子育て応援特別手当はなぜ不要不急なんでしょうか、無駄なんでしょうか。明快な御答弁をお願いいたします。
 申し上げるまでもなく、平成二十一年度補正予算は、昨年秋に起こった経済危機に対する直近の対策と中長期的な発展を図るための対策を主な柱に編成されたものであります。この中から三兆円を執行停止するに当たり、総理は、十月七日、記者団に対し、無駄遣いが補正予算の中に多く存在しているのではないかとの認識の下、まずは補正予算の中の無駄遣いはなくそうということで、各省庁が全力を挙げて見直しを行ったと述べられました。ところが、個別の事業を見ると、なぜ執行停止されたのか理由が判然としない事業がたくさんあります。
 例えば、補正予算が執行停止された事業の中に森林整備事業がありますが、森林は、二酸化炭素を吸収し、地球温暖化の防止に大きな役割を果たすばかりではなく、大雨の際に洪水やがけ崩れを防ぐ役割を果たし、樹木は建築材料を始め多くの有用な資源として利用されております。また、菅副総理は、林業を雇用の場として期待している旨の発言を度々なされておられます。
 森林整備事業は、間伐や路網整備を進め、間伐材の有効利用を図ることなどを中身とする事業であります。この事業のどこが無駄であるいは不要不急なんでしょうか。所信表明で二五%の二酸化炭素削減を目指し、緑の産業を成長の柱として育て上げるとおっしゃったことと矛盾しませんか。お尋ねいたします。
 次に、消費者担当大臣に伺います。
 地方消費者行政支援事業予算も執行停止対象事業となっておりますが、この事業は、地方の消費生活センターの設置、拡充、相談員のレベルアップなど地方の取組を支援する事業であり、消費者庁を設置するに当たって、社民党も民主党も消費生活センターの充実強化を主張されていたと記憶をいたしております。
 特に、福島大臣は、社民党党首として、消費者庁設置法案審議に当たり、本年二月、センターの充実強化を始め地方消費者行政を抜本的に強化するよう、当時法案担当大臣だった野田消費者行政担当大臣に対し直接申入れをなされたのではないですか。その御本人が、この事業の予算をなぜ無駄、不要不急と判断されたんでしょうか。お尋ねをいたします。
 次に、厚生労働大臣に、地域医療再生臨時特例交付金について質問をいたします。
 この交付金についても、政府は七百五十億円を執行停止いたしました。徳島県を始め全国各地で、車で何時間も走らないとお産ができないという産婦人科医不足の問題、子供が病気にかかっても小児科がなくて車で何時間も走らなければ小児科に診てもらえないなどなど、地域医療の崩壊が問題となっております。
 この交付金によって、地域医療再生計画を策定し、地域医療に関する諸問題を抜本的に解決しようと全国各地で取り組んでいたやさきでありました。このような一方的な執行停止は、地域医療の再生に遅れが生じることはもとより、地域医療の崩壊が加速することにもなりかねません。医療の問題は命の問題です。これが命を守る政治と言えるんでしょうか。御見解を伺います。なぜ無駄あるいは不要不急と判断したんでしょうか、お尋ねいたします。
 総理にお尋ねをいたします。
 いったん国会で議決され、地方も執行の準備を進めていた事業が、無駄あるいは不要不急な事業として突然執行停止されれば、地方が混乱することは明らかなことであります。多くの都道府県から執行停止の解除を求める意見書が政府に対し提出されていると聞いておりますが、当然のことと存じます。地方から意見書が出ている以上、また、国と地方の協議の場の設置を公約されている以上、当然再検討されると存じます。
 昨日、藤井財務大臣は、執行停止した事業について、来年度予算の中で復活させることもあり得ると答弁されました。総理も同じ考え方をされておられますか、伺います。
 今年度はまだ半年残っております。今後、政府において再検討され、無駄あるいは不要不急でないと判断が変わった場合、執行停止を解除するお考えはあるのか、併せてお伺いします。
 次に、来年度予算の編成方針及び今後の施政方針についてお伺いいたします。
 まず、財務大臣さんにお尋ねをいたします。財務大臣は、再編された政府税調の会長に就任されたと伺っております。民主党のマニフェストを拝見いたしますと、自動車関係諸税の暫定税率を廃止するとされておりまして、財務大臣も廃止に意欲的な発言をされていると承知をいたしております。廃止によって国税で一兆七千億円、都道府県税、市町村税で八千億円の減収が見込まれております。地方の減収分については、適切な補てん措置を講ずるというだけで、具体策は示されておりません。また、肝心の地方交付税の増額について、総務省の来年度予算概算要求では、金額が明示されない事項要求として提出がなされております。
