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2023.6.9 本会議での代表質問原稿(刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案) | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

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2023年6月9日(金)参議院 本会議
「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」に関する代表質問(質問原稿)
立憲民主・社民 福島みずほ

社民党の福島みずほです。私は、立憲民主・社民会派を代表し、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案について質問をいたします。

まず冒頭、昨日の法務委員会での入管法改悪法案の強行採決と本日本会議において採決が行われる予定になっていることに強く抗議をします。

 

入管法改悪法案の立法事実は崩壊しました。難民認定制度が全く機能していないことが明らかになりました。難民申請する人たちの中にほとんど難民はいないと言う事の根拠がないことが明確になりました。にもかかわらず2回難民申請し、認められなければ3回目申請中でも本国に送還するとなれば、難民の人を本国に送る危険性があります。命の危険が発生します。国会議員のみなさん、死刑執行のボタンを押す共犯者にどうかならないでください。入管法改悪法案に反対して下さるよう強く求めます。

 

1.性犯罪、性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、心身に深刻な影響を与えるものです。魂の殺人です。

 

国連は1993年「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」を採択しました。「女性に対する暴力は人権侵害である」と考えますが、法務大臣、男女共同参画担当大臣、いかがでしょうか。

 

そして、そのためにどのような施策を行なってきたか、法務大臣、男女共同参画担当大臣、お聞かせください。

 

2. ヨーロッパ評議会は2011年に女性に対する暴力とドメスティック・バイオレンス防止条約、いわゆるイスタンブール条約を採択をしました。

 

2023年2月現在、44カ国とEUが署名をしています。

 

日本はヨーロッパ評議会のオブザーバーステイタスを持っている国です。また、日本もこのイスタンブール条約を批准することができます。法務大臣、日本も批准するよう検討すべきではないでしょうか。

 

そして、ILO(国際労働機関)190号条約「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約」を批准すべきではないでしょうか。検討状況について厚生労働大臣にお聞きをします。

 

3. イスタンブール条約は、女性および女子がジェンダーに基づく暴力にさらされる恐れは男性よりも大きいと述べています。

 

性差別のある社会では、女性はもっぱら性的存在として扱われ、同意のない性的行為が強制されます。

 

性的行為の同意以前に日常的にそもそも女性はどうしたいかと聞かれ、その意思が尊重されることが少ないように思います。対等な存在としてリスペクトされることがまだまだ少ないのです。

 

性暴力は、なかなか性暴力として認識されず、また被害者に落ち度があるという考えもまだまだ根強いです。被害者は恥として自分の被害を言うことができず、話題にもできず、また、理解をされません。

 

また家の中での性暴力、職場や学校におけるセクシュアルハラスメント、電車や映画館や様々なところであう痴漢、就活ハラスメント、ドメスティックバイオレンス、ごくごく小さい時から、性的なからかい、性的な値踏み、性暴力にさらされ、レイプカルチャーの中で、そのようなものが空気のように充満しているところで生きていきます。

 

女性、女子に対する全ての暴力、性暴力を根絶する決意を法務大臣、男女共同参画担当大臣にお聞きします。

 

イスタンブール条約は、レイプを含む性的暴力について「同意なしの性的行為」と定義していることは重要です。NOミーンズNOYESミーンズYESです。本人の同意のない性的行為は、本人の性的自由を侵害するという理解でよろしいですか。

 

一緒に食事をしても、お酒を飲んでも、一緒に部屋に帰っても、ホテルに行っても性的行為について同意があるのではないということで良いですね。これら2点について法務大臣にお聞きします。

 

性犯罪が成立するためには、判例は、その手段たる暴行、脅迫が、少なくとも相手方の反抗を著しく困難にさせる程度のものであることを要するとしていました。暴行脅迫が相手方の反抗を著しく困難にする程度のものでは無いとして、性犯罪が無罪になったケースがいくつもあります。

 

2019年3月、名古屋地方裁判所岡崎支部の判決は、実の父親による性交に娘が不同意であったことを認定しながら、抗拒不能ではなかったと、父親を無罪にしました。

 