 財務大臣は、事項要求されたものについては、断固査定する、ほとんど実現できないだろうと述べられたとの報道があります。ただでさえ厳しい地方財政が、暫定税率廃止によって減収となれば、多くの自治体が財政破綻に追い込まれることも考えられます。これでは、地方主権を確立し、第一歩として地方の自主財源を大幅に増やしますという総選挙の公約に逆行することになりませんか。また、本日の報道では、暫定税率廃止一部先送りとの報道もありますが、どのような方針で今後臨まれるのか、お答えを願います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 総理は、九月に開かれた国連気候変動首脳会合で、日本の温室効果ガスを二〇二〇年までに、一九九〇年比で二五%削減するとの目標を発表されました。温室効果ガスの排出を削減するためには、エネルギー源を化石燃料から非化石燃料に転換していくことと使用エネルギーを減らしていくことの両面の対策が必要です。
 まず、エネルギー源の転換対策、特に原子力発電政策についてお伺いいたします。
 現在、非化石燃料である原子力による発電は、総発電量の三分の一を占め、今後ますます重要性を増しております。民主党のマニフェストを拝見しますと、原子力利用について着実に取り組むと記されており、この方針に基づき、小沢環境大臣は鹿児島県川内市に建設が予定されている原発三号機について、温室効果ガス排出抑制のために三号機を最大限活用することを求める意見書を経産大臣あてに提出されたと承知をいたしております。
 一方、連立を組まれておられる社民党は、マニフェストに脱原発を目指すとうたっており、福島党首は川内原発については問題がある旨発言されたと伺っております。
 福島大臣にお伺いいたしますが、政府・与党になったことにより、原子力政策についての方針を転換されるお考えはありますか、お答えください。
 また、総理は、原子力発電について今後どのような方針で進めていかれるのか、またプルサーマル計画を含め、核燃料サイクルを今後どのように進めていかれるか、お考えを伺います。
 温室効果ガス削減のための省エネルギー政策について伺います。
 部門別の二酸化炭素排出量の推移を見ますと、産業部門では減少しているのに反し、家庭部門は増加が続いております。燃料別の内訳では、電気からが四二%、ガソリンからが二七%と、この二つで全体の七割を占めております。すなわち、家電製品と自家用車からの排出が七割を占めているわけであります。そこで、麻生内閣では地球温暖化対策と景気浮揚対策の二つの効果を図るため、省エネ家電の購入を促すエコポイント制度と低燃費車への買換えを支援するエコカー補助及びエコカー減税を実施することといたしました。
 環境大臣は来年四月以降も実施すべきとのお考えのようで、来年度予算の概算要求に盛り込まれましたが、経産大臣は概算要求に盛り込まなかったと伺っております。政府として今後どのような方針で臨まれるのか、総理の御所見を伺います。
 次に、今日、地方経済は大変厳しい状況にあります。公共事業について、来年度予算を一四%削減する概算要求がなされ、地方の建設業は今後更に厳しい状況に追い込まれることになります。また、中小企業については、町の小さな会社や工場を支えるため、中小企業の法人税を一一%に引き下げますと公約をされました。
 ところが、峰崎財務副大臣は十月二十二日の記者会見で、鳩山首相の諮問に入っていないと述べられ、来年度税制改正には盛り込まない見通しを述べられております。なぜ公約を諮問しなかったんでしょうか、御答弁をお願いいたします。
 また、民主党は総選挙の公約で、中小企業予算を三倍に増やしますとしておりますが、来年度予算の概算要求ではわずか六・四%の増加にとどまっております。今後、三倍増に向けどのように対処していかれるのか、お伺いします。
 いずれにいたしましても、こうした政策を実行していけば、地方の経済を底上げするどころか、冷やすことになりませんか。地方経済の現状と今後の地方活性化策について総理はどのように考えておられるのか、御所見を伺います。
 地域経済を支えるいま一つの主要産業である農業の問題について総理に伺います。
 民主党は、前回の参議院選挙、つまり平成十九年の選挙で農業の戸別所得補償制度をマニフェストに掲げられ、我が自民党は農村部で惨敗をいたしました。民主党の、すべての農家の所得を直接補償するというスローガン、この言葉に皆振り回されてしまい、どの農家も一律に所得が補償される、バラ色の生活が実現されるかのような錯覚に陥ってしまったんであります。
 ところが、この度政府が示された戸別所得補償制度に関するモデル対策を見て、今までの宣伝は何だったのか、全く拍子抜けをしてしまいました。
 まず、助成対象でありますが、すべての農家が対象ではなく、あくまで米が中心であり、水田農家が対象でありました。農業生産額約九兆六千億円のうち米は一兆八千億円に満たず、二割弱にすぎません。また、食料自給率を高める目的もあるのであれば、余剰が生じ減反を実施している米作だけを対象にするのは納得がまいりません。野菜、果樹、酪農等はどうなさるおつもりなんでしょうか。こうした生産物については、当面、自民党政権時代と同じ政策を続けられるんでしょうか、お尋ねします。
 仮に、他品目にも助成を広げた場合、戸別所得補償に係る予算の総額はどの程度になるとお考えでしょうか。試算があればお示しください。
 この制度の前提としてお伺いしますが、民主党は農産物を始めとする市場開放を主張していらしたと認識をしております。豪州や米国とのFTAを始めとする農産物の市場開放が進められた場合、農産物の価格が暴落はしないんでしょうか。その場合、助成は際限ない金額になるんではないんでしょうか。
 さらに、この仕組みでは、全国一律の単価を交付するため、一生懸命努力をして努力をしてコストを圧縮し高く売れる商品を生産した農家も、そうでない農家も政府が同様に面倒を見るという極めて不公平な制度のように思われます。これでは日本農業は産業として強くならず、いつまでも多額の税金をつぎ込まざるを得ません。
 日本農業の根本的な問題である高コスト体質を変えない限り、日本の食料安全保障に未来はないと考えます。いかがでしょうか。総理の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣鳩山由紀夫君登壇、拍手〕

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 小池議員にお答えをいたします。
 平成二十一年度第一次補正予算の執行見直しによる地方自治体への影響についての御質問がありました。
 今回の補正予算の見直しに当たりましては、いわゆるコンクリートから人へという理念の下で、例えばアニメの殿堂といった無駄な箱物行政、こういったものに対して執行の停止をいたしたところでございます。
 他方、地方公共団体向けの基金に関しては、一時留保の対象から除外をするとともに、地域経済や国民の皆様方のお暮らしに与える影響なども勘案をしながら執行の是非を検討するよう指示をしたところでありますし、そのような配慮の中で行われているものでございます。
 平成二十一年度第一次補正予算の執行見直しに際しての地方との協議についての御質問でありますが、補正予算の執行の見直しに当たりましては、現場をよく見ながら、政策的必要性というものも精査をして、地域経済や国民生活に与える影響というものもしっかりと勘案をして執行の是非を判断をしてほしい、このことを指示をしており、地方との関係に関しても、各大臣が適切に対応しているものと理解をいたしております。
 子育て応援特別手当の執行停止についての御質問でございますが、子育て応援特別手当につきましては、より充実をした新しい子ども手当の創設の方がはるかに効果がある、そのように考えておりまして、その子育て支援を逆に強力に推進をするために、まず、子育て応援特別手当に関しては、その執行を停止をいたしたところでございます。
 国の制度でございますが、子ども手当の創設に当たっては、その事務を担っていただく地方公共団体の意見もしっかりと伺いながら進めてまいります。
 私どもが申し上げております地域主権というのは、地域のことを地域の住民の皆様方が発案をして、計画を立てて、それを財源まで皆さん方で、地域の皆さんで見出してそれを実現できる、そういう社会に変えていきたいということでございます。この子ども手当に関しては、私どもは国の制度だという理解で進めていきたいと思っております。
 子ども手当と子育て応援特別手当についての御質問でございますが、子育て応援特別手当については、これは皆様方の制度ですから、御案内のとおり、三歳から五歳までの方々に対して一度だけ三万六千円を支給をするというものであって、我々から見れば極めて中途半端な制度だと、政策だと、そのように思っております。
 したがいまして、この制度を廃止をして、来年度からより充実をした子ども手当を創設することの方がはるかに適当だと考えております。
 ただ、そのほかにも、言うまでもありませんが、保育所の増設やあるいは地域の子育て支援事業など、子育て支援策の充実を図り、安心をして子供を育てられる社会を構築をしてまいります。
 森林整備事業の補正予算についての御質問でありますが、森林整備事業は御案内の森林内の作業道を整備をしつつ間伐を進めていく事業として、森林吸収目標の達成を図る上で大変重要な事業だと認識をしております。
 したがいまして、森林整備事業の補正予算に関しては、間伐の実施に向けた準備状況から見て、今年度内の執行が困難と見込まれる箇所のみ執行を停止をしたところでございまして、今後においても、森林の整備やあるいは木材の利用を通じて、私どもとしても緑の産業を大いに育ててまいりたいと考えております。
 執行停止をした事業の今後の扱いについての御質問でございます。