この月に無罪判決が4件続き、衝撃を与えました。性暴力の根絶を願うフラワーデモが全国に広がりました。

 

今回の刑法改正が、強制性交等罪を不同意性交等罪と名称を変更し、同意のない性的行為を問題としていることの意味について、法務大臣にご説明を求めます。

 

何をもって同意とするのか。この法案で、同意のない性交等が適切に処罰をされるということでよろしいですか。これら2点について法務大臣にお聞きします。

 

13歳以上に対し、暴行や脅迫を用いて」という要件から、「16歳以上に対し、次の類似した行為・事由やこれらに類する行為・事由により、性交等に同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせ、または、その状態に乗じて」に改めて8つの事例を列挙したことの趣旨を法務大臣、ご説明ください。

 

刑法は国家権力が人を処罰する基本法です。憲法31条の罪刑法定主義に基づき、構成要件の明確化が厳しく求められます。捜査機関や裁判所における恣意的な運用を許さず、国民に何が処罰されるのか予め明確に示しておくことが必要です。「次の類似した行為・事由やこれらに類する行為・事由により」という文言があります。他方、法案で、不同意性交等罪について、8つの事由を列挙したことでわかりやすくなった面はあります。例えば、地位利用ということで言えば、わたしは、職場のセクシュアルハラスメント、学校の中のセクシュアルハラスメントの裁判を弁護士としてやってきました。上司と部下、大人と子ども、男性と女性、先生と生徒、部活の顧問と部員などという力関係の差を背景に、地位利用で行われる性暴力は抵抗することができないと言う深刻さがあります。

構成要件の明確性という面と例示によってわかりやすくなった面の両方の観点からの答弁を法務大臣に求めます。

 

また、犯罪を無くすためにも不同意性交等罪にしたことの意味を社会的に広く広報する必要があると考えますが、法務大臣いかがですか。

 

4 配偶者間でも不同意性交等罪が成立するとした趣旨について、法務大臣ご説明ください。

 

かつて配偶者間で強姦罪の成立を認めた判例はあります。

 

別居している妻を連れ戻す過程で車中で他の男性たちと一緒に輪姦したという例です。

 

このように極端なケースではなく一般的に配偶者間でも不同意性交等罪が成立するということで良いですね。法務大臣お答えください。

 

16歳未満に対する性交等は、成立要件を満たさなくても処罰対象となります。その理由について法務大臣、ご説明ください。

 

また、13歳から15歳は、年齢の低い場合には免責し、処罰は5歳以上の年長者に限るとした理由について法務大臣、ご説明ください。

6 公訴時効の延期についてお聞きします。

 

性被害は、大人であっても子どもであればなおさら被害を犯罪と認識できなかったり、自分も悪かったのではないかと自分を責めたり、あまりに傷ついて沈黙を強いられたり、加害者が身近な人であればあるほど被害を訴えられないという状況にあります。

苦しすぎてその苦しさを語れないという苦しみがあります。

 

公訴時効の延長の趣旨について、法務大臣ご説明ください。

 

7 同意のない性的な行為は性暴力であり、相手の同意は尊重しなければなりません。

 

そのためには性差別を根絶する必要があります。

 

また、自分の人権と相手の人権を尊重する人権教育としての性教育が必要です。

 

知的障害などを持つ障害者の人は性暴力に遭いやすいというアンケート結果があります。だからこそ七生養護学校で性教育が行われていました。しかし、そのことが叩かれ、日本の性教育は冬の時代を迎えます。

 

性教育について、学習指導要領には、小学5年生の理科では、人の受精に至る過程は取り扱わないものとする、また、中学1年の保健体育科では、妊娠の経過は取り扱わないものとされています。

 

つまり、学校教育の中で性交は扱わないものとなっています。

 

しかし、これでは、妊娠や性交を理解することにはなりません。

 

改善の必要があると考えますが、男女共同参画担当大臣と文部科学大臣いかがでしょうか。

 