 今回の補正予算の執行の見直しは、各大臣が必要性、緊急性、そういった緊要性の観点から厳しく優先順位というものを見直したものでございます。二十一年度に執行する緊急性があるかどうかと、こういった観点から執行を見直したものでございまして、類似の事業が二十二年度に要求として提出されることも、これも十分にあり得ると御理解を願いたい。二十二年度の概算要求に盛り込まれているものについては、今後の予算編成過程においてその必要性を検討してまいります。
 執行停止等を解除する可能性についての質問でございますが、補正予算に係る事業について、各大臣に執行の是非について点検をしていただいて、十月の十六日に政府として決定をいたしました。見直し対象となった事業については、執行停止や交付辞退等に必要な手続を着実に進めているところでございます。見直した結果生まれた財源については、国民の皆様方のお暮らしが大事だという意味で、景気回復に役立つ方面での使い道へと振り向けてまいります。
 原子力発電についての御質問でございます。
 低炭素型の社会の実現に向けての原子力政策というものは私どもにとって不可欠な政策だと、そのように考えております。とりわけ、今回の思い切った中期目標というものを実現をさせていくためには、新エネ、省エネの徹底に加えて、原発の着実な実施というものがこれは求められているところでございます。したがいまして、まずは安全というものを確保しなければなりません。この安全確保を大前提に、国民の皆様方の御理解と原子力発電に対する信頼を得ながら着実に実現をしてまいります。
 我が国が唯一の被爆国であるということ、さらに原子力に対する国民の皆様方の中にもやや懸念を持っておられる感情など様々な思いがあることも十分認識をしております。したがいまして、安全性の確認、確保、このことをくどいようですが申し上げて、安全性を更に高めていくという前提の下で、原子力発電の結果発生する使用済燃料の効率的な利用あるいは放射性廃棄物処分の推進のためにプルサーマル計画を含む核燃料サイクル政策も推進をしてまいりたいと考えております。
 エコポイント、エコカーに対する補助、減税の継続についての御質問がございました。
 エコポイント、エコカーの補助は、先ほども申し上げたと思いますが、景気対策の面、さらに環境対策の両面においてそれなりに意味があったと、そのように効果を期待をされる政策だと理解をしております。したがいまして、今後の対応について、地球環境問題、特に温暖化対策全体の議論の中で経済情勢がこれからどのようになるか、好転していくか、更に厳しい状況になるか、こういうところを判断しながら見極めて最終的な判断をしてまいりたいと思っております。
 中小企業の軽減税率についての御質問がございました。
 確かに、諮問の中で必ずしもこの中小企業の法人税一一%に引き下げるということ自体は明記をされていなかったかもしれませんが、三党連立政権の合意書を含んで、マニフェストにおいて実施することとしている税制改正項目についてその詳細を検討することと記載をされておりまして、まさにマニフェストの中に記載をされている中身、詳細を検討しろということでありますから、中小企業の軽減税率についても諮問に含まれていると、私どもはそのように考えておりまして、したがいまして政府税調の中で今後検討が行われることになります。
 中小企業予算の概算要求についての質問でございます。
 中小企業は、言うまでもありません、我が国の産業、雇用、暮らしを支え、大変国民の暮らしを守るためにも中小企業が頑張ってこられた、歯を食いしばって頑張ってこられた中小企業の対策は非常に重要だと、そのような認識を我々もしているところでございまして、公約で予算を三倍に増やすということも申し上げたことも事実でございます。
 平成二十二年度の予算編成に当たっては、マニフェストに従いながら新規政策を実現をしていくために、既存予算についてゼロベースで臨んで厳しく優先順位を見直す、こういう方針で取り組んでいるところでありまして、中小企業対策に関してもその予算について精査を行った上で、必要な額が今回は要求されたというように理解をしております。
 ただ、御案内のとおり、これではまだ私どもとしても十分だという理解をしておりません。したがいまして、今後、中小企業対策について更に全力を挙げて政府一丸となって取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 なお、先ほどの中小企業の法人税の一一%に引き下げる、このことも当然のことながら三倍に増やすという中に含まれていくというふうに御理解をいただきたいと存じます。
 補正予算の執行見直しによる地域経済への影響と地域経済の現状、活性化についての質問でございますが、今回の補正予算の見直しに際しては、地方自治体向けの基金は一時留保の対象から外すということなど、地域経済に対して我々とすれば影響を十分に配慮をしたつもりでございます。
 地域経済は一部持ち直しているなどという声も聞かれますが、現実は大変厳しい現状にあると、そのようにやはり認識をすべきであります。したがいまして、その意味においても、特に農村地域において戸別所得補償制度などの創設を早く行って活力ある農山漁村を再生をする、そして、先ほど申し上げた地域主権、地域のことは地域に住む住民の皆様方がお決めいただけるような、そんな改革を断行してまいりたい、そのことによって活力ある地域社会をつくり上げてまいりたいと思います。
 米以外の戸別所得補償制度についての御質問がございました。
 私どもは、まず米を中心としているということも事実でありますが、そうではありません、それだけではありません。私どもが考えているのは、その地域地域における基幹的な作物を対象にするつもりでございまして、その意味では、野菜、果樹、酪農、その地域における基幹的な農作物、酪農、畜産なども当然のことながら戸別所得補償の中に組み込んでいく予定でございます。そのようなことを行う思いの下で、来年度は調査、モデル事業を行って制度設計を検討して、二十三年度以降に本格的な実施を検討してまいりたいと考えております。
 農業の戸別所得補償に関する予算規模は、民主党のマニフェストにおいては最終的に一兆円程度だというのはそのとおりでございます。
 戸別所得補償制度と市場開放との関係についてのお尋ねでございますが、WTOあるいはFTA、こういった国際交渉について、日本としても貿易・投資をやはり自由化をしていく、この方向の下で推進をする、これは当然のことながら国際的な協力関係の中で日本が歩んでいくために必要であると理解をしています。ただ、その際に、食の安全あるいは安定供給、さらには食料自給率の向上、国内農業あるいは農村地域の振興などというものを損なうことがないようにしっかりと配慮をしてまいりたい。
 ここで、先ほどお尋ねでありましたけれども、私どもは戸別所得補償制度はFTAの締結を前提とは考えておりません。そのこともお含みおき願えればと思います。
 戸別所得補償制度と農業の高コスト体質の改善に向けてのお尋ねでございますが、モデル対策では交付単価を一律に設定をしているために、農家が規模拡大によるコスト削減や高品質化による付加価値の向上などの努力をすればするほど所得が向上するという仕組みになっております。農家の経営の努力あるいは販売努力が促される仕組みでございます。そのことによって我が国の農業の体質の強化を図ることができます。
 EUやアメリカにおいても、直接支払によって農家の皆様方の所得を補償し、自給率の向上あるいは食料安全保障の確保を実現をしているところでございまして、私どもはやはり、農家の皆さん方にとって戸別所得補償制度を通じて自給率の向上、食料安保というものを実現していくと同時に、農業、農村地域を積極的に立て直してまいります。
 残余の質問に関しては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣福島みずほ君登壇、拍手〕

○国務大臣(福島みずほ君) 地方消費者行政活性化交付金の一部執行停止についてお尋ねがありました。
 地方消費者行政活性化交付金については、平成二十年度二次補正予算により百五十億円が基金として交付済みであり、本年度補正予算において基金を積み増すための予算として百十億円が計上されておりますが、そのうちの一部、三十億円を執行停止することといたしました。
 これは、基金の積み増し分の百十億円について、都道府県、市町村に対し、様々な機会を通じて基金を積極的に活用し、地方消費者行政の充実強化に対する取組を促すよう働きかけを行うとともに、効果的な活用が可能となるよう運用面での改善を図ってきました。都道府県の消費者行政担当部局から聴取した要望額によれば、今後執行される見込みがない金額が三十億円以上に上ることが明らかになったため、百十億円のうち三十億円については執行を停止することとしたものであります。
 消費者庁では、現在、地方消費者行政推進のため、地方消費者行政強化プランを策定中であり、幅広く地方関係者、消費者関連団体の意見を伺いつつ取りまとめる予定です。また、地域で生じている消費者政策上の課題をきちんと把握し、各地方自治体に対してよりきめ細かい支援を行うことができる体制を整備してまいります。
 地方協力課の増員要求や地方消費者行政とのネットワークの構築などきちっと要求をし、またプランを作っておるところであります。このような取組を通じ、地方消費者行政の強化にしっかり取り組んでまいります。
 原子力政策についてのお尋ねがございました。
 社民党が党の政策として脱原子力の社会を目指していく方針に変更はありません。原子力発電所に賛成の人も反対の人も、自然エネルギーの促進や原子力発電所の耐震設計の基準の強化や原子力発電所の安全をきちっと保っていく、そのことには皆さん賛成していただけると考えております。
 そして、鳩山内閣の一員としての責任をしっかり果たしてまいります。(拍手)
   〔国務大臣長妻昭君登壇、拍手〕

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