ユネスコの包括的性教育ガイダンスに立脚した性教育がなされるべきではないでしょうか。男女共同参画担当大臣、文部科学大臣にお聞きします。

 

8 男性の性被害についてお聞きします。

 

フランスのカトリック教会の神父らが216000人の子どもたちに性的虐待を加えたとする報告書が2021105日に公表されました。70年間にわたり、2000人から3200人の聖職者が関与したということです。被害者の8割は少年で、大半が10歳から13歳の頃に被害を受けています。フランスのカトリック教会から依頼を受けた独立調査委員長は、「2000年代初めまで、被害者は深く、完全に、残酷なまでに無視されていた」と指摘しています。

 

元ジャニーズ事務所に属していた人たちが、性被害を訴えました。

 

私たちは、性被害の訴えや報道を無視することで、性被害の共犯者になってきたのではないでしょうか。

 

ジャニーズ事務所の創設者に対し、被害者たちの証言を前提とすれば、現行法でどのような法的処置が可能だったのか、改正法案が成立すればどのような条文が対象になるのか、法務大臣お答えください。

 

内閣府は2021年に男女間における暴力に関する調査を発表しました。男性の被害に関する質問項目がありますが、男性が性暴力被害を相談しなかった理由は、自分さえ我慢すれば、何とかこのままやっていける、相談しても無駄だと思った、世間体が悪いなどがあります。

 

福岡県の「性暴力被害者支援センター・ふくおか」への相談者は、約1割が男性で、県外からも連絡が来ると言うことです。男性が性的な被害に遭うはずがないと理解してもらえないと言う相談もあります。

 

男性の性被害について、厚生労働省は、2022年度から、実態調査に乗り出しました。調査の結果と取り組みについて、こども政策担当大臣、男女共同参画担当大臣にお聞きをします。

 

LGBTQ の人たちの性被害についてお聞きをします。

 

神奈川県は2019年から性暴力被害に関するワンストップ支援センター内に性的少数者も対象にした「男性及びLGBTs被害者のための専門相談ダイヤル」を開設し、相談員が対応しています。担当者によると、過去の被害をやっと打ち明けられたと話す人もいるそうです。

 

政府の取り組みがどうなっているのか、男女共同参画担当大臣についてお聞きをいたします。

 

10 性犯罪・性暴力のためのワンストップ支援センターへの支援についてお聞きします。ワンストップ支援センターは、被害者への様々な支援を可能な限り1ヶ所で提供しており、現在47都道府県全てに設置されています。とりわけ病院拠点型のワンストップ支援センターや提携病院を有するワンストップ支援センターは、被害者に対する医療的支援のネットワークの核になっており、極めて重要な役割を果たしています。

 

政府の更なる支援が必要だと考えますが、男女共同参画担当大臣いかがですか。

 

11 伝聞証拠の取り扱いの例外についてお聞きします。

 

刑事訴訟法における証拠は、公判廷において、反対尋問による検証を経るのが原則であり、原則として、公判廷外供述は証拠能力を持ちません。

法案は、なぜ聴取対象を子どもや障害者、性犯罪被害者に限定せず、文言上全ての犯罪類型のあらゆる関係者に適用することを可能とするのでしょうか。性犯罪の被害に乗じて、伝聞証拠の例外の拡大をあまりに進めるもので問題だと考えますがいかがですか。これら2点について法務大臣にお聞きします。

 

また、その運用においては、聴取主体を「司法面接」に習熟した中立的な立場の専門家にするよう、捜査機関において努めることが必要だと考えますが法務大臣いかがですか。

 

12 もし、この社会から、女性や子どもに対する暴力がなくなったら、どれだけこの社会は、変わるでしょう。

 

全ての子どもが幸せだと思える子ども時代を送ることができたら、この社会は根本的に変わると確信をしています。

 

最後に男女、LGBTQを問わず子どもたちの性暴力を無くすために何ができるか、男女共同参画担当大臣、こども政策担当大臣、文部科学大臣に決意をお聞きします。

 

全ての暴力を無くすよう政治は全力を尽くすべきだと申し上げ、質問を終わります。

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